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第36回:紹定河北,劉備掘起

玄徳は、公孫瓚と同窓の誼がありますが、公孫瓚が逆施をして、上官を殺したことは、謀るに足りません。


そこで、玄徳と田楷は、金蟬の殻を脱ごうと、策謀をめぐらしました。


さて、玄徳には生きる知恵があります。


公孫という姓は多くありませんが、武帝のとき公孫弘という丞相がいました。


彼は「丞相をもって侯を褒める」という言葉の先駆けとなり、貴族中心の支配層の閉鎖性を破ったのです。在職中、広く賢者を招き、民生に関心を持ち、儒学の普及にかけがえのない貢献をしました。


『公孫弘』十篇を著し、享年八十でした。


公孫瓚は公孫度と同じ宗室で、公孫弘の子孫です。


公孫度が徐栄挙によって遼東太守に任命されると、公孫一族は遼東に移って諸侯国を建てました。


冀州、幽州の士大夫たちは、幽冀の争いに巻き込まれたくありませんから、遼東へ行って禍を避けましょう。


遼東で官吏になれなくても、生活は保証されています。


公孫氏のほかにも、幽州の有力者である田家があります。


庶民には読む本がなかった時代で、蔵書があったのは、家族の底力の伝承でした。


戦国時代に田忌がありまして、漢で田から落ちていました。


田田川は漢の武帝の時に丞相を務めたことがあり、また皇親でした。


ひとつの家が殺されても、分家がつづいていましたが、つづいていたのは蔵書と詩経で、この一つの家が再び掘り起こせるかどうかでした。


田家には、田楷、田予、田疇がいましたが、いずれも知恵がありました。


劉備は、没落してはいても、中山靖王以来、諸侯の注目の的でした。


その中でも、袁紹とわたくしは、この一手は、われらのためにもなると、眼線を張って、玄徳のそばに置いて、効を見ていたのです。


これは後日談です。


公孫瓚といえば、白馬の若君、姓は趙名雲、字は子龍と申します。


父と雲うのは、禁衛の教頭をつとめ、武芸にすぐれ、趙謙、趙温の兄弟とも縁があります。


趙謙は司徒、尚書令、太僕を歴任しました。


趙温は司空を拝命し、司徒・録尚書事に遷り、三公15年の長きにわたってその地位にありました。


後に荊州を南征して、はじめてこの人物を罷免しました。


趙温子の趙政は、常山の太守に遷りました。


趙雲は、槍神童淵に師事し、武芸に秀で、上将の姿もありました。


この碁は必ず私のために使います。


玄徳も趙雲も、郷勇を募って県城を守るために世を知りましたから、この二人が相見たのも、情の一致でありました。


初平二年(西暦191年)、劉備は戦場と官界を転々とし、ついに公孫瓚に身を投げました。


同年10月、趙雲は郡の推挙を受け、郡義従吏兵千人を携えて公孫瓚に仕え、別部司馬に表われました。


公孫瓚というより幽州牧に投投したのですが、公孫瓚が劉虞と争っている間に、玄徳は北海の包囲を作り、太史慈に請われて、北海へ行って孔融の助け船を助けました。


趙雲は兄の死を理由に公孫瓚を離脱しました。


この間、二人は公孫瓚に重用されました。


玄徳は、平原を守り、令、相、公孫瓚の兵站をさずけ、軍資、兵糧を与えました。


趙雲は、公孫瓚の征伐に従軍して、公孫瓚を護っていました。


残念ながら、瓚は大略もなく、また劉虞の治をうけ、その名誉もいちじるしく失墜し、争覇の道義も失い、ついには袁紹の踏み台になってしまいました。


袁紹は、公孫瓚と兄弟で交わって、一人は趙と称し、一人は燕と称して、邦国隣交、互恵互恵の間柄になろうと思っていましたが、天意は人を弄して、時は瓚を待たず。


瓚は劉虞を斬って義を失したので、やむなく紹は、謀士の進言を容れて、鞠義を幽州へ出兵させて、軍資兵糧を与えなければなりませんでした。


鞠義は一年、公孫瓚を包囲していますが、これといった功はありません。


天子はすでに許県に迎え奉っておりましたが、万事の手配がついたら、孔融は天子の符をもって冀州へ行き、袁紹を大将軍に拝命し、弓矢、鉞、百虎賁を与え、冀州、青州、幽州、併州の四州を兼ねるよう命じられました。


袁紹は旧劉虞、烏桓峻王と連合して公孫瓚を攻めました。


やがて瓚は敗死した。


紹紹は冀幽青、河北四州の地を擁し、一時は天下最強の諸侯となりました。


西暦191年- 199年です。


袁紹の十年戦略は、ついに幕を閉じました。

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