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能力者VS能力者~autumu story~   作者: 黒神 妄者尾
第4章 魔王討伐 編
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第五十一話

申し訳ございません!

私情で更新が遅くなりました。


「時代はかなり変わりましたねー。私の時代には無い物で溢れております」


森蘭丸がホログラムに映し出された状態で周りに首を動かしながら言う。


ダンッ!!

「ありえない!」


いきなり、何かを強く叩く音。

その後、怒声が響く。

怒声を発したのは奏である。

奏は秋真を見ながら次を喋る。


「いくらなんでもそれは現実味がない!それに仮にその約一万人が昏睡しているとして降霊術をする人物は何人いる?!ただでさえ少ない『霊能力者』を何処からあつめる?!しかも昏睡状態の約一万人はCHINA(中国)にいるんだぞ。無線で電波を飛ばしたとしても約一万人の能のデータとなるとシステムの保存量がすぐになくなりパンクするはずだ」

「彼女の言うとおりよ。確かに私の考えとは根本的に違って否定しているわ。仮に霊魂を降ろし憑依された人間が海外にいて、そこから電波に乗せてシステムに一度集めてから携帯端末に入れるんてどう考えても不可能よ。それにいくら器の人間が昏睡状態だからといって憑依した霊は本来、その人物の中にある『霊力』がある分だけ(・・・・・)しか留める事は出来ないのよ?貴方も『霊能力者』の端くれなら分かるはずでしょ?さらにその人物が昏睡状態であって降ろされた霊が『霊力』をすでに吸収し切っていれば人は死んで霊は強制的にその人物から離されるはずよ」


さらに蓮も秋真に追い打ちを掛ける。


「アキ、その仮説には現実感がなさすぎる。今回の依頼とVRMMOの事件はやはり別と考えるべきだと思う」


蓮が腕を組んで秋真に言う。

そして、三人の反対の意見を聴いた秋真は落ち着いて言う。



「あくまでこれは仮説です。否定されるならこの可能性の仮説を切り捨てて捜査すればいいだけです。それにこの依頼は冬花に任された依頼。何を信じて何を信じないかは冬花が決める事です。僕はただ可能性のある情報、知っている情報があれば協力をするだけです。ですが…協力するのは情報だけです」


秋真が冬花にニッコリする。

その笑顔に冬花は秋真に睨む。


「………それで構わないわ」


冬花が睨むのをやめて秋真に言う。


「そうですか。じゃあ、情報は差し上げたので僕はこの依頼には直接関わらない(・・・・・・・)ようにします(・・・・・・)。」


三人が秋真に横目を向ける。


「……何やら深刻な雰囲気ですね」


ホログラムに映し出された『森 蘭丸』が言う。だが、誰も相手にはしない。

冬花は蓮と目を合わせる。冬花の意図を察して蓮はその目に軽く頷いて携帯端末を手に取り、弄る。


「無反応ですか……」


『森 蘭丸』はこの言葉を最後に消える。

携帯端末の持ち主、蓮がアプリを閉じたためホログラムが消えたのだ。

そして少し間が空いたところで一文字の愚痴が漏れる。


「チッ!!」


冬花が誰にでも分かるように舌打ちをした。

それを見た蓮が苦笑いをする。


「ははは……」

「ふんっ。相変わらずムカつく言葉の使い方をするわね……。まぁ情報だけ、くれるならありがたい物だわ。…だけど以外ね、クソウジ虫の事だからまた無関心を粧うと思ったのだけど何の変化?」

「変化も何も、もともと退路は断たれていて僕自身が罠に(・・)飛び込んでしまったので火の粉が飛んで来ないよう最小限の協力にしたまでですよ」


冬花が勝ち誇った顔をする。


「退路を断たれているならいっそう私の手足(・・)になって働きなさい」

「それは、遠慮しときますよ。それより一つだけ教えてください」


秋真が冬花に瞳孔を開き黒ずんだ眼で問う。

冬花は一つツバを飲み込む。

そして、心の中で呟く。


秋真…私は貴方のその()、本当に嫌いよ……。


「何かしら」


冬花が平常心を装って聞く。


「いえ、ただ…『本家』を追い出されたこの僕になぜ、都の依頼の話を振ったのかと疑問に思いまして。もし、『本家』……『あずま家』が関わっているなら、僕は……「深い意味はないわ。ただ、違う視点からの意見が欲しかっただけよ」


冬花はとっさの嘘を秋真のセリフに重ねる。

二人のやり取りを見ていた奏と蓮は口を出さない。

何故ならこれは本人(・・)本家同士(・・・・)の問題だからだ。

だから二人は視界を秋真、冬花に動かすだけで話の区切りを待つ。



「………そうですか」


秋真の瞳から緊張が切れたのが分かり、開かれた瞳孔は普通になっていた。


「そうよ、それだけ」


しばらくの沈黙。




そして秋真が第一声を放つ。


「では、話が終わった見たいなので僕は失礼します」


それに続いて奏も頭を下げてから言う。


「北川 冬花…アプリの話についてだが、私は秋真の所有物だ、すまないが協力は出来ない。私は秋真の意見に従う」

「大丈夫よ、気にしないで。貴方はまだ『霊能力者』としては未熟。だから最初から貴方……如月先生には期待はしていなかったわ。もともと秋真のおまけとしか思っていなかったから」

「ちょっ!社長!」



蓮が冬花のトゲのある言葉に反応する。

だが、そんな蓮を奏は手を出して止める。


「大丈夫だ、睦月。北川 冬花のセリフは正しい。私はこちら側の世界に来てまだ日が浅い。だから、話を聞いて私自身は協力したいと思っているが、それを成し得る力がまだ私にはない。だから気にするな睦月」


奏の言葉に蓮はそちらの追求はとどまる。

秋真と奏は歩き出す。

だが、蓮は最後にもう一度秋真に確認を問う。


「アキ、協力は本当に情報だけか?」


扉に向かっていた、秋真と奏が歩みを止めて振り向く事なく秋真が言う。


「教えられる情報は話ました。ですの後はもう、直接関わらない(・・・・・・・)ようにさせて貰います(・・・・・・・・・・)。」

「………そうか、分かった」



結界が秋真によって解除される。そして解除された瞬間、廊下、外の音が教材室に溢れる。


「情報、ありがとうな」


そして扉から出ていく秋真達を蓮が輝く歯を見せながら見送った。





◆◆◆



しばらくして……


「ふぅー」

「お疲れですね、しゃち…じゃなくて北川先生」


蓮が冬花に缶コーヒーを買ってきて机に置く。


「ウジ虫……。まさか、自分から『本家』の話を出すなんて…」

「え?」


予想していた返しと違って蓮は声を漏らす。


だが、次に冬花は缶コーヒーを手に持って蓮を見る。


「貴方、下僕のくせに私の事全然分かってないわね」

「へ?」





「私、缶コーヒーは飲めないのよ」








◆◆◆


ーPM17:25ーα(アルファ)領域:学園校舎B棟2階廊下。


如月 奏が教頭先生に呼び出しを受け、一人になった秋真。

とりあえず、バイトが6時から入っているためカバンを取りに戻っていた。

不意にたまもが語り掛ける。


主殿、気が付いていると思うが……どうするのじゃ?


たまもの語り掛けに秋真が廊下の窓を横目で見る。そこには光の加減で鏡になった窓があり秋真の後ろに隠れながら秋真を観察している人物がいた。

秋真は教材室を出てすぐにこの視線に気が付いたが気付かない無い振りをして秋真も相手を気配で観察していた。

その人物は教材室を出た後すぐに(・・・・・・・・・・)一定の距離を保って尾けていた。

そして今、尾けていた人物は意を決しったのか、早歩きで秋真に近づく。

秋真はズボンのポケットから『火』の呪が書かれた札をすぐに出せる様に手を突っ込む。

そして………


「あ、あのぅ!」


秋真は振り返る。

そこにいたのは丸いメガネをかけていて後ろ髪を一つの三つ編みで纏めていた女子生徒がいた。

秋真は眼を見開く。そしてその後すぐに札を出さずポケットから手を出して両手を広げて目の前のレディーをもてなす。


「これは、これは!!夏に改札口であった美しいレディーじゃないですか!ついに僕とフィーバーしたくなったのかな☆」


三つ編みのメガネ女子は秋真の汚く臭いセリフに頬を真っ赤にして、手を前でブンブンと振ってうろたえる。


「///ふわわわぁ〜、う、美しい…な、なななんて///」


秋真は追い打ちをかける。


「それともそのメガネの置くに隠された瞳は僕を惑わす魔性であり、美しいではなく魅惑的なレディーなのかな☆」


メガネの女子生徒はさらに困惑する。


「///あわわわぁ〜///そ、そそそじゃな、なくて!これ!!」


メガネの女子生徒は秋真に一枚のプリントを押し付ける。


「ん?」

「こここ、これをき、如月先生にお願いします。さ、さささっき(・・・)ノックしよ、ようと思ったら如月先生の怒鳴り声(・・・・・・・・・)がき、聞こえて…後にしようと待って、たら…いつの間にかいなくて……だ、だから!渡して下さい!」


女子生徒はそれだけ言って顔が真っ赤のまま走り去って行った。

秋真はそんな女子生徒をただ見つめているだけだった。

そして、しばらくして口を開く。


「たまも」

「なんじゃ、主殿?」

「さっきの彼女、帰宅先の家まで尾けて下さい。それ以降は帰って来て下さい」


たまもは秋真をチラッと見た後、言う。


「うむ、了解じゃ」


そしてたまもがいなくなった後、秋真は夕陽が沈み始め、星が疎らに見え始めた窓の外を見て言う。


「彼女は一体……」




◆◆◆


ーPM22:00ー頃


少女は自分の部屋の扉を開けながらタオルで湯上がりの頭から水分を取る。


「はぁ〜、今日もまたテンパっちゃったな〜」


少女は机に座り携帯端末を弄り、アプリを起動させる。


「咲、そのセリフは夕刻に話掛けたと言う男性の事ですか?」

「うん」

「どのような男性なんです?」

「うーん、一言で言うならナルシスト?」

「なる…なるし…なんですか?」

「簡単に言うと見栄ぱっりの人?って言うのかな?」


咲と呼ばれた少女はタオルを首に掛けて首を傾げる。


「咲、一言忠告です。大概、そういう男は信用できませよ!私の部下にもいましたからね、そのような男が一人」

「そうなんだ〜。でも、その男性の人は信ちゃん……信長が女性(・・)って知ってたの?」

「さぁあ?どうなんでしょう。あの猿、本心をあまり出さなかったので探りようがありませんでしたし。もし、あの猿が私と同じようにこのあぷり?に入っているなら今一度、はっきりとさせたいものです」

「ふふふっ、そうだね。見つかるといいね。」


少女は部屋の窓に近づいてカーテンを開き、夜空を見る。

そして今日、教材室にいたと思われる四人の人物を浮かべながら呟く。


「意思を持った『森 蘭丸』か…。私と同じ…だよね…。私の『織田 信長』と……」

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