第43話
更新、かなり遅くなりました!
すみませんでした。
「Zzz…Zzz…」
「…せ…い、き……せ…い」
声が響く…。頭に響く。
痛い。頼む、もう少しだけ寝かせてくれ…。
「きさら…せい、如月先生!…あ〜!!もぅ!」
身体が揺れる。揺すられている。誰だ、邪魔をするのは?
「起きて下さい!学校に着きますよ!今日、朝から生活指導の先生方で会議があるんでしょ!」
!!!
私は会議という言葉に何故か瞼が上がった!
そして、周りを見る。
どうやら私は朝の通勤の際、電車で寝ていた様だ。
前を見る。前にはスーツを来て黒いショルダーバックを肩からかけている。後輩教師の東山先生が手摺に身体を預けながら立っていた。
痛っ!!なんだ、この痛みは?
私はこめかみにシワを作り頭に手を当てる。
「だから昨日言ったじゃないですか、あまり飲みすぎるとまた二日酔いになりますよって」
「二日酔い?」
そういえば、昨日東山先生と留学教師のリリス先生と飲んだ……だったな…?多分……
あれ?そういえば私、こんなに髪長かったけ?
確か、切られた…はず…、目の前の…
…秋mザザッ!!!
くっ…!頭が痛い!
頭を左右に振って痛みを紛らわそうした。
「本当に大丈夫ですか?」
「ああ…なんとか…」
「はぁ〜…」
東山先生に溜息を吐かれた。そして、おもむろに時間も確認してる。
「あとちょっとで駅なのでそのまま学校行ったら少し保健室で休んでいて下さい」
「しかし、会議が「他の教員には僕がなんとか誤魔化しますから」ニコッ
……こいつはこんな奴だったろうか?
だが、頭が痛い私はそれ以上考える事ができず、少しでも体調を整えるため、寝るためではなく癒す意味で瞼を再び閉じた。
東山先生も次は無理に起こしてこなかった。
◆◆◆
「本当にすまなかった!」
私は放課後、東山先生に両手を合わせて謝罪をしていた。理由は明白だ。
今朝の会議をサボった上に東山先生に負担を掛けてしまった事だ。
「何か、お詫びをさせてくれ。その…お酒絡みじゃないもので…」
自分で制限を掛けているが対外、私のリミッターは勝ってに外れてベロベロまで飲んでしまう。つくづく自分が愚かだと思う。
しかし、私はこんな悪酔いはしなかったはずだ。
前だってナーシャと飲んだ時は……ナーシャって誰だろうか…ザザッ!!!
くっ、まだ二日酔いが残っているのか…。
今日は厄日だな…。
「はぁ〜…全く、如月先生を見てると歳上には見えなくなって来ちゃいますよ」
「君は失礼だな。それは暗に私が老けていると言うことか?」
「違います、違います!逆ですよ!ただ、距離感が短くて接しやすいって事です。近くに居て落ちつく人っていうか……あ…///」
うん?なぜ、顔逸らして赤らめる。
………
……
…
!!!
私は察しが付いた。
そして私も便乗して顔が赤くなったのが見なくても分かった。
「す、すみません!けして変な意味はありませんから」
「あ、ああ。わ、分かってる、分かってる」
とは、言ったものの…なかなか、顔の赤面が治らないな。
このまま行けば墓穴を掘りそうだ。
何とか、話を戻してさっさとこの話は終わりにしよう。気まずくて仕方が無い。
「は、話を戻すが…それで、どうする?」
「え?あ、ああ…はい。そ、そうですね〜…」
東山先生が顎に手を当てて考えている。
私はその姿が何だか、面白くて軽く笑ってしまった。
「ふふっ」
「なんで笑ってるんですか?僕、何か変でした?」
「す、すまない。お前のそんな仕草、初めて見た物だから…」
「あ…、す、すみません。また、やっちゃいました。前に如月先生から注意されてからやらない努力をしているんですが…」
?私が?
「私が言ったのか?」
さっきまでの頬の緩みが消えて淡々とした表情で聞く。
「そうですよ。会議なんかでやると印象が悪いからやめた方がいいって言ってくれたじゃないですか」
?
私の記憶にそんな事を言った記憶はない。あるのは毎日、毎日、お前が下ネタを言って最後にふざけたプロポーズをしてくるから私はそれに対して身体のむず痒さと教育者としてGODimpactを捧げていた…だけの…はず…?
ザザッ…ザザザ!!!
いや、違う……私は彼にその仕草に対して注意した?
ザザザ!!
くっ!!また頭の中で砂嵐が…私は一体どうしたというのだ。今日はこの砂嵐に、悩ませられる。特にあの扉をくぐってから……あの扉?
「決まりました」
私が頭に手を当てて思考を巡らせていると、いきなり東山先生が無理矢理私の思考を止めて一言放った。そして続けてとんでもない事を言ってきた。
「僕が如月先生の家にお邪魔させて頂き、手料理を食べさせて貰う。で、お願いします」
!!!
「な?!」
何ぃぃぃ?!
「………東山先生、少し自問自答をする時間をくれ」
「?はぁ、はい?」
よし、許可は得た。考えよう……
私の心よ、一つ質問をする。見栄を張らずに素直に答えてくれ!
落ちついて見えるだろうが、私はかなりはテンパっている。だってわけもわからず自分に答えを求めたいるのだから!!
そして、答えは自分の料理スキルから返ってきた。
やめて!ご飯が炭になる!食材が塵になる!飲み物がニトログリセリンになる!
ああ、分かっている…。私の料理スキルは壊滅的だという事は…だが、しかし、いいか?
この後輩教師は私の料理を食べたいと言ってくれたんだぞ!なら、いっそ…彼にはまだ早いが三途の川を渡るのではなく飛び越えて貰うしかないな……。
私の心よ、異論はないな?
………無言。
よし、彼には三途の川を飛び越えて貰おう!
「よし、分かった。手料理を振舞おう」
「本当ですか!やった!!」
「だが、一つだけ言っておく!命の保証はしない」
「命の保証?」
◆◆◆
「はぁ〜。如月先生…料理出来ないなら言ってくれれば…」
「す、すまない」
今、私と東山先生は自分のバックと野菜や肉などが入った、ビニール袋をそれぞれ持って夕日が照らす中、帰宅していた。
帰宅なのになぜ、東山先生がいるのか?
答えは容易な物だ。
あの「命の保証はしない」のセリフの後、リリス先生が近くに来て東山先生に私の料理スキルの話を盛りに盛って話た。そして、日頃はコンビニの弁当のみという事も話された。
その後の東山先生はとりあえず、「栄養が片寄っています。今日は僕が料理を作ります」と言って今の流れになる。
別に…私の家で作って食べる事ないのに……。私がお詫びをしたいのにこれでは、また彼に迷惑をかけているだけではないか……。
彼は何故、私にここまで良くしてくれるのだろうか……いや、知っている…。
彼の気持ちは憶測だが、解っていた。
そして、私もその気持ちを受け入れようとしている事も……。
大概、自分が思っている事は場の空気と心境で何となくわかってしまうものだ。
だから、今も……
「如月先生……聞いて貰いたい事があります」
東山先生は止まってそう言ってきた。
私も東山先生に向き合って言う。
「何だ?」
優しく促す。
東山先生は顔を赤らめて口を開く。
「///単刀直入に言います。僕と付き合って下さい」
「ああ、いいよ」
「え?!いいんですか!僕、年下だしヘタレだし、取り柄が無いですし」オロオロ
「ふふっ」
断る理由はない。私も……愛してるはずだから……。
「さぁて〜東山先生。そろそろ、帰りますか?」
「あ、は、はい!そ、その前に如月先生の口からその、何と言うか……お気持ちを聞きたいです!」
///はっきり、真っ正面から言われると恥ずかしいな…。
でも、東山先生…いや、————はそれを望んでいる。それなら……
「私も貴方を愛してる、————」
それから月日は経ち、私と————は結婚もして、日々、充実した生活を送っている。
はずだ…。
だが、私にはいまだに頭の中をかき乱す砂嵐が存在する。しかしそれは、日を重ねるたびに薄れていった。
しかし、''ある事''を考えると砂嵐は荒さを増して頭の中に強く響く時がある。
それは私の身内に関してだ。父と母は健在で歳を取った今でも元気にやっている。では、なんなのか……?
…
…
わからない。私にはその''ある事''がなんのかわからない。
…
…
ただ、感じるのはその''ある事''に対して寂しさと物足りなさを抱いていると言う事だった。
……
ザザザッ!!!!
痛い!
頭が割れそうだ!!
ザザザザザザッ!!!
ザザザザザザ…ね…ちゃ…ザザザザザザ!!
?痛っ!今、頭の中に何か映像が……
ザザザザザザ!!お…ね…ちゃ…
「お、ねちゃ…ん?」
ザーザーザーザーザーザー!!!
何だこれは?!頭の中の砂嵐がっ!!!
痛い、痛い、痛い!
でも、後…少しなんだ。
ザーザーザーザーザーザーザーザーザーザーザーザーザーザーザーザー!!!!
砂嵐は止むどころか荒さを増して私の意識を刈り取ろうとする。
しかし、そんな、雑音だらけの中、一言だけクリアに聴こえた、ある声……
「お姉ちゃん!!」
!!!私は不意に本当の母、もうこの世にはいない優しく弱かった母の病室での言葉を思い出した。
貴方達の名前はほらあそこ。あそこの空って言う字を奏響にして漢字二つに分けてつけたの。でも、生まれてくる予定だった貴方の実の妹の方は胎児で死んじゃったからその名前は今は貴方の横で眠っている響につけたのよ。
だから、どんな事があっても血が繋がってなくても貴方の妹に変わりわないわ。
だから…奏……
……
……
……
……
響を…愛して優しくしてあげてね……。
ガチャ…
玄関の扉が開き、東山が帰宅する。
そして、中に入るとリビングで倒れている如月 奏を発見。
「ただいま〜!!奏?!どうした、こんなとこで倒れて!!」
東山が肩を揺すり起こそうとする。
如月 奏は目を開けて自分で立ち上がろうとする。
それを見た東山は不自然に思い、口を開く。
「奏?」
如月 奏は涙を流しt「茶番はもういい。私は確かにこんな暖かい生活を送りたいと思った事もある。だけど、そこに響がいないのは間違ってる」
………
……
……
…
「ふぅー。全く、随分と遅い目覚めだな。こっちは少し飽き始めていたから目覚めてくれて助かるよ」
空間から声が聞こえて、周りの風景、東山が歪んで黒い空間になった。そして、奏の斜め後ろから明かりが照らし出される。奏は振り返り見る。
そこには明かりを灯したランタンと本が何冊か積まれた机があった。
そして奏は机に置かれたランタンから隣で椅子に身体を預けている人物を見る。
ランタンから照らし出されたその人物は髪が黒くて長く、後ろ髪を縛って肩から垂らしている。顔の特徴は整っていて美形。だが肌が白すぎて不気味に映る。
おもむろにその人物は手元の本を閉じると奏を薄っすら笑いで見る。
「貴方がナーシャ達が言っていた————なのか?」
「それは偽名だよ。だって言葉にもなっていないじゃないか、それ」
「では、貴方は誰だ?」
「私か?私はここに住む、悪魔だよ。名前はダンタリオンまたはダンタリアンだよ」
「違いがわからないな」
「違いなんてこれだけよ?」
ダンタリオンは喋っている途中から声が幾分か高くなり喋り方も女性になった。
そしていつの間にか胸は出てくびれができて身体も女性に変身していた。
「まぁ、こっちがダンタリアンよ」
「人間ではないな」
「悪魔だからね。さて、次はこっちからの質問よ」
「何だ?」
奏は身構える。
「非道の世界はどうだった?」
別作品、『アニマル・トライアングル〜’RABBIT’Deys〜』
も、早くがんばって更新しますのでこちらも見て頂けると嬉しいです!




