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蒼雷の征く果て〜青龍の力が強すぎて、俺の平穏が常に更地になる件〜  作者: セルライト
少年期

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第24話: 入学式、そして「番長」への第一歩

第二試験:魔力出力測定。

巨大な魔力測定水晶に手を触れ、その輝きの強さでランクを決める。

前の受験生(名門の貴族)が、眩い光を放ち「Bランク! 将来有望だ!」と喝采を浴びていた。


「次、1010番。カイト!」


「はいはい。……あー、これ、強く押しちゃダメなんだよな。リナさんに怒られるし」


カイトは、水晶の前に立った。

普通に触れれば、水晶は一瞬で蒸発し、校舎ごと消滅するだろう。

カイトは、朱雀に叩き込まれた「力の凝縮」を極限まで絞り込んだ。


(……出力を、通常の0.000001%に固定。さらに、水晶の魔力伝導率に合わせて、反発する位相の魔力をぶつけて相殺する……。よし、これで『微弱』が出るはずだ)


カイトが、人差し指の先で水晶を「トントン」と叩いた。

チリ……ッ。

水晶の底で、マッチの火よりも小さな、弱々しい光がプツンと灯った。


「…………え?」


試験官が、呆然と魔力計を二度見した。

針はピクリとも動かず、しかし「0」ではない。


「……おい、反応はある。あるが……これは……『庭の雑草を一本枯らすのも怪しい』レベルの微小魔力だぞ」


「魔力回路が詰まっているのか? あるいは故障か?」


「いや、水晶自体は正常だ。……ふん、見たところ体格も子供だし、魔力の芽が出ていないんだろうな。……まぁ、一応反応はあるから、合格ライン最下層でパスだ」


「(……よし、完璧だ! 誰も俺に期待しない。これぞ理想のホワイト環境!)」


カイトは、試験官の「将来性はなさそうだな」という鼻笑いを、最高級の褒め言葉として受け取り、満足げに一礼した。


最終試験:面接。

面接官である学園の重鎮たちが、カイトの「不可解なほど低い実技スコア」と「バグった筆記試験」の書類を読みながら、厳しい目を向ける。


「カイト君。君の筆記試験は、非常に……独特だ。なぜ、あのような凡ミスを連発したのかね?」


「あ、すみません。昨日、緊張してあんまり眠れなかったせいで、頭がボーッとしてて……。あはは、次は気をつけます」


「実技も、その……測定不能なほど低かったが」


「はい、昔から体力がなくて。でも、掃除と図書整理だけは得意です。定時に帰れるなら、何でもやります」


カイトは、前世で何度も練習した「覇気のない、どこにでもいる、やる気のない新人」の演技を完璧にこなした。

学園長は、カイトの蒼い瞳の奥に「何か」を感じようとしたが、カイトは風の権能を目の筋肉に集中させ、完全に「死んだ魚の目」を維持し続けた。


「……よろしい。正直、君に期待している教師は一人もいないだろう。だが、規定の点数は満たしている。入学を許可しよう」


「ありがとうございます!(っしゃあ! 勝利確定!)」


数日後。

カイトは、最下位のFクラスの制服を着て、学園の正門を潜っていた。

彼の周囲には、将来の英雄を夢見る野心溢れる少年少女たちがひしめいている。


「(さぁ、今日から夢の隠居生活だ。授業は適当に聞き流し、昼休みは屋上で昼寝。放課後は定時に即下校。最高じゃないか……!)」


だが、カイトは気づいていなかった。

彼が「ギリギリ合格」を演出するためにバグらせた採点魔道具のログが、学園のシステム管理者の間で**「計算機を騙す、未知の天才が現れた可能性がある」**として、極秘調査対象になっていたことに。

そして、そのカイトの「徹底した無気力さ」が、逆に目立ってしまう人物がいることに。


「……おい、そこの冴えない新入生。何だ、その『世の中すべてどうでもいい』みたいな顔は。気に食わねぇな」


カイトが曲がり角を曲がった瞬間、見るからにスクールカースト上位(取り巻き5人付き)の少年、公爵家の次男レナードが立ち塞がった。


「(……あ。フラグ回収しちゃったよ。めんどくさ……)」


カイト、6歳。

彼の「ホワイトな学園生活」は、開始5分で早くも黒い霧(いじめっ子という名の残業)に包まれようとしていた。

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