第16話
私情により更新が遅くなりました。
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結局、放課後の後は秋真がバイトがあるということで響の用事は後日になった。
そして、次の日のお昼。突然、2年Eクラスのトビラが開けられる。
「おい‼秋真!飯食いにいくぞ!」
トビラのまえでは金髪ツインテールの響が仁尾立ちしていた。
Eクラスの生徒はざわつき始めた。
「如月さんとお昼一緒?!」
「えー‼うそ!如月さんあの変態のこと…」
「てか二週間ぐらい前から如月さん、あの変態のこと気にかけてたよな…」
「つーか、何があって、あんなに親しくなるんだよ‼」
外野の声に苛立ちが隠せない響。しかし、話の話題になっているもう一人は自分の席で椅子の背もたれから横を向き、左手で顎を支え、さらにブレないように肘は机に置く。足はより綺麗に見せるために組む。これで完全にナルシストキングのウザイポーズの完成である。近くにいた睦月 蓮は呆れた顔で何も言わなかった。
「ふふふっ。やれやれ、モテる男は安息の時間がない。皆さん、あまり騒がないで下さい。僕の噂が他のクラスに広がるじゃないですか。それに如月さんが一緒だからってだけで学園の女子達が泣いてしまいます。でも、大丈夫。僕の愛は平等ですよ…フッ…」キラッーン
秋真はこれまでにないクソナルシスト顔で言った。クラスは静まり返り、目線は響を含め皆、ナルシストに…
「「「「「「「 ( ´Д`lll)」」」」」」」
「………」
「………」
「……やれやれ、僕の美声に声も出ませんか」
ブチッ。
クラスの中でこの何かが切れた音が秋真と蓮を覗いて一致していた。蓮は危険を察知して秋真から離れる。
「アキ、今回はお前を助けられそうにない。まぁ〜命があることを祈ってるよ(汗)」
「睦月くん、何を言ってるんですか?皆、僕のイケメンフェイスに見惚れいるんですよ…ね‼」キラーーン
そういうと秋真は満面のウザイフェイスでクラスメイトに同意を求めた。
だがクラスメイトは皆、おでこに血管が滲み出ておりそこから血管が破れそうである。
それを目の当たりにしても変態紳士、秋真はさらに力強く皆の同意を求める。
「ね‼」
ひねりも改善もない。
学習能力が虚しい変態紳士はついに永眠の時が来たようだ。クラスメイトは皆、目を怒りに変えて変態を制裁に入った。
「「「「このクソナルシスト変態がー‼」」」」
「「「死ねーー‼」」」
「あ、あれ…?な、ブフッ。なんでゴバッ僕、ゲハッ攻撃さ、ブハッされてるんですか?!アウッン///って、誰ですか!どさくさにグヘッ、紛れてお尻触ったの!ベルブッ」
タコ殴りだ。しかし明らかに悪意と快楽を目的に殴っているのは口元を釣り上げて笑っている響だ。彼女の一発一発の拳は早く、重い。さらに顔が悪魔の様に見え、周りのクラスメイトは一人…また一人とタコ殴りをやめ距離を取り始め、顔を青くしていた。
「ほらほら!どうしたぁ!反撃してこいやぁー」
「き、如月さん…ちょっとやり過ぎじゃ…」
「あぁん?!文句あんのか?」
「す、すみません‼、全然ないです‼」
さすがに顔の形が変わり始めた秋真を見てクラスメイトが止めようとするが無意味に終わる。そして、クラスメイトはタコ殴りしていたことを忘れ、ただ目の前の哀れな変態紳士の無事を祈った。
とりあえず、生きろよ‼
このセリフがEクラスで以心伝心した。
◆◆◆
ここで学園について補足をさせてもらう。学園には領域が存在する。この領域は高等部、中等部、小等部という区切りで別れており高等部からα領域、中等部がβ領域、そして最後、小等部がγ領域となっている。さらにその一つの領域内の校舎はA棟からD棟まであり、学生はこの棟で『超能力』を学んでいる。しかし、演習場に関しては一つの演習場が広いため、四つある演習場を時間割りを上手く使って小中高でローカルで使用している。そして、各領域の校舎に登校する際は学園の敷地との境界線にある停留所からモノレールに乗って登校する。今の説明でだいたい察しがつくと思うが、学園の敷地はかなり広い。そのため現在地、米日中央都市に存在する、学園は山を二つほど開拓し、平たくなった場所に建てられている。ちなみ学園の名称はそのままのとうり『JAPAN第一支部 能力育成学園』なんの面白みもないただの名前に過ぎない。
そして、
時刻は12時20分ーα領域:学園校舎A棟の屋上。
生徒達はこの風邪通しがよく、和気藹々と昼食が採れる場所で午前の疲れを癒す。だが、本日の昼食はそれもできない。一度、屋上に足を出して見る。悪魔と遭遇。
退散する。生徒は屋上から去る際に思う、なぜ、あの如月さんが屋上に…と。
そう生徒達が去る理由は一つ如月 響がいるからだ。今まで一度も屋上に現れなかった響が屋上にいる理由…。それは秋真達とは違う『超能力者』には聞かれてはならないためである。だが、日頃から屋上は昼食の定番スポット。そこに先客いてもおかしくはない。ではなぜ、いないのか?答えは簡単だ。響が追い払ったからだ。一言で。結果、屋上は響と秋真の2人だけになる。
「つ、つまりお前が言いたいのは、『妖怪』は実在するが認識できないだけってことか?」
響がまた屋上に昼食に来たイチャイチャカップルを睨んで追い返すと秋真の言葉を自分なりに理解しようと言葉を発した。
「如月さん、あまりわかってないですよね」
「う…うっせぇー‼テメーの説明が悪りぃーんだよ‼」
だが、いくらSSサイキッカーである響でも日常にある『超能力』を理解することとは違い、今回は『妖怪』について理解をしなければならない。日常的にある『超能力』は曖昧ながらも、イメージして理解する事ができる。なぜなら自分自身が『超能力を使う者』なのだから。しかし今回のテーマ…『妖怪』とは全く異なった異質を理解するということである。
現に秋真は響にできるだけわかりやすく『妖怪』を説明したつもりだった。だが、結果はご覧のとおりハテナマークが響の頭の上で三つ程浮かんでいる。
秋真はとりあえず、また最初から説明する事にした。
「いいですか、如月さん。また最初から説明しますよ」
「お、おう…」
響は若干、引きながらも理解する覚悟を決めて真剣に耳を立てる。
「僕達が住むこの世界には古くから陰の部分で実在する『妖怪』がいます。彼らはイレギュラーがない限り人間に見てもらうことはありませんし陽の部分に脚を踏み込む事もできません。実在はしますが実体はありません。そのため、陰の部分で『妖怪』は自分の存在を知ってもらうために様々なイタズラをします。それが…」
「『怪異』ってやつか…?」
「はい。ですが、陽の部分で営む人間達は『妖怪』とは違い、陰の部分には簡単に入ることができます。入るきっかけはもちろん『怪異』。これを人間なりの解釈をし、恐れ、恐怖、妬み、恨み、嫉妬、怒りをいだくことによって人間は簡単に陰の部分に入ることができます。
そして、陰の部分で人間の様々な感情や創造が陰の部分に実在する『妖怪』とリンクすることで妖怪は初めて実体を持つことができ、人間は初めて『妖怪』を見ることができ、『妖怪』はやっと人間に認識して貰えるのです。分かりましたか?」
「ぜん!ぜん!わからん‼」
「あなたバカですか?」
ドゴッーーーン。
秋真の頭が埋まる。
「なんか言ったか?」
「いっふたあらからこうなつてるんでふよね?(言ったからこうなってるんですよね?ほんっと姉妹揃ってすぐ手や足が出て…ま、まさか‼愛情表現?!ツ、ツンデレすぎる‼)」
「おい…テメェー明らかに喋ってることと翻訳が釣り合ってなぇぞ。それにその翻訳、明らかにあたしと姉貴をバカにしてるだろう?あぁんコラァ‼テメェの……」
響は途中で会話を途切れさせた。いつもと違う状況に秋真は顔をさっさか抜く。そして、抜いた先に見えたのは……
「響、な、なぜお前が東山と…」
「あ、姉貴…こ、これには…」
如月 奏、響の姉であり秋真の担任である彼女は目の前の状況がわからなかった。なぜなら、"あの"秋真に自分の可愛い妹がいっしょなのだ。頭で状況を把握しようとしたが、秋真から予想外で予想通りの返答が返って来た。
「僕達、付き合ってるんですよ、先生。そして、今日は如月さんのラブラブ弁当をいただきました」
「///なっ、テ、テメェー!なに言ってやがる///」
奏は目の前が真っ白になった。気づいた時には秋真に怒鳴っていた。
「私の妹から離れろ‼」
屋上では奏の悲痛の叫びだけが意味を持っていた。
はい、第16話を読んでいただきありがとうございます。ここで朗報です。近い内に短編集として『能力者VS******』という感じで違う主人公の話も展開させたいと思っています。ちなみに~autumu story~の方でも短編集のキャラを絡ませたいと思ってます。読んで下さっている方、しばしば、お待ちあれ。(^_^)




