第十二話
ご意見、ご感想お待ちしております。
相変わらず、グダグダです。すみませんm(_ _)m
「なぜ、逃がしたのじゃ!」
「今は不利だったからよ」
『鬼』が去った後、公園では議論が上がっていた。おもにたまもが冬花に反論というかたちだが…。
「別に不利ではなかった!ワシら『妖怪』も『丑の刻』になれば、幾らか力は増していたはずじゃ‼」
「………」
「何か、答えぬか!」
「た、たまもやめて下さい…」
「あ、主殿?!起きて大丈夫なのか?!痛みは?血は?動かないところなど…」
「大丈夫ですよ。たまもは心配しすぎですよ」
たまもは冬花との議論の最中で秋真がぬまに支えられながらでも起き上がっていたため我を忘れオロオロと心配しだした。
秋真は額に汗は滲むものの笑顔を作って見せた。支えているぬまは秋真の顔を見ながら難しい顔になっている。
「じゃ、じゃが…」
「それより、たまも…現状は最悪です。僕は動けず、たまも達も『妖力』の限界だったはずです。いくら、『丑の刻』があるといえどあの『鬼』の力は予想以上です。あそこで冬花が交渉してくれなかったら共倒れでしたよ?」
「う、うむ…」
「それにたまも。主様は三人の『妖怪』を出していたのですよ…。主様の『妖怪』ならわかっているでしょ?主様の左眼を見なさい」
ぬまも自分の主を思ってたまもに注意を促す。たまもは言われて秋真の左眼を見る。先ほどまで神々しく青紫に光っていた花の紋様は薄っすらと光っている程度だった。
「う…、うむ。すまなかった…」
秋真とぬまに説得されてたまもはようやく落ち着きを取り戻した。
そして秋真は今度、冬花の方に顔を向けて今までの疑問を問いかけた。
「冬花、あの『鬼』…『金熊童子』が急に『妖力』が上がった理由。わかりますか?」
「さぁあ。わからないわ。帰ったら父上にでも聞いて見るわ。それより、あの『鬼』の狙いはあなたよ、早く腰を治しておく事ね」
「あれ?冬花が優しく手当てしてくれるのでないのですか?おもに下の方を」
「あら、やってあげてもいいわよ。だけどあなたの下の方に住むおたまじゃくしは全部殺すわよ」
「よし。知り合いの医者に見てもらいましょう。うん、それが安全ですね。わざわざ冬花の手をわずわらすのも可哀想なので」
「あら、何様のつもり?可哀想?違うわ。どうしようもない糞ムシを私が仕方がなく見てあげると言っているのよ?履き違えてもらっては困るわ」
「……(大汗)で、ですよね〜」
無表情な冬花。顔が引きつっている秋真。そして、この重苦しい空気を破壊したのが今まであまり喋らなかったぬまだった。ぬまは冬花の横にいる本多に向き合った。
「それより、先ほどは挨拶ができませんでしたね。お久しぶりです、『本多 忠勝』さん」
「こちらこそお久しぶりです。『沼御前』殿」
「ふふっ。本多さん、わたくしのことはぬまで構いませんと昔、言ったと思いますが?」
「そういえばそうでしたな。はははっ。私としたことが…。失礼しました、ぬま殿」
「ふふっ。はい、構いません」
2人の間には暖かなオーラが見えてきそうだった。しかし、そんなオーラを汚染するドス黒いオーラを出す女性。
「これは、お久しぶりね蛇さん。あまりにも静かだったからやっと消えてくれたかと思ってしまったわ。けして、悪意があって言っているのではないのよ。ええ、ほんと、悪意なんてないわ」
ブチッ。
「あらあら、これはこれは口が汚ない黒髪の 北川 冬花さんではないですか。申し訳ありません。本多さんがあまりにも存在感がありすぎてみえませんでした」
ブチッ。
「あら、そう。それは大変ね。今すぐに成仏しとくいいわ。そしたら、私がどれだけ偉大かわかるわ。あ、ごめんなさい。成仏したらわからないわね。私としたことがなんて浅はかな考えだったのかしら」
ブチッブチッ。
「たかが人間が『妖怪』に刃向かい、怒りを露わにするとは…フッ。本当に器が小さいですね、冬花さん。惨めですよ。それで主様と同じ『霊能力者』なんですから驚きですね」
ブチッブチッブチッ。
「どうやら、本当に成仏したいらしわねこの爬虫類は」
「やれるものならやって見てください。自称『霊能力者』さん?」
「あ、あの…お二人とも…」
間に挟まれた本多はワナワナと2人に当たり障りない感じで止めに入る。
しかし、それが2人をより苛立たせた。
「何ですか?本多さん」
「あなたは黙ってなさい。本多」
「うっ…も、申し訳ございません」
本多の存在は巨体とは裏腹に小さくなった様に見える。秋真は三人を見ていて後退してきた、本多 忠勝の肩に手を置いた。
「あ、秋真殿〜」
「本多さん、ここは僕に任せて下さい」
本多は同情と受け取ろうとした。しかし秋真の瞳には闘いとは違った熱い物が輝いていた。そう、秋真の『桔梗眼』とは違う決意の表れの瞳…。
「おお!秋真殿!」
「フッ」
「主殿のバカものが…見えを張りおって」
秋真は本多の希望の眼差しを受け、ナルシストたるウザい存在感を出した。本多の近くで見ていた、たまもは頭を抱え、呆れた様に首を振っている。
そして、そんなたまもの呆れを他所に秋真はテンに支えられながらウザいイケメンフェイスで蛇とドSがいがみ合っている戦場に向かった。
「フッ、2人も。争いはやめて僕をみてください。このイケメンフェイスを見れば争いなんてバカらしくなりますよ」
「嫌よ。失明してしまうわ」
「すみません。今、主様のバカに付き合ってられませんので」
「………」
秋真は無言で180度回転するとたまも、本多がいる場所までテンと戻ると足の力が抜け四つん這いになった。腰の痛みは何処に行ったのだろうか。
本多が心配な眼差しを秋真に送る
「お気持ちは察します」
「ば、バカな…」
「くっ秋真殿…」
なぜか分からないがシリアスな空気。
「何じゃ?!この空気!」
「な、なぜ僕のイケメンフェイスを見ようとしないんだ?!このイケメンボイスを聴いて普通は振り向く筈なのに…」
「は、はいぃ?」
本多は目が点になって腑抜けた対応をしてしまう。
「あ、あり得ない…」
「あり得るわー‼ボケェ‼」
「ヘブシッ!」
いきなり秋真の頭が消えた。
そして秋真がいたところには何故か如月 響がいた。かなり息切れをしている。
「ハァハァ、テメェーひとが心配で来て見て、出るタイミングを見計らっていたのに…何だそのバカ丸出しは‼ぶっ殺すぞ!あぁん?!コラァ!出るタイミング台無しじゃねぇーか!」
「やっと出てきおったな。女子」
「んん?これは。これは。なかなかの美人でございますな〜」
「…主……また埋まってる…」
ぬまと冬花以外は響の登場に各々感想を述べていた。秋真の顔は地面にめり込み胴体だけが惨めに出ている。
「□△<¥◇=¢∞★♂+♀=σ(^_^;)」(秋真)
「あぁん?!何、言ってるかわかんねぇーんだよ‼この変態!何気に♂+♀=σ(^_^;)とか、言ってんじゃねぇーよクソ変態!しかも、なんだよこれ?→σ(^_^;)あぁ?!意味わかんねぇーよ!ハァハァ…」
響は少し頬を染めツッコミまくる。秋真は響の声が聞こえたのか、お尻を高く上げモーレツに振っている。それを見た響は頭の何かが切れた。右手には水の剣が握らている。目標は踊る尻。
「切り落とす…」
「やめなさい。この糞ムシを切ったところで後々貴方が後悔するだけよ」
しかし、切りかかった響を冬花が制す。どうやらぬまとの口による戦闘は終わったらしい
そのまま、響の隣に来ると冬花はモーレツに動いている腐った尻を臭そうに見る。
「あぁん?じゃあ、どうやって殺すんだよ!」
「こ、殺すの前提ですか…(汗)」
本多がツッコミ、響は初対面である冬花に逆ギレ。
しかし冬花は響の逆ギレにぬまの時とは違い、頬を吊り上げ答える。
「一番スッキリにこの糞ムシを潰すには…こうすれば…」
冬花は響を宥めると変態の頭が埋まっている場所で綺麗な美脚を片方上げた。そして、モーレツに動いているお尻を見定め…
「いいのよ‼」
振り下ろす。




