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能力者VS能力者~autumu story~   作者: 黒神 妄者尾
第3章 本土帰国 編
37/63

第37話

新しい章です。少しずつアメリカの話も織り交ぜたいと思います。



AMERICAアメリカーワシントン世界政府中枢国家都市

大統領官邸、ホワイトハウス

メインハウス、一室。


一人の男性が黒革のチェアに座り机にペンを走らせていた。

男性は髪に目立たない範囲で白髪があり、目が悪いのか、眼鏡をかけている。

部屋の中はペンが走らせるインクと紙が織りなす音だけが部屋の音を満たしていた。

男性は喋らない。黙って字を書くだけ。


不意にドアを叩くノックの音。

ペンと紙のデュエットが音を止める。


「どうぞ」


男性はペンを置いて、顔をまだ見ないノックをした人物に許可を与える。


「失礼します、大統領」

「なんだい、もう休憩かな。だとするとあと少し待ってくれ、ヴィラ」


大統領が再び机にデュエットの指揮を始めようとする。

しかし、それを大統領首席補佐官のヴィラ・J・マーチが止める。


「いえ、休憩ではありません」


大統領が溜息を漏らす。


「じゃあ、何かな?私を落胆させたんだ。少しはやる気が出る話であって欲しいね」

「大統領にとってはかなり興味がある事かと」

「うん、聞こうか」

「はっ。では、ご報告します。今日、大統領回線を通じてJAPAN在中の『監獄島アルカトラズ』の管轄長より入電。内容は…」


大統領が口を釣り上げて微笑む。

首席補佐官は大統領を見て口を慎む。


「言わない方がよろしいですね…」

「さすが、ヴィラ。それでこそ私の補佐官にして『聖騎士デュランダル』の隊長だよ」

「まぁ、今は聖騎士というより補佐官の仕事の方が多いですが」

「はははっ。君の能力は『SSダブル』だが、実力は『SSSトリプル』並だからね。その『力』を私は高く評価しているんだよ」

「はっ。ありがとうございます」


首席補佐官が頭を下げる。

大統領はチェアから立ち上がり後ろの窓を見ながら気分を上げる。


「さて、ヴィラ。各隊の隊長以上を一ヶ月以内に集めてくれ」

「?連邦議会や大陸総理大臣の『SSS』サイキッカーは?」

「ん?ああ、彼らは『表』だから今回は除外さ」

「……分かりました。では、直ちに」


大統領補佐官はそれだけ言うと一礼をして大統領の部屋を出る。


部屋は静かになる。当たり前だ、ペンと紙のデュエットはすでに終わっていて指揮者の大統領自体が窓を見ているだけ。

無音。

わずかな音のハーモニーもない。

しかし、大統領はそんなこと関係なく楽しみで仕方がなかった。

再び『裏』が集まる事に…。










7月上旬。 JAPAN。

米日中央都市



6月上旬にあった『ネイティブ・ペヨーテの一部』との対立から約一ヶ月。

季節は完全な夏になり、ここ中央都市にも30℃を超える日々が続く。

歩道には夏の気温を少しでも下げるため水のミストを足元に散布するシステムがフル活動していた。

このミストは歩道を湿らして自然の風で気温を少しでも下げるために開発された。

昔の日本にあったとされる、打ち水の原理を活用しているのだ。

これはJAPAN独自の開発であり、JAPANにしか設置されていない。

だが、この世界はアメリカが統治する世界。アメリカには、このシステムの申請をして許可を得て日本全土の歩道に配備されている。

だが、やはりこのシステムだけではこの日本の夏は涼しくならず、人々は額、頬に汗を流しながら今日も夏を過ごしている。

だが、こんなクソ暑い中、我らが変態ナルシスト主人公…東山ひがしやま 秋真あきまさは今日も変態全開で生きていた。






ここは、学園と都市の境界線にあるモノレール駅、朝。

学園に『超能力』を学びに行くため生徒達が改札口をくぐって行く。

そんな生徒を観察する主人公、東山 秋真と睦月むつき れん。彼らは改札口の近くにある柱に身を隠して誰か(・・)を探していた。


「おい、アキ!いつまでこうしてるんだよ。早く乗ろうぜ」

「静かに。後、ちょっとで来るはずです」


蓮がしゃがみ込み、柱に背中を預けて秋真にジト目で問う。


「誰がだよ」


ジト目を向けらて、質問された秋真は目を改札口を次々通る女性(・・)達から目を離さず答える。


「運命の人ですよ」

「………………」


ジト目の蓮


「…………………………あっそ。じゃあ、俺先に行くわ」

「え?!あんなに長い沈黙の後にそれ!?ちょっと、冷たくないですか?!」

「だって、お前!ここに何時間いると思ってんだよ!二時間だぞ!二時間!俺、関係ないだろうが!」

「フッ。運命が結び合う時、それを目撃していただかないと誰が学園に噂を広めるんですか」キラーン。


秋真がドヤ顔で目を輝かせる。

蓮は尚もジト目で言う。


「死ね。キモい。ナルシスト。童貞。変態」

「フッ…。それは僕がかっこよ過ぎての嫉妬ですね?わかってますよ。僕は自分の醜さから暴言を吐く人でも親友には変わりがないので気にしませんよ」

「ごめん。マジで俺、先に行っていいか?如月先生にどこぞの変態が暴走寸前ですって報告を…」


蓮がまばたきを一回して秋真を見るとそこにはとんでもなく綺麗に出来上がった土下座があった。


「すんませんでした。だけど!」


秋真が何かを訴えかける目を蓮に向けた。


「僕は運命を感じたんです!」

「!」


蓮は秋真の眼差しに言葉ん無くす。


アキ…お前…。


「フッ、そうか…。俺の負けだ…お前の思いの暑さに俺も撃たれたぜ…行けよ…アキ。お前の信じるままに!」


蓮が肩を落として秋真に微笑みながら負けを認めて親友の背中を押す。

秋真は蓮のはからいに答えるため歩き出す。

そして……


「そこの美しいレディ。これから僕とフィーバーしないかい☆」


秋真が改札口を通ろうとした女子生徒にナンパを掛けてウィンクをする。

女子生徒はいきなり変態にナンパされてテンパっていた。


「え、あ、あのうぅ〜///ふわわわわぁ〜///ご、ごめんなさぁいぃぃ」


そして極限に達した時、女子生徒はカバンを抱いて一目散に改札口をくぐってホームに行ってしまった。

秋真が俯く。それを見ていた蓮が近づき肩にそっと手を置く。


「アキ…その…なんて言っていいか…」


俺はアキの親友なのに何もできないのか!

くそ!なんて、不甲斐ないんだ!!


蓮が唇を強く噛み締める。



「アキ…とりあe「あ!そこの君!髪綺麗だね。よかったら、僕がさらに綺麗にしてあげるよ。ベッドの上で☆」


秋真は改札口をくぐろうとした別の女子生徒にナンパしていた。


「………」


蓮が携帯端末を出す。


「…あ、もしもし?すみません、そちらJAPAN第一支部 能力育成学園でしょうか?…如月先生はいらしゃっいますか?……あ、如月先生ですか?睦月です。今、モノレールの駅にいるんですが、変態が女子生徒を襲おうとしてます。すみませんが至急対応、お願いします……特徴ですか?一言で言うと変態ナルシストです……はい…はい…分かりました。後はお願いします」


蓮が携帯端末を仕舞う。そして今だ、ナンパを次々の女子生徒にしている秋真をほっといて改札口をくぐった。




◆◆◆


JAPAN第一支部 能力育成学園 α(アルファ)領域 B棟 職員室、 昼食休み。


「全く、あいつは毎度、毎度!」


能力教師、Eクラス担任の黒髪ミディアムヘアになった如月きさらぎ かなでが半分まで減った弁当を箸で突っつきながら、午前中に起こった、もとい、怒った事をふつふつと思い出していた。


「コラコラ、奏。食べ物に八つ当たりは良くないわよ?教育者として」


奏は隣から声がして顔を上げる。そこには髪がクリーム色のロングで胸が奏より倍大きくスタイル抜群なリアナ・ユール。本名、ナーシャ・イユーリが白衣を着て居た。彼女は学園では保健の先生にあたる。


「ナー、んん、リ、リアナか」


リアナは微笑んで一言。


「できれば、早く慣れてね」ニコッ

「ど、努力すよ」

「それよりもどうしたの?またボス?」

「あ、ああ。あの馬鹿、今日は学園の外から始めてたから朝から怒りが爆発だったよ。そして、昼食前に天井に埋めて来た」


リアナが若干、引き気味に相づちを打つ。


「あ、あら…そうだったの」


ボスもボスだけど、奏もよくそれで教育者、勤まる……!!


「あ!思い出した!」

「ん?」


奏が残りの弁当を食べながらハテナマークを浮かべる。


「奏、夏休みいつからだっけ?」

「ん?今日が7月8日だから、後二週間とちょっとぐらいだと思うが…」


リアナが一人言を言い始める。

奏は不思議に思い箸を止めてリアナを見る。


「よし!」


リアナ気合いを入れると箸が止まって自分を見ていた奏に一言。


「夏休み、本土、アメリカに行くわよ」

「!!」


申し訳ありません(汗)

カルテットをデュエットと間違えておりました。とんだ凡ミスです。

訂正をさせていただきましたm(_ _)m

これからもご愛読お願いします。

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