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5月28日 甘やかされるとは。

 まさかルーネに甘やかされるとは思わなかった。


「泣くとは思わなかった、ごめん」

『普通の男の子なんだなって思って、安心した』


「そうか、弱点か」

『そうだね、私だけ晒してるみたいで怖かった』


「ごめんね」

『ううん、好かれてる実感が凄いする。私もシオンみたいに弱点を晒さなかったから、きっと、相手も離れたんだろうなって。今、凄く悪い事をしたと反省してる』


「自己満足でも良いから、会って謝るのはダメなの?」

『良いの?再熱しちゃうかもよ』


「それは、気付きだから許す。対等にならないと見えないとか有るだろうし、それで相手に行かれたら、それが本当の正解。浮気とか余所見じゃないよ、今までが目線が合わなかっただけなんだから」


『実は凄い年取ってる?』

「いや、22」


『誕生日を知らないんだけど?』

「3月19日」


『私も、3月の4日、魚座同士は相性が良いんだって』

「詳しいね、乙女座とはどう?」


『真逆だから相性が悪い方、妹が占い大好きなんだ。ふふ、ロマンチストでサディスティック、凄く最高』

「メロメロか」


『うん、だから凄く怖い、こんなに好きなのに突き放すみたいな事まで言われるし』

「揺らぐ不安が有るの?」


『全く無い』

「じゃあ謝ってきなよ、良い友達になれるかもなんだし。ママ友は多い方が良いんじゃ無い?」


『そこまで、考えてくれてるの?』

「今思い付いた、でも恋人になれる程の相性なら、大事にした方が良いんじゃ無い?」


『不安にならない?』

「残念ながら、全く不安は無い。あ、でも、迷ったら言って、ちゃんと話し合おう」


『本当に好き?』

「好きだから幸せになって欲しい」


『それでもゴネたら?』

「和解出来るまで放置」


『それは嫌』

「なら妹にご相談なさい」


『真面目』

「魚座らしく無い?」


『ううん、寧ろ凄く、らしい』

「じゃあルーネも真面目なんだね」


『でも同情し易いから、可哀想に思う相手は絶対ダメだって、妹が。それで本当に失敗しちゃって、凄く後悔して、気を付けてる』

「それはそうだよ、尽くして終わるだけだから。良い妹さんだね」


『シオンも同じ目に遭ったんだね』

「かもね」


『やっぱり、家族に会って欲しいんだけど』

「好きだよ、大丈夫、他に行って欲しいワケじゃ無いよ」


『それでも、先ずは妹だけ、ね?』




 久し振りに出来た兄さんの恋人は、男性。

 しかも異国の若い人、私と同い年の男の子。


 デンマークの言葉も上手で、兄さんが好きなのがちゃんと分かる。

 気だるげで、何かエッチい。

 そう見ちゃってるからかな、全然、私の好みじゃ無いのに。


『なんか、エッチぃ』

「初めて言われた」

『遺伝的にそう思っちゃうのかもね』


『こんなに最初からエッチぃかったの?』

『うん』

「え」


『黒い髪と目がセクシーだって言ったじゃない』

「それ何処にでも居るし、社交辞令かと」

『結構、本当に真っ黒。周りはもっと赤茶とかだし』


「まぁ、確かにそうか」

『シオンは比べない良い子なんだ』

『メロメロ過ぎて逆に心配』


「本当、気を付ける様に言い聞かせといて」

『さっきも、こう、元カノに会えって言うんだ』

『どうしてそうなったの』


『こんなに好きになって、初めて彼女達に悪い事をしたなって、自覚する事が有ったから』

「弱点を見せたらイチコロでした。だから、悪いと思うなら和解したらって」

『自信たっぷりだ』


「自信と言うか、良い人が他に居たら譲るしかなくない?」

『それはそう』

『もー、揺らぐ気配も無いのに、けど、ママ友に良いんじゃないかって言うんだよ』


『それもそう。本当に、魚座らしい博愛主義だなぁ』

「身内は牡羊座なんだけど、相性どう?」


『牡羊座は独走、魚座は協調だから、絶対に2人キリにならない方が良い』

「じゃあ牡羊座と乙女座」


『それも、かなり最悪な部類』

『でも、そうは見えなかったね。あの子が乙女座?』

「おう」


『なら凄く素敵だから最高、それは個人の努力の賜物、邪魔したら私が絶対に許さない』

「無い無い」

『無いね、私はシオンで手一杯だもの』


inge(インジ)の相手は?」

『この前別れた。あの魔道具の話が出て、ごめんって』

『ごめんよ、ただ別れたとしか聞かないで、すまなかった』


「ごめんなさい、関係者なので正式に謝罪します」

『凄いじゃん!言ってくれたら、あ、そっか。でも、はい、謝罪はいらないです、私が見抜けなかっただけで、向こうにもちゃんと謝られたし』

『それでもだよ、私が相談した時に』


『この情報は完全に余談だし、思考の邪魔はしたく無かった』

『山羊座ちゃんは真面目で分析好きで理知的なのは良いんだけど、魚座の私に影響され過ぎだよ』


『子供が出来る前で良かった、って言うか向こうはまだ揉めてるし。ざまぁ』

「それはざまぁだ、誰か紹介しようか?」


『乙女座か牡牛座』

「射手座は?」


『悪く無い』

「じゃあ牡牛座と射手座で、牡牛座はかなり年下になっちゃうけど良い?」


『未成年はちょっと、早く赤ちゃんは欲しいし』

「じゃあ、射手座かな、ふふ」


 先ずは箱庭経由の紹介で、射手座君の情報共有。

 プロフィールは簡素だけど、面白い事になるかも知れない相性。




 妹ちゃんに賢人君を紹介して、今日は解散。

 うん、クソ眠い。




 桜木様っつうか、紫苑さんから女性を紹介されてしまった。

 俺は小雪さんが、そっか、知らないかもなのか。


 でもなぁ、外国の人。

 俺、この国が大好き過ぎだしなぁ。


「なんだよ、糞ならさっさと行けよ」

「違うんすよぉ、紫苑さんから女性を紹介されて」


「は、は?」

「でも、外国の方なんすよ。俺、ココがマジで好きだから、移住は勘弁なんすよね」


「そこも口説き落とせば良いだろ、クソが」

「いやぁ、俺は今は小雪さんが良いかなって時だし」


「じゃあ俺に、何でアイツ」

「そこはほら、年とか」


「うぐぐ、きぇー」

「痛い痛い」


 リズさんのこのストレスっぷりも、報告しないとなぁ。




 昼過ぎに起きると、リズちゃんから多数の不在着信が有ると、ソラちゃんから教えられ。

 返信すると秒で泉から出て来た。


「どした」

「何で俺に紹介しない」


「向こうから未成年はお断りって言われたから」

「うぐぐ」


「早く赤ちゃん欲しいって。君もちゃんと候補にはあげたぞ」

「腹上死以外はお前が羨ましい」


「溜まってんなぁ」

「精神的にな」


「精神科医は?」

「エンキ神も、魔道具の使用で色欲の店なら良いとさ」


「行けよ」

「ビビってるのと、恋人としたい」


「操立てちゃってんの、ぷぎゃー」

「きぇー」


 腕ひしぎ十字固めで抑え、話を続行。


「ほいで」

「操と欲望のせめぎ合い」


「店の子を好きになるとかの心配か」

「そこまで愛せる自信が無いが」


「あ、ローズマリーちゃんと話し合おうか、ワシ本調子じゃ無いって抜けてさ。そんで店かローズマリーちゃんか、帰るかで気を紛らわせろよ」


「今なら誰にでも付いて行く自信が有る」

「最悪は場所をお借りして自分で何とかしろ」


「あぁ、なるほど」

「脳味噌精巣マンめ」


 抗おうとしたので手を緩めず、ショナに代行で申請させ、受理された。


「はぁ、腕がぶっ壊れるかと思った」

「でしょうね、結構マジで抵抗すんだもの」


「抑え込まれるとついな」

「君も反骨精神凄いよなぁ」


「で、長に貸した魔道具持ってるだろ、貸せ」

「他のでも」


「神様からの条件だ」

「そうか」


 性転換の魔道具を渡し、リズちゃんが変身。

 先ずは服を買いに行くらしい。


「じゃ、ショナ君を借りるわ」

「おう」


「桜木様、元は桜木様が俺に女性を紹介したのが発端なんすよ。俺は小雪さんが」

「知ってたが付き合ってるとかじゃ無いべ」


「そん、でも」

「選択肢は多い方が。何だ、いけそうな雰囲気なのか」


「いやぁ、押さないと永遠に友達って感じっすね」

「言うタイミングって、どう選ぶの?」


「そこはもう、万国共通の悩みっすよ」

「なるほでょ」




 リズさんとお買い物へ。

 結納の事で話がしたかったらしい。


「もうさ、ルーネが家族に会わせたがってさ、今日は妹と会わせてんだよ」

「凄い、もう、そこまで」


「で、お前に滑り込んで欲しいけど。難しいよなぁ」

「ですね」


「嫌とかじゃ無いんだよな?」

「はい」


「何で関西式なんだ?」

「婚約指輪を入れられるからと、オススメされました」


「指輪、選んだのか?」

「いえ、本当は、増量してから渡したくて」


「あー、サイズ直しか。あ、逆にスカスカで良いんじゃないか?そこまで頑張ろうってモチベーションにもなるだろうし」

「そこがこう、逆にプレッシャーにならないかなって」


「なら紫苑サイズで良いだろ、両方となんだし」

「天才ですね」


「だろぉ」




 桜木は俺が帰って来るまで爆睡してたらしい。

 それから飯を食って、店へ。


《会えるし、お友達を紹介してくれるのは良いんですけど》

「ごめんよ、忙しくて、何なら体調も良くは無い」


《え、あ、お酒は良いんですか?》

「大丈夫、少しだし」

「ごめん、俺が最深部にビビってて、付き添いで来て貰ったんだ」


《そんな、凄い性癖を?》

「相手が居ないんだよな?」

「おう」


《私を試してます?》

「いや、人肌は大事だとは思ってる」

「コイツもハーレム形成者なんだけど、知ってる?」


《へ》

「すまんな」

「マジで怠そうなんだけど、大丈夫か?」


「飲んだら体がグッと重くなったわ、取り憑かれたみたいに、取り憑かれた事は無いけど」

「俺が説明しといてやるからマジで帰れよ」


「いや、ちょっと休憩してくるわ」

《それはその、アレの用途は少し、違うんですよ》

「マジでなのか」


《それと、こう、関係を深める場所でも有るので》

「カーテンを完全に閉めれば大丈夫なんやろ?」


《まぁ、はい》

「なら大丈夫だべ、ちょっと休憩してくる」

「おう、ダメならマジで言えよー」


《ハニーちゃん、優しいですよね》

「まぁ、俺が強引に連れ出したんだよ、ゴネて連れて来て貰った」


《じゃあ、新しいハーレム形成者の模様って》

「マジ」


《アナタは違うんですよね?》

「おう、アレは兄弟みたいなもんだし。俺は1人しか相手に出来ないからな」


《だけ、しか、も》

「数をどう捉えるか、な」


《嫌な思いをしてきたからこそ、私に可能性が有るか聞きたいんですけど》

「熱意次第だな、最大で人数が2桁いく想定だし」


《え、ルーマニアの方には見えないんですけど》

「実は、知られて無いだけで、色々な人間が居るって事だろ」


《もしかして、亜人さんとか?》

「あぁ、だったら面白いな」


《面白いですか?》

「面白く無いか?」


《だったら、大変そうだなって、思うんですけど》

「本人が大変かどうか、だな」


《あっ、人が》

「アレは知り合いだから大丈夫」


《え、じゃあ》

「流石にしないだろう、マジで体調悪いんだし」


《寧ろ、そう言う時の方が》

「それはそうだが、アイツ女だし、されそうになったらキレそう」


《そんな感じなんですか?》

「おう、さっきなんか腕ひしぎ十字固めされたし」


《え、羨ましい》

「そうなるかぁ」


《あ、出て来た》


「おう、大丈夫か?」

「ねむい、かえる」


「おう、すまんな」

「おう、ごめんね、また連絡する」

《はい》


【防音カーテン、性能凄いな】

【あ、歌ってらしただけですからね】


 試してくれたのか、マジで悪いな。


「はぁ」

《案内、しましょうか?》


【大丈夫っすよ、俺は居るんで】


「すまん、ありがとう」


 もう、その気は半分以下にはなってたんだが、まぁ、ココまで来たんだしな。




 桜木さんはアルコールを直ぐに分解させたのに、まだ怠いらしい。


「永遠とも思える怠さ」

「僕も、その経験をお願いしても良いですか?」

『ふふ、準備をして来て下さい』


 僕まで、神々に甘やかされてしまっている。


「すみません、ありがとうございます、甘えてしまって」

「苦行に甘えるて」


「手間暇を掛けて頂いてるので」

「ある意味で変態やんな」


「ですね。コレ結構、怠いですよ?」

「酒入った時、凄かったぞ」

『こう、ですかね』


「本当に、心霊現象的に、取り憑かれた感じみたいですね」

「横になるか」


「はい」


 頭の中、奥がボーッとする感じ。

 考えるに考えられない。


 集中も出来無い。


「キツいか」

「しんどいってこんな感じなんですね」


「楽しい妄想をするねん。青いお花畑とか、そこで花冠作るとか」

「いつも、ですか?」


「痛い時は擦って貰う妄想」


「抱っこしても良いですか?」

「うん」


「頭を撫でても良いですか?」

「うん」


 スルスル、さらさら。

 感触だけが逃げ道。




 暑くて起きた。

 目の前には祥子(しょうこ)ちゃん、背中にはミーシャ。


「ミーシャも具合悪いの?」

「いえ、血行を良くすべきかと思いまして」


「ポカポカっつうか暑い」

「水分を」


「おう」


 トイレに行って、それからまた寝て。

 ショナ子ちゃんが起きたら起きて、それからご飯。


「嗅覚と味覚の変化、凄いですね」

「だよな」


 ショナ子ちゃんは酸味がお気に入り、甘味が強いのが苦手に。

 不思議。


「コレが毎月なんですよね」

「うん、揉めるだろうなぁ、どっちが生むのか」


「結納しませんか?」

「へ?誰と?」


「あ、すいません、今度で」

「なに、言え」


「僕の家族が、結納はいつだと。僕が生む側になるのも歓迎しています」


「なんでまた」

「すみません、桜木さんの様子を見て言おうかと、なのについ、ボーッとしてて」


「いや、何でそんな歓迎されてるのかだ」

「僕が、好きになったから、だそうです」


「うんー?」

《お食事会でもしてみたら?》

「普通はしますよねー?」


《ネイルも可愛いんだし、成人式の写真の後とかは?》

「ですね、折角の振り袖なんですし」


《偽装用の家族写真にもなるんだし》

「桜木様が買ってた色留袖ですかね、紋を入れないと」

「あ、桜木さん、紋の候補を送りますね」

「おう」


 楠だと本来は菊水、でも流石に菊の紋はと思うかも知れないからと。

 山桜に水、桜木でも使用出来る様にと。


「本来は菊水でしたが、分家の際に山桜にした、と。数は、少なく無いので大丈夫ですよ」

「確かに菊水よりは良いが」


「ウチも似た由来なので大丈夫かと」

「ほう、紋は?」


「この、柊蝶です」

「かわよ、合わせられないかね、柊蝶に水」


「大丈夫だと思いますよけど、ウチに入るんですか?」

「あぁ、そう言う感じか」

「桜木様、夫婦別姓は可能ですよ?」


「拘り無いのよなぁ」

「僕も、兄が継いではいますし」


「苗字負けする」

「そこを気にされますか」

「画数が段違いですもんねぇ」

《名前は楠、家紋は融合で良いんじゃ無い?》


「ですね」

「良いの?」


「はい」

「良い笑顔」




 ラウラとショナ君、2人がとろとろになっている間に、家紋が決定。

 ご両親は山桜に水、振り袖にもコレ。

 そして戸籍は楠、家紋は柊蝶に水。


 うん、良い感じ。


 そして蜜仍君はいつのも上の部屋へ、ショナ君とラウラはとろとろだから、このまま。

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