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6月21日 公務後に、外商さんからお買い物。

 マティアスに甘やかして貰い、予定表を確認。

 昨日、スーちゃんの誕生日じゃん。


《どうしたの?》

「スーちゃんの誕生日が」


《大丈夫、今日の夕方に誕生日会やるから来てって》

「あぁ、メールでも」


《そんな余裕無かったでしょ、公務日だったんだし、ちゃんと今日お祝いしよう、ね?》

「プレゼント買いに行かないと」


《外商が夕方に来るから大丈夫》

「あぁ、それもか」


《大丈夫》


 先ずは温泉、軽く飯、そして旭川へ陸自さんを見に行く事に。




 今日は15時過ぎに浮島へ、温泉へ入ってから外商の待つ遠野の一軒家へ。

 桜木さんが何も動きそうに無いからと、アレク、ネイハム先生にマティアスさん、それとコンスタンティンの額内グループが外商を出迎えた。


 そして桜木さんは楠桜子として、ミーシャさんが本来の楠花子さんの役をこなす。


 僕が一般人だったなら、額内メンツを見た瞬間に諦めるかも知れない。

 この試練を、超えられる気がしない。




 今日は外商さんが来てるそうなので、ロキパパとソロモンママと玄関から。

 目の前には同じ顔。


「お帰り桜子」


 多分、ミーシャだ。

 何だ、何が起こってる。


 家に上がると、外商さんまで驚いてる。


 何だコレは。


『大丈夫よ、桜子。外商さんはもう、ハーレム形成者だって知ってるのよ』

「桜子は大変ですな、同じ顔なのに全然違うから」

『気に入ってるのに遠慮するのがいけないんだよ、さ、良く話し合って』

「じゃあ、行きましょうか楠さん」


「ですね、では」


 そうは言ってもだ、まだコンスタンティンにアレク、先生にマティアスが残ってるし。

 品物は広げられてるから追い出すにも。




 流石にラウラが固まってるから、皆を上の階へ、私が仲裁に。


《まぁ、いきなりハーレムへようこそって無理だよね》

「こう、何も一般の方を巻き込まなくたって」


《じゃあ誰なら良いの?》

「ローズマリーちゃんとかだな」


《度胸がちょっとねぇ》


「そも外商さんに」

《聞いてみた?》


 ラウラ眩しがってるけど、どっちの意味だろ。


 眼鏡で確認。

 あぁ、キラキラ出てるじゃん、外商さん。


「ちょ、立ち去らないでくれ」

《ダメー、こう言う時は甘やかさない主義なの、じゃあね》


 上に向かうと、コンスタンティンは問題無さそうだけど、相変わらず新参には全て大反対のアレクがゴネてる。

 ルーネは性癖の事で受け入れたけど、ローズマリーは絶対にダメだって。

 ノアは良いけど、外商さんはダメって。


「嫌、無理」

《何で私は良いの?》


「大変な時に一緒だったから、でもローズマリーも外商も嫌、無理」

《ですが、桜木花子が受け入れたらゴネられませんよ》

《けど、邪魔したいならどうぞ》


「じゃあ行ってくる」


 そう邪魔しても外商さんが受け入れちゃったら、認めるしかなくなるのになぁ。




 マティアスが邪魔して良いって言うから、下に行ったら真面目に話してんの。

 サクラにイチャイチャしようと思ったのに、どう説明を受けたかって聞き出してるし。


 双子の姉が花子で、妹が桜子。

 金持ちで双子は目立つから、普通の家庭を装って、子供はお互いに認識はしてるけど別々に育てて来た。 


 片方は普通に結婚したけど、片方はモテモテで、でも自覚が無いから大変な騒動になりかけて。

 でも最近魔道具も出たしと、親が丸く収めてハーレム形成者になったって話。


 マジで魔道具便利だよな。


「で、相手がさっきの方々で、合ってます」

「だから、無理だと思うならさっさと諦めた方が良いよ、其々に特技だって有るんだし」


「まぁ、そう言う事なので、はい」


 サクラにイチャイチャしても真っ赤になって、でも抵抗しないの、何か目覚めちゃいそう。


「羨ましいってだけじゃ無理だよ、俺らの事も許容してくれないとだし」

「です、はい」


「こうウブっぽいけど凄いんだよ?」

「だそうで」


「マジだからね?」


「日頃こう言う話は睦言限定で、今日は例外で」

「見せ付ける?」


「見せ付けられる覚悟が有るの?」


「ネイハムなら良いよ」

「大好きじゃん」


「まぁ、うん、好きな方。サクラが1番、サクラだけ」

「邪魔するならちゃんと邪魔してくれ、人の人生が掛かってるんだから」


「じゃあ見せ付ける」

「それ以外にしてくれ」


「良い案を出してくれたら止める」

「見られる趣味は無いんだってば」


「早く良い案出して」

「子供要らない人は無理」


「嘘はダメ」

「まっ、外商さん、逃げ出すか止めるかしてくれ」




 こう意外性を求めて無かったのよ。

 どうしてこうなるのよ。


 いたたまれず中庭に逃げ出して一服してるが、何よ、何なのよコレ。


「何で怒ってんの」

「何で君は認めちゃってんのよ、他は止めに来ないし」


「扉の存在忘れてるでしょ」

「あ」


「マトモなのが1人位は居ても良いんじゃない」

「選択肢に出しても無い、加わるって選択をするのがマトモか?」


「エロい灯台なのが悪い」

「エロくない灯台って居るのかよ」


「居るみたいよ、ノアの奥さんとか」

「へ」


「あ、起きたみたい」

「あぁ、お風呂案内しないと」


 外商さんこと多千花(つかさ)さんが起きたので風呂へ行かせ、再び中庭へ戻って来た。


「最近報告が出てるみたい、特定の人を惹き付ける性質。向こうは焚き火だって」

「ワシ誘蛾灯とか言われてんのに」


「他にも街明かりとか、暖炉とか松明とか灯火とか」

《じゃよ、個性じゃし》

『全く同じ者の話があれば、つまりそれはお前だろうよ』


「何でエロい灯台なの」

《それこそ性癖じゃ、ハマればハマるんじゃよ》

「もっと詳しく説明してあげようか?」


「なら誰でも」

《空気の様じゃったり、水の様じゃったり》

『個性が誰にどうハマるか、だそうだ』


「皆、水で空気で、灯台?」

『万人では無いが、個性的な人間は必ず居るだろう』

「それが強め、だけじゃ嫌?」


「嫌では無いが」

《まぁ、エロい灯台も沈静化したんじゃし、良いではないか》

『ご苦労だったな。だが、アレはまだ足りなそうだ、話し合いに行ってやれ』

「あー、新人に譲ってやるかな」


「あー、はい」




 担当を変えて貰う筈が、花子さんではなく桜子さんの担当にと指名され、向かった筈が。

 出迎えたのは花子さんで。

 実はこの前は桜子で、ハーレム形成者だから相手を探す為の外商の呼び出しでも有ったんだと。

 だから気にせず手を出して構わない、と言い切られた。


 そうしてハーレムのメンツを紹介され、最初は少し嬉しかったが徐々に自信が無くなった。

 綺麗な方に可愛らしい方、誰もがモデルか何かをしている様な容姿で。

 少し自分の容姿には自信が有ったのに、完全に打ち砕かれた。


 なのに、私に顔を赤くしてくれたり、ハーレムは大変だからと断り易くしてくれたり。

 そして仲間内での事も、許容が出来るのかと。


 もう少し傲慢だったり我儘だったり、何か気に入らないと思える部分が有ったら、遠慮無く断っていた。

 なのに。


《すみません、段取りも踏まずに》

「そこを気にするのね」


《仕事が仕事なので》

「何が良いんだか」


《悪い部分が無い所です》

「何でも良い様に見えてるだけでは」


《恋愛感情を捨てろと仰りたいんでしょうか》

「いや、そう言うのでは無く」


《なら、ちゃんと、いずれきちんと告白させて下さい、ご納得頂ける様に、しっかりとご説明差し上げますから》

「あぁ、じゃあ、その時に、改めて」


《一時的な決断では無いので断りませんし、断らせませんよ》

「ぅう」


 美しい彼が言っていた様に、ウブな対応と反応のギャップが凄い。

 こう幾らでも説明出来るのに、ご予定が有るそうで今日はコレまで。


 次は旅行のプランも持って来る約束をして、車へ乗り込んだ。




 今日のハナは艶々、ぷるぷる。


「艶々ぷるぷる」

「ごめんてば、すみませんでした、ごめんなさい」


「違くて。前は砂漠みたいだったけど、水々しいって感じでホッとしてるの」

「って言うか」

「じゃ、乾杯するかな」

《スーちゃん15才おめでとうー》


 マティアスさんの強制祝杯で乾杯。

 そうよね、アレクの事で私達が怒られるかもなんだし。


「ハナ怒ってる?」

「いや、つかアレは何だったの?」


「お婆さんの地域の結婚式で、沖縄のヲナリ様の儀式と一緒だからやっちゃおうって。お婆さんが」

「あぁ、お婆さんも夢見だったか」


「それでヲナリ様の儀式が必要だって。コッチでは結婚式の意味にもなるし、良いかなーって」

「あぁ、うん、ご苦労様でした」


「ユタさんだけじゃ無いんだってビックリよね」

「うん、祝女(ノロ)さんも知らなかったし」

「TRICK知ってたら知ってると思ったんだがな」


「あ、上田とのアレか」

「巨根で競うアレな」

「もー、マキちゃんも居るんだからね」

「アレはラブコメですよね!」


「マキちゃんのジャンル分けガバいな」

「へ?そうですかね?」


 今日もケバブ屋さんでお誕生日会。

 マキちゃんにリズちゃん、ショナ君に賢人君も。


 昨日は、実は私もエミールと見学してたのよね、競馬場で。

 勿論購入はして無いのよ、大人の姿で、ハナが心配だったから見守ってただけ。


「所で、もう大丈夫なの?」

「スクナさんのお陰で何も無い」

「なら飲め、食え」

「もうそれで終わりなんですか?」


「もう数回はね、人数分が確保出来なかったらしいし」

「なぁ、もう、普通は辞めないか?」

「そうよ、普通だったらしないんだもの」

「ですね、もう普通には味合わない体験はしてらっしゃるんですし。ね?」


「でも」

「じゃあもう何にも受け取らなーい」

「私も!」

「俺も、エミール君にも根回ししとくかな」


「ハーレム外まで結託しやがって」

「だって苦痛は受けて欲しく無いもの」

「そうですよ」

「でもコイツはマゾなんだよなぁ、まーた紫苑でボコにされてるし」


「え、どう言う事よハナ」

「ハナちゃん」

「もー、リズちゃんのバカ」

「そうやって、ココの人間とは比べ物にならない位に痛みは受けてるんだから、呑め」


「スーちゃんの話をしよう?」

「私にも同じ苦痛を味わって欲しいなら継続しても良いわよ?」

「それとだ、周りを我慢させる行為にもなるんだし、呑め」

「早々に呑んで頂ければ、楽しく誕生日会が過ごせると思うますよ?」


「はぃ」

《カンパーイ》


 ハナからのプレゼントは、指甲套(しこうとう)、指先に嵌める爪カバー。

 ピンクゴールドに濃いピンクの石付き。


 凄く、好き。


「好き、毎年頂戴」

「えー、それじゃつまらんくない?」

「小指と薬指なら残り3回は凌げるな」

「毎年揃うプレゼントって素敵ですけど、何か+αしたいですよね」


「だよねー、何にしようか」

「やっぱりネイルですかね?」

「指輪かピアスか」

「ふふ、楽しみにしてる」


 リズちゃんからは花瓶、オーダーメイドで作ってくれたピンク色の花瓶。

 マキさんからは金色の可愛い手鏡、お化粧品のブランドので、前に話したモノ。


 好きがいっぱい、嬉しい。

 お誕生日会もプレゼントも、久し振り過ぎて。




 スーちゃん、号泣。

 向こうでは誕生日会も何も無かったから、こう年が取れるのが嬉しいって。


 もう全員で貰い泣き。


「スーちゃん、もう長生き出来るんだよね?」

「うん、魔素を拒絶する遺伝子は取り除いて貰えたから」

「マティアスさんのお陰なんだよな、他の配列も記憶してくれてたから」

「流石です」

《こう、役に立てて、私も、嬉しい》


 マティアスも崩壊。

 そしてコンちゃんも、感受性豊か。


「はぁ、ありがとう、本当に。よし、ふぅ、生きるぞー!」

「カンパーイ!」


 そして誕生日会が終わると、先ずはリズちゃんを送り、次にマキちゃん、スーちゃんとは一緒にイスタンブールの浮島へ。

 ユラ君を可愛がっていると、またワシの話になってしまった。


「さっきはあんな風に言ったけど、無理しなくて良いからね」

「いや、ワシが上手に決断出来無いから言わせたんだし」


「それも違うの。痛かったり苦しんだりをして欲しく無い、私達のエゴ、我儘なの。何かしら考えて、感じ取れるかも知れない段階を、すっ飛ばせって唆してる。私達が踏み入って、介入してる、本当は良くない事なの」


「でも良いと思うからするんでしょ?ワシもノアの件で踏み入って介入して、ボコボコになるのが最適解だと思って殴られたから許して?」

「許すも何も、そうしないと離婚に何年も掛かっただろうし。外野だから、傷付いて欲しく無いだけなの。痛みを感じる事は出来ても、変わってあげられないじゃない」


「マゾでは無い」

「知ってる、だから余計に心配で。子供の頃ね、痛いの飛んで行けーって、本当に飛んで行ったら誰かに入っちゃうんじゃ無いかって、昔は怖かった」


「あぁ、同じ事を考えた事が有る」

「でも今は、ハナが背負っちゃうんじゃ無いかって心配。世界中の痛みをあんな風に、背負われたく無い」


「ワシはウテナ様じゃ無いし、スーちゃんは姫宮でも無いから大丈夫」

「本当に、あんな風にしないで、ならないでね」


「しないしない、痛いの嫌いだもの」

「今までの事が有るから信用出来無い、無理」


「じゃあ、アレクと分け合う、それと白雨も巻き込んで、前の次元から魔王も引っ張って来て分散させて。全部のロキも使えば、何とかなりそうじゃない?」


「ほら、やっぱり、無いって言わない」

「利益次第、でも自分の価値も理解してるつもり。だから、万が一にも条件が揃ったら、しちゃう」


「1人か、3億か、よね」

「3億か、70億か。だから身柱の身代わりを真っ先に拒否したんだもの、その功績を念頭に置いて頂戴よ」


「1人か70億か」

「ウテナ様のアレは違う、結局は1人と1人、しかも未成年ぞ。ワシ成人じゃし、複数人おるし」


「その分、大変じゃない」

「周りもね。つかもう15才なんだから、自分の事に集中しておくれ、ワシはもう大丈夫。ユラ君も居るしねぇ」

《うん》


「ほら、大丈夫。周りにアレだけ居るんだもの、大丈夫」


「うん」


 スーちゃんは特例。

 目一杯ハグをして、お別れ。


 そして先生にご相談へ。




 桜木花子が不思議に思う、アレクや多千花さんが感じた仲間意識は、嫉妬とは少し違う感覚。

 寧ろ、仲間内だけに見せびらかす秘密の共有感。


《親密さを高める効果、クロージング効果でしょうね》

「何もワシを使わなくても」


《だからですよ、共通の話題で私達のハーレムは繋がっているんですから》

「ハブのネムちゃんは大変じゃ無い?」


《メリットも多いですよ、全て知ってますし。定期的に会えて話せて、チャンスも多い》

「アレク、ネムちゃんなら良いって言ってたが」


《祥那君は半ば兄弟の感覚だそうですし、甘やかす役になれますからね》

「だろうけど。あ、その話じゃ無くて」


《他は明日になってから、話し合いましょう》

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