第六話
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「ありがとうございましたー」
夕方、秋真は学園から帰るとそのままの足でアルバイト先であるコンビニに向かった。
そして現在、夜の10時ごろ弁当を買って行ったサラリーマンに秋真は接客のマニュアルどうりに挨拶をした。
すると、カウンターの奥の扉から首まで伸ばした黒髪の女性が出てきた。見た目は二十代前半に見える。
「アキく~ん、ごめんね~。最近、バイト多く入ってもらって」
「いえ、構いませんよ。それに今回は僕も遅刻してしまいましたし、お互い様ですよ」
「そう言ってくれると雫嬉しい!でも、本当にごめんね~。何か…御礼しないと~」
四ノ宮 雫。秋真のバイト先の店長であり最近、結婚したばかりの新婚ホヤホヤの奥さんである。
「ではここは一つ、夜のお相手を」
新婚相手に容赦無く不倫を促す変態。
「えー、どうしょうかな〜……。うーん…。まぁ大丈夫かな〜…うん、いいよ」
雫は満面の笑顔で答えた。
秋真はまさか、OKがくるとは思わず動揺してしまった。
「?!い、いいんですか ‼」
「うん!他でもないアキくんの頼み出し。それよりそんなことでいいの?他にも、もっと大胆なこと頼んでもいいんだよ〜」
「な、なんと‼」
ま、まさか若干16歳にして若奥様を寝取る事ができるとは‼しかも、もっと大胆な事ですか?!寝取られプレイよりも、もっと大胆な事……はっ‼。まさか、ろしゅ……
「でも私…。攻めるのあまり得意じゃないからアキくんに一気に攻められて、ヤられるがままになちゃっうかも…。優しくしてね」
雫は照れ臭く秋真に微笑んだ。
秋真は自分に革命が来たと悟った。今こそ、封印されしエベレストの真の形をさらす時だと。
「フッ。任せて下さい。旦那さんとは違った、喜びを差し上げましょう。僕としては今直ぐ帰って朝までコースを希望なんですが…」
「うーん、朝までは無理だけど…どうせ今の時間、誰も来ないからここでやっちゃおうか?」
秋真は目を見開いてしまった。心は爆発している。
店内プレイ来たーーーーーー‼‼‼(≧∇≦)
「じゃあ私、準備してくるね。少し待ってて」
「わ、分かりましたぁ‼」
秋真は反射的に敬礼した。
心はもう最高潮に高鳴り一分一秒が待ちどうしかった。
そして、ついには落ち着く事ができず店内をグルグル回ったり、使われるであろうカウンターの上を掃除したりして雫が来るのを待っていた。
「よ、よしティッシュの準備はOK。臭いが残らないように芳香剤もOK…」
そして、秋真が手に汗を滲ませながらもヤリ終わったあとの処理対策に時間を潰していると、後ろから雫の声が聞こえた…。大人のお遊びの時間が来た様だ。
「ごめ〜ん、遅くなっちゃった」
「フッ。大丈夫ですよ。夜はまだ長いですから」
秋真は後ろを向いたままキザ紳士らしく落ち着いた対応をした。心ではハンマーを持った小人が容赦無く叩いている。
雫は秋真の後ろで一言、優しく呟いた…。
「お、お手柔らかにお願いね…」
秋真は我慢できず振り返った。
そこにはコンビニの制服姿で手にボードを…
うん?手にボー……ド?……おやおや〜?
どうやら僕の目もついに失明の危険がでてきましたか…。
ついには、ボードの上に白と黒の駒が見えて来ましたよ…。
「よーし。負けないよ〜‼攻めるのは得意じやないけど…私こう見えてもチェス、まぁまぁ強いんだから‼」
「ンン?!今、チェスって言いましたか?チェスって!」
「うん、言ったよ。だってアキくんこの前、私がゆーちゃんとチェスの話したらやってみたいですね~っていってたからすぐにわかったよ!!やりたかったんでしょ?」
「たしかに、やりたかったですよ………。でも、………こっちじゃないよぉぉぉぉ!!!」
だってあの時…
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「わたし昨日、ゆーくんとはじめてやったの!!(チェスを)」
「やっちゃったんですか?!(初を?!)」
「でね!ゆーくんったら、私があまり(駒で)攻めないものだから調子に乗ってガンガン攻めてきちゃって…ついにはやりたい放題なんだよ~(チェスを)」
「は、初めてで、ですか?!(そんなにも激しいプレイを!!)」
「うん、最後なんてゆーくんの(ポーン)全部が私(側のマス)に入ってきて変えられちゃったよ(クィーンに)」
「な、中に?!(生ですと?!)…しかも変えられた?!(中の形を?!なんて激しいプレイなんだ!!)や、やってみたいですね~(生を!!プレイを!!)」
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あ、あれはチェスのことだったんですか…?!
「そ、そんな…」
秋真はその場で四つんばいなった。秋真を彩っていた、人間らしい色は周りの色を残して灰色に変わっていた。
雫は灰色になった秋真を見て首を傾げているだけだった。
「? なんで四つんばいになってるの?チェスはやらないの?もしかして変な人たちで流行っているお犬、お散歩プレイってやつ?私、アキくんにそんなことしたくないよ」
「僕だってやりたくないですよ!!どちらかというと僕はオフィスプレイの方がやりたいですよ!!」
「? なにそれ? お仕事?」
あ~もう~この人完全に天然さんですよ…。優夜さんが結婚の申し出をして50回も断られた理由がわかりました…。これだとやっと結婚した現在もいろいろと大変そうですね、優夜さん。
秋真は次第に落ち着きと色を戻して行き、雫の旦那である優夜に同情の言葉を捧げた。
そして、一気に精力が失せた秋真はとりあえず外にあるゴミ箱の袋を変えに行った。
「それじゃ僕、外のゴミ箱の袋変えてきます」
「オフィスプレイは?」
「それは旦那さんとやってください…」
「ゆーくん、サラリーマンじゃないよ?能警の実行部隊だよ。それに最近、急がしいみたいで帰ってきたらすぐ寝ちゃうし…」
「優夜さんにスーツでモジモジしてやりましょ?って首をかしげていえば、やる気満々で相手してくれますよ…フッ…」
「え?!ほんと、わかった!やってみる!ありがと。アキくん」
秋真は肩を落としてトボトボと外に向かった。
季節は春でまだ4月。夜になると冷えると昔の人は行っていたようだが、現在の4月の夜はTシャツ一枚でもすごせるぐらいだ。そして、夜の空に広がるのは都市の光と赤い月。星々はきずいた時には日々見えなくなっていた。人々を見ているのは赤く血を流した月のみ。
ゴミ箱の前まで来ると秋真は赤い月を見つめ黄昏ていた。
「おい!てめぇ!!」
不意に後ろから声をかけられ、秋真は我に返り接客対応をしようとした…
「はい、なんでしょうk」
ドゴッ
が、顔面を殴られた。見知らぬ顔の金髪ツインテールに。