第15話
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『超能力』…この世界ではあたり前のようにある人間の新たな可能性、新たな力、過去の時代から進化した人類の能力。また違う言い方なら生物兵器…。
米界暦042年の現在、『超能力者』は6段階のランクに分けられる。ランクは低いものから【F】|E→D→C→B→A→Sという形に分けられる。分ける基準んとしては能力の持続時間、威力、脳への負担、能力規模、柔軟性、適応力、といった項目の総合判定でランクが決められる。なお、このランクシステムは模擬戦や定期検査のもと変動があり、昨日までEランクだったものがいきなりDランクになったりDランクからBランクに一気に上がったりと変動が激しい。そして、滅多に無いことだがランクの高い者が下に落ちることも稀にある。そして、『無能力者』はすべて【F】という扱いになりランクが上がることは絶対になく、ランクをつけること自体が例外である。
そして昔、誰かが言っていた…
『無力な脳ある者でも超越した力を持つ者の前ではただの人間でしか無い』と。
まさに今の社会は『無能力者』には適していない環境にある。だがこれでも米界暦021年に比べて大分、『無能力者』にも住みやすい環境になったと言える。だが、見えないところでは『超能力者』と『無能力者』の隔たりは黒く、奥深い。これを解決するには時間が要する…。
そして、『超能力者』の中でも一人の能力が天災級に値する者はSSサイキッカーと言う扱いになり、ランクがつかなくなる。さらにアメリカの本土の要請には従わなければない。そのため、緊急時のためにある程度の権限も与えられている。今の世界では12人が確認されており、如月 響はこの12人の内の一人である。そして、天災級以上の者のO.V.R.Sはそれぞれ、一般の首輪、指輪、腕輪といったO.V.R.Sと違い、各々の能力を暴走させず最大限引き出したり、最大限抑えたりするためにその人に合わせてオリジナルカスタマイズされたO.V.R.Sが与えられる。
そしてさらに天災級から上の者は壊滅級になりSSSサイキッカーという称号になる。SSSサイキッカーは世界で6人しかおらず、各大陸を統括している。言わば、アメリカ世界大統領の右腕の位置に値する。そして、SSSサイキッカーは皆、アメリカ人のみになっている。しかし、余程の事がない限り姿を表すことはなく、これはアメリカ世界大統領も同じである。
これが今の世界である。『超能力』が一般化されアメリカが支配する世界。人々はアメリカに対して様々な感情がある。だが、それを口に出すことはできない。アメリカへの企みも今は根絶やしされている。アメリカの『裏』たちによって…。
◆◆◆
サイレンが鳴り終わり保健室にあった危ない空気は何処かに消えていた。
「で、先生…落ち着いたか?」
「ごめんなさいね。私、若い男の子の身体見るとつい…」
よくそれで保健の教師になれたな‼
響はあまり反省してない保健の教師、リアナ・ユールに非難の目を向けた。
保健の教師、リアナ・ユールの容姿は、髪がクリーム色のロングヘア。胸はEぐらいあり響より若干デカイ。お尻もムッチリとしてなかなかエロい。しかし、締まるところは締まっているので男子生徒からもエロい目線受ける。本人はその時欲望に駆られて、トイレでスッキリしているらしい。
ちなみに自働避難サイレンはSSサイキッカーである響の権限によって誤認と言う扱いにさせた。
「先生、あんたって人は…」
「あは、あははは(汗)」
響は手を顔に当てため息を出した。
流石に響の呆れ顏を見てバツが悪くなったリアナ,ユールは話を自分から遠ざけようとした。
「そ、それより、なにか用事があって来たんじゃないの?」
「ん?あ、ああ。そうだった。おい!変態!ほらよ」
「?@≧▲➰《なんですか?》」
どうやらうまく遠ざけられたらしい。
響は保健室への用事を思い出すと床に顏だけ埋まっている変態に頼まれた制服を投げて渡した。
変態は訳がわからない言葉を発し、お尻を少し上に上げ、制服を上手くお尻の上でキャッチした。
「……」
「……ビシッ」
ピキッ
「GOODじゃねぇー‼手動くなら手使えやぁこらぁぁぁぁあ!」
響は変態の対応に対して何故か、わからないがムカついて綺麗に実った尻をかかと落としで割ってやった。
そして、本日二度目のサイレンが鳴った。
◆◆◆
「はぁ〜。何故姉妹そろって直ぐに手が出るのやら…」
「あぁあん?!何か言ったか、こらぁ‼」
また、権限でサイレンを誤認させ、いくら立ってもキリがないので響は乱雑に能力を使い変態の頭を抜いてやった。
抜かれた変態は顔を摩りながら小声で文句をいった。だがどうやら、聴こえたらしく響の右手は素晴らしく神々しい拳が出来ていた。
「い、いえ。な、何も言ってないですよ。ただ、今日の如月さんは二週間も会ってなかったのでよりいっそ可愛いく見えたものなのでつい…」
ヤバイ、ヤバイ、ヤバイ、ヤバイですって。
さすがに三撃目は死にますって(汗)
変態こと今作の主人公、東山 秋真は顔を引きつかせながらもナルシストテクニックで響を宥めようとした。どうやらこの変態は学習能力がないらしい。以前、初めて会った時もこのクソテクニックで響を怒らせたことを忘れているらしい。
だが、響は特に気にする様子もなく秋真に対して呆れた対応で目的を伝える。
「はぁ〜。お前のそのクソ口説き文句は何時もことだろう?」
「フッ。口説き文句なんて。僕は素直に僕の愛を言葉にしているだけですよ」
「あーはい、はい。わかった、わかった。これから一緒にやっていくなら流すのが一番って事だな」
響は適当に対応をした。だか、秋真は聞き捨てならないセリフが響の中にあり、その聞き捨てならないセリフを復唱してしまう。
「これから…一緒に?」
響は秋真が気が気が付いたと思い、秋真に満面の笑みを見せ、一言言った。
「う…/// ///」
「放課後、校門で待ってるから絶対来いよ」
そして、響はそのまま、保健室を後にした。
「……」
「ふふふっ、あらあら。いくらボスでもあの笑顔されたらさすがに声も出ないか」
今まで傍観者でいたリアナは顔を赤らめた秋真をからかった。
秋真はリアナにからかわれたことで意識がやっと響からリアナに移動した。
「は、ははは。先生、何を言ってるんですか〜。僕はもう如月さんを攻略済ですよ。今更、ときめくなんて……そ、それより!先生、例の件頼みましたよ。」
「はいはい、わかったわ。一様、努力だけして見るわ(笑)」
「じゃ、じゃあ、僕はもう教室に戻ります」
「うふふ。はい、じゃあね〜。それより、まだ顔、赤いわよ。それに足もガクガク。気を付けてね〜」
◆◆◆
放課後、日は傾き景色をオレンジ色に染めていた。そして、学園の校門の柱には機嫌が悪い女子生徒がもたれ掛かっていた。下校途中の生徒達は大幅にその女子生徒、響から距離をとり下校していた。
そして、数分その場で響が待っていると待ち人がやっと学園から出て歩いて来ていた。距離的にはまだ遠かったが一発であの変態、秋真だとわかった。
「おい、遅ぇーぞ‼何してたんだ‼あぁん?!てか、走れぇ‼ゴラァァァァ‼」
「「「「は、はいぃぃいぃぃぃ」」」」
どうやら響の怒りの言葉は下校途中の生徒全員に放たれたものだと思い、生徒達が一斉に校門を抜けて行った。
残ったのは発した響と待ち人であった秋真のみになった。
「………」
「………」
「……/// ///」
秋真は無言で響に近づき、震えている肩に手を置いた。
「如月さん…」
「な、何も言うなぁ〜!///」
だが、変態ナルシストは言う。
「相当、嫌われ者ですね…」
ブチッ。
「テメーだけには言われたくねぇーーー‼/// ///」
「ヘブラブベシ!」
本日、三度目は下ではなく空高くアッパーで飛ばされた。




