6月27日 黄金のカエルは子宝の夢を見るのか。
黄金のカエルは何個も何個も世界を渡り歩きましたが、同じカエルに出会えないまま元の世界に戻った黄金のカエル。
ある時、長い長い夢を見ました。
それは3個目に行った世界の夢。
自分の事を助けてくれた人間が、黄金のカエルの子供を産んでいました。
その人間は、実は黄金のカエルだったのです。
人間になる呪いを掛けられた黄金のカエルと、黄金のカエルになる呪いを掛けられた人間が出会い、やっと愛し合える事が出来ました。
人間と黄金のカエルのまま。
そして呪いが解けても、人間と黄金のカエルのまま、1人と1匹は仲良く永遠に愛し合い続けました。
「マーリン」
『ココは現実、第1世界、お前は今はシオンの姿』
「アレは」
『アレも現実、繋がった。少し遠い場所に都市が出来た、あの砂漠地帯の向こうの海に、海上都市が出来た』
「ロキは」
『折角こうしてられるのに、きっとアレは遠慮無しに来るぞ』
「あぁ、追い出すから大丈夫」
もう1人の俺は、マーリンはドリームランドの海上都市に居る。
ハナが受け入れてくれるまで、俺と全く違うんだと思い込める様になるまで、何年でも待つと。
向こうのマーリンにはドリームランドの適性が無かった。
だからこそ、やっと意味を見付けられたと喜んでいた。
好きだから、何かをする。
ただ、それだけの事。
「何で、マーリンは」
『俺はお前が凄く弱いのを知ってるから、人間らしくて、カエルみたいで可愛いから』
「黄金のカエルの話をしないと」
『ドリアードに頼んであるから、大丈夫』
1日は1日だった。
せいちゃんと過ごした後、強烈な眠気が来たので浮島の棺に収まって、起きた。
隣にはマーリンが居て、紫苑の体で目覚めた。
普通の夢みたいな記憶の不鮮明さ、思い出そうとしないと薄ぼんやりとしてしまう。
何もしたく無いけど、今日は土曜日。
公務の日。
桜木さんは温泉に入っても、食事をしても無言のまま。
カナダ自治区へ行き、軍楽祭の為に訪問中の音楽隊へ慰問。
安全面の為、基本的に公務は全て突発で決められる。
音楽隊も地元民も大歓迎、一方の桜木さんはいつも通り。
いつも通りなのが、逆にとても不安。
そしてその不安が、違う事で的中してしまった。
軍そのものに反対するデモ隊が練習場へ来てしまい、桜木さんが泣いてしまった。
「なんで、友好と親善の為に来てるだけでしょうよ」
「違法なデモ隊ですし、排除してからお話ししますね」
泣いて、こう呟いただけで世界へ影響を与えてしまう。
泣いた画像が拡散され、読唇術に長けた者が動画に字幕を付け、過労では、何かご心労が。
その思い遣りは攻撃性へと変化し、ご公務が土日祝日だけだと勘違いしていた者への攻撃にまで広がり。
軍反対派は完全に槍玉に挙げられ、違法アクセスにより首謀者や関係者の個人情報が曝露、民間同士で討論会をするまでに発展した。
でも、桜木さんはそれを知らない。
例え知りたがったとしても、果ては感情の抑制に繋がり兼ねないからと情報規制が掛かる。
「すまん」
「いえ、情報を精査中なので、次も有りますから休んで下さい」
マティアスさんに軍反対派の解説を任せ、僕も暫し休憩。
ちょっと感極まって泣いてしまって、マティアスに軍の反対派の気持ちを少し解説して貰い、お昼寝し。
次は座間での合同イベントへ。
それこそもう体制側だからか、全てを一律に評価して、まるで決め付ける様な批判が理解は出来なかった。
だって、嫌ならそう言った国がちゃんと準備されているのに、安全な場所で騒ぐだけで。
「イミフ」
「ですね。お腹空いてますか?パエリアが有るそうですよ」
「食う」
これぞ多国籍。
もう本当にお祭り。
マーチングバンドにココの音楽隊の生演奏、ボーリングだ各国の国歌斉唱。
そして花火。
問題を提起するのは良いけど、問題を起こすのは違うのに。
桜木さんが対話を望む可能性が有るので、桜木さんにはゲームをさせ、お夕飯後に僕らは会議。
納得は得られないだろうと言う事になり、僕の家族から民意を吸い上げて貰う方向となった。
「桜木さん、もし気になるなら大多数の民意を聞くのはどうでしょうか。追々」
「おう、追々」
そして今日も浮島へ。




