第十一話
ほっんと、グダグダですみません。
何か、意見、感想などありましたらドシドシお待ちしてます。
「あら。あそこで地べたにはいつくばっているのって糞ムシじゃない?ねぇ、そうよね」
「はっ。我が眼から見てもあそこで動けないのは秋真殿とお見受けできます。そして、対峙しているのは…」
赤い月をバックに高層ビルの屋上から崩れかかっているビルのすぐ近くにある公園を見て黒髪ショートヘアの女性がつまらなそうに喋った。
それに受け答えをしたのが片膝をついて同じく公園を見ている40代ぐらいのおっさんである。
「『金熊童子』ね。なんで、今になってあんな糞ムシを相手にしてるのかしら?バカなの?それともバカなの?」
「お嬢、バカが二回出てます」
「本多、細かいことを気にしていてはだめよ。貴方の名が廃るわ」
「はっ。失礼いたしました」
「分かればいいのよ。それよりもあの糞ムシを助けるわけではないけれど、そろそろどうでもいい人間どもが気づき始めるわ。いくわよ、本多。その名に恥じない活躍と私が女王様だと言うことを知らしめなさい」
「はっ!」
おっさんは返事ともにビルの屋上から女性を支えながら飛び降りた。向かう先はクレーターができた場所。
遠くの方では能警だと思われるパトカーのサイレンが木霊をし、青い光がチカチカ疎らに輝いていた。
◆◆◆
「くっ…がっ…」
やっぱり…動けませんね。不覚です。まさか油断してしまうとは…いや…油断はしていなかった。あの時僕は、彼がいる場所を確実に捉えていました…。なのにこの様…シイの防御が間に合って良かった。ですが、両腕の傷もまた開いてしまった…。
どうやらテンが言ったとおり、かなり強くなってますね。でも、減っていた『妖力』が増えるなんて……。
秋真はクレーターの中心で起き上がれないまま頭を働かした。両腕の横一文字の傷口からは血がまた出てきている。
「オラオラ!」
ドッゴーーーン!
「ちっ!こやつ!」
「……しつこい……」
「くっ。何ですか?!この禍々しい『妖力』」
クレーターの外ではたまも、テン、ぬまが攻撃を出していたが技は効かず、ただ避けたり互いをカバーするだけになっていた。
秋真はたまも達の声を聞いてなんとか腰を起き上がらそうとした。だが、無意味。
「くっ‼…」
早く僕も行かないと…!
「やめときなさい。そのヒビが入った腰では立つことも無理よ。」
唐突に頭の上の方から声が聞こえた。秋真は特に驚くこともなく顔を緩めて返答した。
「ちょっと、遅過ぎではないでしょうか?冬花」
秋真が顔を上げて見るとそこには黒髪ショートヘアの女性がミニスカートをなびかせながら腕を組んでモデル見たいな立ち方で秋真を見下していた。
「何をいってるの?別に地べたに這いつくばってる糞ムシを助けるために来たのではないのよ。わかる?わかったのならその汚い目で私を見ないで欲しいのだけれど」
「またまた。僕に会いたくて来てくれたことぐらいわかってますよ。たまには素直になったらどうですか?」
この変態ナルシストは黒髪ショートヘアの冬花と呼ばれた女性のスカートの中をガン見しながら答えた。スカートの中を見られた冬花は顔を赤らめることなく、無表情で返答した。
「やめてくれるかしら。私、ムシに会いたいなんて生まれてから一度もないの。ちなみに私にとってムシは踏み潰す物よ。今は、昔踏み潰し損ねた糞変態ムシがいたから潰しに来たの」
冬花はそう言うと仰向けになっている秋真のエベレストを思い切り足で踏み潰した。グリグリと。
「がっ‼……∑(゜Д゜)……」
「さぁ、潰れなさい。袋に携えたきびだんご二つも」
グリグリ……グリグリ
「うっ…」
グリグリ…
「早く潰れなさい」
グリグリグリグリ!
「ぐっ!……はぁうん!\(//∇//)\」
「う……」
………。
どうやら秋真は新たな扉を開いてしまったらしい。冬花は汚物を見る目で引いている。
「こ、これ以上やると私の靴が臭くなるわ…」
「あ…あともう少しで……イk…」
ぐしゃ。
冬花はあられもないことを言う秋真の口を塞いだ。
と、同時にクレーターの外から一つの影がクレーター内に落ちて来た。そして、顔を潰された秋真と黒髪ショートヘアの女性の隣りにも四つの影が降って来た。
最初に落ちて来たのは『鬼』だ。
そして、『鬼』は後から降ってきた四つの影の一つ、黒いスーツを着た190cmはある40代のおっさんに吠えた。おっさんの手には槍が握られている。
「チッ!邪魔すんな!おっさん‼」
「…本多、まだ仕留められないの?」
「はっ!申し訳ございません」
「おお〜これは久しいのぅ。このでか物が来たからもしやと思ったがやはり来ておったか」
「ええ。お久しぶり」
「……主……顔凹んでる……」
たまもが冬花に挨拶をかわしている最中、テンはピクピクしている秋真を指で突ついていた。そして、テンの行動を見た冬花はそこで崩れ、女の子座りをしてしゃべり始めた。
「ごめんなさい…秋真さんの『妖怪』さん…。シクシク。彼が私にだらしない僕を殴って下さいって言ったので…シクシク。私は…拒絶したのに彼が…シクシク。だから、仕方がなく…シクシク。潰し…ゴホゴホ…殴らせて貰いました。シクシク。ごめんなさい…シクシク」
冬花はどこから出したのか、ハンカチを目に当て顔を背け、泣いて?いた。
それを聞いたテンは冬花の頭を撫でていた。
「ヨシヨシ…主のためにありがとう…」
「お嬢、冗談はそのくらいにして、今は目の前を」
「冗談?!…」
「そうね。悪かったわ、本多」
「いえ、」
「たまも、テン貴方達もですよ」
「わかっておる」
「…冗談…冗談?…よく…わからない…」
『鬼』に向き合って構えていた本多とぬまはおのおの面々に注意をした。それを聞いて冬花達は再び真剣な状態になった。
だが、対峙する『鬼』からは先ほどの殺気があまり感じられなかった。
「チッ…また邪魔者か…。あ〜あ、もう白けたわ。あいつが闘えなくったから狐どもと殺り合ってたのによ〜今度は黒服のおっさんも参戦するとなるといくら俺でも勝ち目ないわ」
「じゃあ、引いてくれるかしら?今度、来る時までにはこの糞ムシを治しておくから」
「お、お嬢?!」
「そりゃ〜助かる。だが、なんで逃がす…」
「私も『霊能力者』。だけど私はそこの糞ムシとやり方が違うのよ。だから逃がすの。状況もお互い不利だし」
冬花がそう言うと崩れた鉄格子のビルの方からサイレンと青い光が見えていた。『鬼』も周りが騒がしくなっているのに気が付いた。
「へぇ〜別に俺は不利じゃないけどな〜むしろ好都合だ」
「チッ…」
黒髪ショートヘアの女性はここにきて無表情から眉間にシワをつくった。
「だけど、もうそろそろ効力が切れる。いくら、この後『丑の刻』があったとしてもテメーら相手にするのに一人はきつい」
「そっ。じゃあ見逃してくれるってことでいいのかしら?」
「ああ、いいぜ。だが次来る時はこの日本本土を奪いに来るからその時までにそいつ、万全な状態にしておけよ」
「‼……わかったわ…」
「カカカッ。じゃあ、今度来る時はテメーの首いただくからな『霊能力者』‼……いや、……秋真‼カカカッカカカッ!」
『鬼』はそういい残し、夜の暗闇に消えて行った。




