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能力者VS能力者~autumu story~   作者: 黒神 妄者尾
第2章 教育指導 編
23/63

第23話

ご意見、ご感想お待ちしてます。

「行くぞ!東山!」


奏は叫びながら、紅く染まった髪をなびかせながら秋真に刀の刃を向けて駆け出す。

秋真も体制を低くして構える。

戦闘フィールドは人通りが少なくとはいえ、住宅地が並ぶ道である。派手に事を起こせば、住人が能警に通報する恐れがあった。

しかし、奏はそんな事お構い無しの様子。

秋真としても自分が手を出さなければ、通報があって捕まるのは奏だけであり、被害者ぶることが出来る。そして、いつも通り他人のフリをして終わりだ。全くもって関係がない…。


だが…


「東山、貴様の『妖怪』とやらを出したらどうだ?」


奏が刀で横から切り掛かる。


「……」


秋真は後方に軽いワンステップで交わす。奏はそのまま切り掛かりながら前進。秋真はワンステップで交わす、この繰り返しである。


「来い!東山!貴様が掛かって来なければ教育指導にならん!」


別に受けますとは答えていない。

だが…しかし…。


「……」


秋真の手が懐で何か(・・・)を掴み、上に投げる。


「的外れだ。私は目の前だぞ。攻撃は目的を持ってやれ!」


別に攻撃をしたくて投げたわけではない。

だが…しかし…貴方が望むなら今までの恩を仇で返しますよ。


「ナーシャ‼結界は貼りました!命令です。僕の目の前で刀を振る、紅髮の金剛力女を気絶させなさい!!」

「最後のセリフ、私はかなり嫌い何だが…な…に…?」


秋真が奏の刀を躱しながら叫ぶ。すると、秋真の横から風と何かが通り過ぎた。

奏は腹にダメージを感じ、言葉が小さくなっていく。何が起きたのか、苦痛で頭が働かない。霞み始めた眼で前を見る。そこにはクリーム色の長い髪をポニーテールにしてライダースーツを着た女性が立っていた。

奏は辛うじて意識を保ち、言葉を発する。


「な…!り、リア…ナ?な、なぜ…お前が…」


奏は霞む眼で途切れ途切れではあるが、殴ったと思われる人物の名を言った。

しかし名を聞かれた、当人は奏を見るとそのままゆっくりと近づく。


「き、貴様…が、ひ…東山、をか、かば…うな、ら…容赦はしな、い」


奏は腹を殴られた痛みから先ほどまでの動きが出来ないでいた。

だが、奏は異変に思う。

いつもだったら不意打ちとはいえこの程度、日頃の実験(・・)に比べれば大したことはない。

だが、今は意識の霞み(・・)が取れない。

腹の痛みはある。だが、先ほどと違って霞むほどではない。

では、なんだ?奏は思考を張り巡らすが朦朧として途切れる。

身体だけが、目の前にいるリアナらしき人物に攻撃出が来る体制を取っていた。

だが、リアナらしき人物の更に後ろの人物の一言で奏は更に自分の身体に異変を感じる。


「【眠れ】」


奏はそのまま意識を暗闇に落とした。




奏が意識を無くして、倒れ込むのをリアナが抱いて支えた。そして、長い溜息を一つ出した後に秋真に視線を向ける。


「ボス、『桔梗眼ききょうがん』使うなら合図くらいしてちょうだい。さすがに私も眠りそうになったわ」


リアナは奏を支えながら肩を落とした。

秋真は手を上に上げ指を鳴らす。すると上空からヒラヒラと一枚の札が下りてきた。それをキャッチすると秋真はそれを斜め横に控えていたたまもに投げる。


「たまも、燃やして下さい」

「うむ」


たまもが斜め横で燃やしたのを確認するとリアナと奏のところまで近づき、奏の寝顔を伺う。


良かった…最深部まで侵食はしなかった様ですね…。


秋真は安堵の溜息を漏らすとタイミングを見計らってリアナことナーシャが話を切り出す。


「それよりもボス。さっき、ボスのバイト先の近くの路上でボスの幼馴染が車を全身で凹ませていたわよ?」

「あ〜あ、冬花ですか。大丈夫ですよ、彼女は毒舌とドSで出来ていますから心配いりませんよ(笑)」

「どこが?!てか若干、適当に流した?!」

「フッ。心外ですね。適当に流すわけないじゃないですか。僕はすべての女性にBICLOVEですよ。あり得ません。そしてナーシャ、貴方にもBICLOVEですよ」

キラーン!


秋真はクソつまらない口説き文句を言った。

しかし、ナーシャは笑顔で否定する。


「いえ、結構。私、ボスの愛は軽過ぎてむしろ嫌いなの。しかも年下は恋愛の対処外だから。私がボスに求めるのはS○X犬としての快楽と欲求解消だけよ♡」

「S○X犬…」


秋真はその場で四つん這いになりうな垂れた。ナーシャは秋真をほっといて支えている奏に目を向ける。


「それよりもボス。速く行きましょう?」

「行くって何処にですか?」

「家」

「誰の?」

「ボスの」

「なんで?」

「決まってるじゃない」

「S○Xするため?」

「それは奏、次第ね。出来れば3Pに持ち込みたいわね。ね、ボス」

「僕は如月先生に手を出すつもりはないですよ」

「じゃあ〜肉○ね。出すは出すだろうけど、その前に突っ込まなきゃね。ボスのはなんだかんだハリがあって太いし、亀さんの部分も申し分ないから即効ね…ジュルリ」

「ナーシャ〜ヨダレ、ヨダレ。それに一つ言っときますが僕とはナーシャはヤってませんからね!ちなみにヤってないとはあれのことですよ。そう、あれです、あれ/// 」

「ボス、読者に言ったところで遅いわよ。なんていったて今日、奏がいないくても既成事実はやるつもりよ!!」

「それ、本人を前に言っていいんですか?」

「大丈夫。ボスはなんだかんだ受けだからやられるがままになるわ」

「………てか、いつ僕のエベレストを見たんですか?」

「ふふふっ。大人の女性に野暮な事聞いちゃだめよ?ボ・ス♡」


―PM11:55―時刻はあと五分で日付が変ろうとしていた。

今宵の月は雲のカーテンで遮られた。








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