止まらない
出張日間違えた
「お詩乃~。休憩だよ。」
はー、と溜息を付く詩乃。詩乃はフリーターだ。メインはテレホンアポインターだ。
地方でも時給が格段によく、病気で長欠しなければ十分にやっていけるだけの賃金を稼げる。
詩乃は昨日のト金との感覚が気になっていた。
21歳の詩乃はここバイト先ではかなり若い部類だ。詩乃とチームを組む他の女子も若いが20代後半。中でも一番仲のいい紗季は29歳の主婦。元ギャルっぽい詩乃とは系統が違うが面倒見のいい紗季は詩乃を色々気にかけて、まるで妹のように可愛がってくれた。
紗季、クロちゃん、ポーさん。の3人で食事をしながら会話を楽しんでいた。
「お詩乃、こっちだよ。」
紗季は辺りを見渡す詩乃を自分の席に招き入れた。
「あの~、みなさん。ちょっと聞いていいですか。」
詩乃は控え目に声をだした。
「うん。何々。」
「友達の彼氏との話なんですけど・・・」
「「「おっ、詩乃から恋愛の話は初めてだよ。」」」
詩乃とは2年程一緒にいるが、こんな美人なのに男がいるという話は聞いたことがない。その詩乃が彼氏の話なんてと恋愛話に3人は身を乗り出した。
「あの~、キスでイクってことあるんですかね。」
「「「は?」」」
「キスしてる最中に、何だか急に体が熱くなって、痙攣?に似た感触がきたんです。あっ、私イッたことないでそれがイクということなのかわかりませんけど。」
(((『私』ってえらい早いカミングアウトだな!)))
「そんなに濃厚なの・・・!」と紗季が質問する。
「濃厚?いえ、あっという間にイかされて、そんなに時間は」
「「「何そのテクニシャン!!」」」
「し・・・詩乃がその人の事好きだからじゃないの。」とクロが答えた。
「好き?うーん、そんな関係じゃないからなあ。どちらかといえば(露出の)ヤリ友?プレイ仲間」
「「「や、ヤリ友!!!ぷ、プレイ仲間」」」
「もしかすると彼の親、兄弟に見られてたからかなあ」
「「「親、兄弟に見せるプレイ!!!」」」
「ちょっ、詩乃。お付き合いはもうちょいソフトに付き合った方が・・・」
紗季は、詩乃が変態に遊ばれていないか不安になった。
「ソフトに付き合い。そ、そうですね!ところで話は戻りますけどキスでイクなんてあるんでしょうか?」
コホンと咳払いをして紗季は
「な、ないかな。」
クロ、ポーも頷いた。
詩乃は見た目美人で話辛いが、実際会話をしてみると、とてもいい子。3人は不安になって
「それよりも危なっかしいなあ、詩乃は。何かあったらいいなよ。」
「はい。」
ト金は慌てて待ち合わせ場所に向かった。
昨日、振り払うように出ていく詩乃を見てもう会えないのも覚悟した。もしかすると会って終わりを告げられるかもしれない。
待ち合わせ場所に詩乃は先に立っていた。裾の落ち感がきれいな印象のアクアグリーンのガウチョパンツ。トップスにはネイビーのカットソー、首にはブルーのスカーフを巻いて寒色でまとめ早めの夏っぽい印象。ヒールのある華奢なサンダルを合わせていた。
「待った?」
僕の質問に詩乃は首を横に振る。
「お、お昼に大きなくしゃみが出てみんなに驚かれたよ。噂にでもされたかな~。」
「昨日あの後うちの家族がずっとお詩乃さんの話で・・・」
自分でもビックリする位、話をする。あれ?別れ話をさせないように必死?
しかし、詩乃は僕の話を止めるように少し大きめの声で
「あ、あのね、ト金ちゃん!」
というと、人通りの少ない裏路地に引っ張られた。
僕はゴクリと唾を飲み込んだ。
詩乃は突然カットソーを脱ぎ、少し恥ずかしそうに胸を見せた。
目を逸らしながらもいつもの目を少し細くし、悪戯をする顔つきで
「触りたい?」
僕は辺りをキョロキョロ見渡し再度、胸を見た。
あれだけ裸を見たのに、奇跡的毎回見えずにきた。見たのは初めだ。
大きくない乳房、何だか控え目の乳首。まあ比較するほど見たことはないが。
それで僕は大きく頷く。
「ちょっと指先で突く程度だけよ。」
そう言われると僕の人差し指は真直ぐに詩乃の乳首に触れた。
「あっ、んん。」
詩乃は小さく声を上げる。僕が指先を動かすと同じように
「あっ、あっ、」
と声にならない声を出す。彼女は顔を赤くし自ら唇を嚙み締めた。
我慢できなくなった僕は両手で乳房を握る。
「ト金ちゃん、ダメ!」
僕は手の動きを見る為腰を落とし彼女の胸の位置に顔をやった。
「や、柔らかい!」
詩乃は、両手を僕の頭にのせて力を入れ出す。
「ダメ、ト金ちゃん私もう・・・」
「あー」
詩乃の膝がガクガク震えだし急に倒れだす。僕は急いで支えた。
「大丈夫?」
僕の問いかけにハアハアと息を荒くし虚ろになった目を僕に向けた。
小さく頷く詩乃。彼女は急いで胸を隠そうとするが、僕はその手を掴み
「お詩乃さん、可愛い。」
と口を開き彼女の乳首に向けた。
「ちょっと、ト金ちゃん・・・」
あ、アウトかもしれない