表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
蒼雷の征く果て〜青龍の力が強すぎて、俺の平穏が常に更地になる件〜  作者: セルライト
プロローグ

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

1/57

蒼天の執行者

空を覆い尽くすのは、陽光を遮る数百万の魔雲。羽ばたきと咆哮が地を揺らし、絶望という名の黒い津波が、たった一人の「個」へと押し寄せていた。

が、その「個」は、どこか気の抜けた顔で、耳の穴をほじくりながら、手にした薙刀を「よっこいしょ」と肩に担ぐ。


「…あー、なんか、ゴミが大量に湧いてるなぁ。誰がこんなに溜めたんだよ、まったく。…片付けるのも面倒くさいなぁ、」


「…穿うがて」

その呟きと共に、彼の身体から溢れ出したのは、天を裂く**「青龍」**の咆哮。

…ではなく、ただの大きな欠伸。


「…ふわぁ、眠い。…さっさと終わらせて、寝るか」


「雷」の特性が発動した瞬間、青年の姿が消失する。

次の刹那、魔族の大軍のど真ん中に、巨大な雷柱が突き立った。落雷の衝撃波だけで数千の魔族が炭化し、塵へと変わる。

「…はい、一網打尽。…楽ちん楽ちん」


雷速の移動ブリンクを繰り返し、戦場をジグザグに縫う青い光。彼が通り過ぎた後には、逃げる間も与えられぬまま、範囲内の敵すべてを焼き尽くす**「電磁の檻」**が形成されていた。


「…逃がさない。…逃がすわけないだろ。…めんどくさいし」

嵐の裁断(…じゃなくて、ただの草むしり)


「吹き荒べ」

彼が薙刀を一閃させると、今度は**「風」の特性が牙を剥く。

刃の延長線上に現れたのは、目に見えぬ無数の「真空の刃」**。

ただの一振りで、前方数百メートルに及ぶ魔族が、まるで紙細工のように綺麗に両断されていく。風は鎧を無視し、巨躯の魔獣すらも細切れに変えていく。


「…はい、千切っては投げ、千切っては投げ。…まるで草むしりだな、これ」


数百万の軍勢は、わずか数分でその三分の一を喪失した。

圧倒的な暴力。しかし、絶望の波は止まらない。

血の雨が降る戦場の中央で、青年はさらに深く、龍のコアを共鳴させる。

薙刀の穂先から放たれる輝きが、白銀から禍々しいまでの蒼色へと変色していく。

魔族の指揮官たちが異変を察知し、顔を強張らせた。

空を覆っていた魔雲が、青年の頭上で巨大な渦を巻き始める。


「…まだだ。ここからが、真の……」


青龍の瞳が怪しく光り、大地がかつてない震動を始めたその時。

空の向こうから、魔族ですらも恐れ慄く「異形の影」が降り立とうとしていた――。


「…あーあ、また大物が。…ほんと、めんどくさいなぁ、おい」


彼はそう言うと、また耳の穴をほじくりながら、その「異形の影」を睨みつけた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ