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壁際のジョニー  作者: 三毛猫ジョーラ


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27話 メリージョニークリスマス with Rinda


 クリスマスイブイブ。


 イブを多く言い過ぎたわけじゃなく、今日は12月23日。おれは鈴雫ちゃんに誘われて水族館にやってきた。


「見て~ジョニーくん! 飼育員さんがサンタコス来てる~」


 さすがはクリスマスシーズン真っ盛り。フィーディングの時間になると水槽の中でサンタの衣装を着たお姉さんが手を振りながら泳いでいた。


「わ~こっち来たよ! ジョニーくん写真撮ろ!」


「ちょいちょい! リンダちゃんくっつきすぎ!」


 飼育員のお姉さんに負けないくらいのサンタコスを着ている鈴雫ちゃん。しかも真冬なのにミニスカである。男ならこのたわわなサンタさんに目が行くのはわかるんだけど、クリスマス前ということもあり周りはカップルばかり。さっきから彼女を怒らせてしまう男性の多い事多い事……。その気持ちお察しします。


「リンダちゃん。そろそろコートを羽織ったほうがいいのでは? 寒いでしょ?」


「ジョニーくん。これくらいで寒いなんて言ってたらレイヤーは務まらないよ~。なんなら上はビキニ着てるからもう一枚脱いじゃう?」


「いえいえ滅相もない! これ以上お魚さんより視線を集めるのはやめてーー!」



 その後も、「一緒に写真撮ってください」だの「彼氏さん撮ってもらっていいですか?」だの「水族館のブログに載せていいですか?」と、出口にたどり着くまでかなりの時間を要した。


「ふぅー! やっぱりリンダちゃんは人気だね」


「ごめ~ん。カメラ向けられるとつい条件反射で……ほんとはジョニーくんとゆっくり回りたかったのに~」


 おれがじとーっと彼女を見ると少し焦った様子を見せた。


「ほんとよ! ほんと! 今日のコスもジョニーくんに喜んでもらおうと思って……」


 しょんぼりしてしまった鈴雫ちゃんにおれは自分のダウンを掛けてあげた。


「うん、ありがとう。とっても目の保養になりました。なによりリンダちゃんが楽しそうだったからね。やっぱりクリスマスは楽しく笑ってなくちゃ!」


 鈴雫ちゃんの今日一きょういちのスマイルが飛び出した。イルミネーションに照らされたその笑顔は本当に絵になる。やっぱり彼女は一流のコスプレイヤーだ。


「あのね……」


 笑顔の余韻を残したまま鈴雫ちゃんが足元に視線を落とした。


「実はあれから妹と大喧嘩したんだ。お互い溜まってたもの全部吐き出して……それで最後は二人で大泣きしちゃって」


 照れたように彼女は笑った。今日の鈴雫ちゃんがなんとなくふっきれたような感じがしていたのはそれだったか……。おれは少し笑って話の続きを待った。


「結局うちらはお互いを羨ましく思ってたみたい。それがわかって、なんか肩の力が抜けちゃって。どっちも馬鹿だったねって」


 鈴雫ちゃんがくるりと振り返っておれの手を取った。サンタの帽子がピョコンと揺れた。


「ありがとうジョニーくん。妹と仲直りできたのは全部あなたのお陰だよ」


「そんなそんな! おれは特になにもしてないよ」


「ううん。ジョニーくんがいなかったら、うちらはまだいがみ合ってたよ。お礼に……おっぱい触っていいよ?」


「な、なんという! 聖なる夜にそんなこと!」


「今日はイブイブだからいーんじゃない?」


「し、しかしー!」


「しょうがないな~じゃあ今日はこれで許しておくか~」


 そう言って鈴雫ちゃんはおれの背中に飛び乗りぎゅーっと抱きついてきた。柔らかな、いや至福の感触が背中に伝わる。これはこれでありだな。うん。


「よし! じゃあこのまま帰ろ~!」


「ラジャー! セクシィサンタ様ーー!」





 サンタをおんぶするトナカイさんはいつもみんなを笑顔にしていく。





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