表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
55/73

第55回:劉備投荊,劉表顧慮

前に、玄徳という人です。


玄徳は袁紹を辞して、荊州へ劉表を訪ねました。


わたくしは袁紹と戦官渡を約束しております。


汝南を攻めた劉表を見て、玄徳は語りはじめました。


何の話ですか。


田豊を語り、顔良を語り、文醜を語ります。


そんなことをして、曹操を殴るなんて、長命です。


劉表の参謀や武将たちは、心配していました。


自ら進んで大賊の劉辟や龔都を説き、曹操の城を攻めるために、劉表の食糧を頼みました。


劉表は遊べないし、読めないし、本当に疲れます。


曹操は袁術と遊び、袁術は離反しました。


曹操は呂布と遊んで、呂布を殺しました。


曹操は袁紹と遊んでいましたが、袁紹ももう駄目なのでしょう。


劉表は、策士や武将の勧進に堪えかねて、出兵したのです。


毎日、漢室を扶けて、兵を出さぬのは、一已の私のためで、むなしく天子の塵を蒙って、人の臣になりません。


袁紹もまた、策士や武将に追いつめられたのです。


万一、この劉表が曹操を攻めて、曹操が袁紹と和睦して、私と遊びに来たら、私は呂布、袁術のあとではありませんか。


劉表は、まだ何も考えていませんでした。


玄徳はまた、自分の前半身の体験を語りはじめました。


これまでの半生は、公孫瓚と劉虞、陶謙と曹操、呂布と袁術、袁紹と曹操、いずれも無事に談笑してきました。


これは、天が選んだ子が、天に順応して、流れに乗っているということではないでしょうか。


玄徳は特に簒奪の心を強めて、鹿を指して馬となす行為をしました。


劉表は、玄徳は天選の人で、劉秀と同じ道を行くのではないかと思いました。


劉表は、老いました、と感心した。私はだめです,劉家はあなたが行きなさい。


そこで、新野をあけて、玄徳を駐屯させておいて、ゆくゆくは劉秀のように、一族の玄徳が、新野を起して、漢賊を討って、漢室を再興するにちがいない、ということを、世間に知らしめました。


玄徳には、兵糧軍資を充分に供します。


やがて、司馬徽の一番弟子の徐庶がやってきて、玄徳の軍師となりました。


玄徳は、兵糧と軍師とを得て、汝南から許の地へ戦いはじめました。


劉備の政治パフォーマンスは、私の予想を超えていました。


僕も合わせに行きます。


曹仁には城を守らせ、玄徳は入れず、葉県に転戦します。


私は夏侯惇に救援の兵を与えましたが、夏侯惇は敗れて、玄徳に生け捕りにされ、夏侯涓の伯父の夏侯惇は、その夏侯涓を見て、張飛と夏侯涓の歓談の酒を加えました。


数日後、李典や于禁が攻めてくると、玄徳は敗走と偽って、夏侯惇を解放しました。


そのうちに、徐庶は、私に見まかせられて、郭嘉に負けぬように、陣頭指揮をふるっていました。


さて江東は、孫策が暗殺されてからです。


朱治と周瑜は孫権を支え、張昭を補佐して、江東はたちまち安定しました。


孫権は毎年江夏の黄祖を攻めます。


父の仇を討つという名目で、この一戦だけで七年、勝ち負けがありました。


孫権もその名を借りて、旨を奉じず、兵を出さず、天下の大勢を見ていました。


烏桓征伐は大変でしたが、こんなに大変だとは思いませんでした。


公孫瓚も白馬義従も、烏桓人の手から得たものはありませんが、数万の兵をもって烏桓を討とうとするのは、少々甘かった。


寒さの地に着いて、私は後悔しました。


雨が降って、食べるものもなく、寒くて空腹でした。


多くの将士は不平を言い、甚だしきに至っては、郭嘉を殺して、その気を晴らしてやろうとします。


幸いにして、郭嘉を守ることができました。


随行の将は、張遼、徐晃、張郃、張繡、鮮于輔、閻柔、曹純です。他に牽招、郭嘉などがいます。


この時浅くて車馬に通じなくて、深くて舟船を載せないで、海道に面して通じません。


何もできなかったのは、私の意志ではありません。


そこで鮮于輔に人をたずねると、鮮于輔は一人をあげました。


徐無山には田疇という名士があり、見識もよく、何でも知っていました。


そこで、人を使いにやったのです。


田疇が来てから、私は彼と一晩交流して、まだ西漢の廃商路があることを知りましたが、ただ草原が広くて、方向がわかりません。


一つは道に迷いやすいということで、もう一つは食糧が足りないということです。


私は、諸将の相談をまねいて、「道はあります、九死に一生を得ます、諸公も、それに従いますように。」


曹純は、「されば、命を落とさぬよう、引き返して参ります」と、いった。


私は言いました。「死ぬのが怖いなら、勝手に帰ればいい」


諸将は、私の決心がきまったのを見ると、それ以上の説得もせず、こぞって拳を交えて従いました。


「今日は軍を整えて、明日の朝は卯の刻の刻に出ます」と私は言った。


諸将は命じて、兵馬の整理をはじめました。


草原に入ると、果てしなく、人家はありません。


行七日、相変らずです。


又行七日、糧は尽き、将士は食うものがなく、馬を殺して飢えを満たしました。


大軍が遅れたので、精鋭数千を選び、三日の急行をして、ついに荒漠となりました。


白狼山までは二百里足らずです。


これを聞いた畳頓は、数万騎を集めて、西から迎撃しました。


諸将がおどろいたので、私は、「われ天兵神将、ここに落ちれば必ず準備はありません、むしろ早く戦いましょう」と、いった。


張繡は、「それよりも、大軍を集めて、決戦をします。」


私は手を振って、「汚合の一群、私が手をあげてこれを滅ぼし、賊を捕え、王を捕え、もし崩れれば、烏桓の騎兵は潰滅します。」


私はまた張遼を見ました。


張遼は、拳を抱いて、「ご主君の仰るとおりです、兵は神速です、その隙をついて、大勝を収めるにちがいありません。」


私は喜んで、「今、採配旗を授けて、三軍を総帥にします。怯える者は斬り、退く者は殺しましょう。」


張遼は命令をうけて、あえて従わぬ者はありません。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ