これも見せない露出なの?
最近ようやくキスのエロさが解りました
「何がいいかね、食事。」
「きっとお嬢様だから、貧相な物じゃお口に合わないよ。ね、おにいちゃん。」
『ね』じゃねーよ。一人暮らしでフリーターなんで贅沢できずに質素に暮らしてるよ。
と数分前に伝えましたよね。
「母さんの料理なら何でも美味しいと言ってくれるよ。」
2人は静かになった。が、次の瞬間。
「大事な一人息子の将来がかかってるのよ。」
「そうだよ、お兄ちゃん。あんな奇麗な人、2度と出会えないよ。」
「「だいたい、ト金は(お兄ちゃんは)・・・」」
うわ~姦しい。どんな人か確かめたいと食事会なんでしょ?
何故かいつの間にか将来のことのように大事に考えてる?
それに、詩乃とは1年間という期間限定なんだけど。
期間限定の事を考えると少し寂しくなる。何だろう。
ピンポーン。
僕はドアを開けた。
ブラウン系のヒール。フロントに入ったタックが入ったサンドベージュ色のテーパードパンツ。深いグリーン色のニット。袖口が広がっている。パンツもトップスもピッタリとした服装で体のラインが美しく見える。首元には長めの金のネックレス。
左手に大きなバケーションバッグを持っている。
トップスインのコーデが本当に奇麗だ。
そこに彼女の眩しい笑顔が加わる。
陰キャではないが見た目カーストでは下層に位置する僕にとっては直視出来ない程眩しい。
「お邪魔します。」
作り笑顔で最高の顔をする詩乃。
「はい、いらっ・・・はうっ!」
母は詩乃を見るなり、膝が砕けるように倒れた。
詩乃は耳元に唇を近づけて
「ねえ、ト金ちゃんのお家の人ってああいう変わった挨拶するの?」
ハハハと苦笑いするしかない。
「もう少しすると、父さんも帰ってくるしあんな挨拶しないよ。」
「ね、本当に絶世の美女の美女でしょ!」
妹のふーはまるで自分の彼女のように勝ち誇った顔をする。僕の横では「いえいえ。」と否定をする詩乃が笑いながら困った顔をする。
「私、息子はいい男と思うけど、流石に釣り合わないわ。美女と野獣という感じね。」
母さん絶対いい男と思ってないよね!
アウェイで姦しい2人に圧倒されながらも、僕に良くしてもらってますと何度も伝える詩乃。
「ただいまあ」
ようやく父さんが帰ってきた。詩乃は急ぎ立ち上がり
「初めまして。ト金さんとお付き合いさせていただいてる、早坂詩乃と申します。」
作り笑顔で最高の顔をする詩乃。
「はい、いらっ・・・はうっ!」
父は詩乃を見るなり、膝が砕けるように倒れた。
詩乃は耳元に唇を近づけて
「ねえ、なんだかデジャブ?」
ハハハと苦笑いするしかない。
「ね、本当に絶世の美女の美女でしょ!」
妹のふーはまるで自分の彼女のように勝ち誇った顔をする。僕の横では「いえいえ。」と否定をする詩乃が笑いながら困った顔をする。
「息子はいい男と思うけど、流石に釣り合わないわ。薔薇と肥溜めという感じ。」
父さん絶対いい男と思ってないよね!
3人に増えて圧倒されているが、それでも世辞を交えながらうちの家族と良い関係を作ろうと会話をしてくれた。
エプロンを持ってきていたようで夕食も手伝う。
夕食、食後。流石に気を使うからと何度か僕の部屋でのんびりとしようと誘うが詩乃は断りリビングで応対を続けた。
父がテレビを見、ふーが部屋で明日の準備、母がデザートでもと、キッチンで準備を始めた時だった。
ソファーに腰を下ろした僕に詩乃は急に前かがみになり顔を近づけてきた。
ほんの一瞬、唇が触れ合う。
えっ?
戸惑う僕にもう一度、唇を重ねる。今度は一瞬ではない。
親もいるのにまずいと唇を離し周りを見渡す。
その僕の顔を両手で押さえてまた、唇を重ねる。
重ねながら少し口を開けて舌を絡ませてくる。
や、柔らかい!なんだかフワフワとした気分になる。
詩乃はそのまま僕の太腿の上に乗る。何度も舌を絡めた後には僕の下唇を彼女の両唇で包み込むように噛む。小さな声で詩乃が囁く
「うそ、こんな・・・事」
そしてまた、舌を絡ませたと思うと、顔に添えていた両手を僕の背中に回し力を込めて抱きしめてきた。
「あ、うそうそ・・・」
急に詩乃は倒れた。
「お詩乃さん?大丈夫?」
気づいた家族も近づいて心配そうにする。
「あ、うん。大丈夫。ごめんなさい。今日は帰ります。」
「ト金、送ってあげなさい。」
父の言葉に僕が返事をする前に詩乃が
「だ、大丈夫です。一人で帰れるから。」
と顔を赤くしながら、慌てて帰り支度をし駆けるように出て行った。
出張だ~
次は時間かかります