5月27日 受け入れるとは。
サクラちゃん、ご遺体が無いから本当に食べちゃったみたいだって。
色々話してくれた。
「凄い手腕と言って良いんだろうか」
『そう?俺もそんなに経験無いからね?』
「いやベッドインの手腕よ」
『え?もしかしてそんなに良くない?』
「違う、ベッドインの手腕が凄いと言って良いのかだ」
『だって、ロキだし』
「突っ込み忘れそうになったが、経験は有るでしょう」
『種族は豊富だけど、半分位はサクラちゃんと同じ感じよ?回数にしたらそう無いし』
「の割によ」
『上手?』
「ワシで満足出来るのか不安」
『だからシオンで男同士だったのかもね、誤魔化せないじゃない』
「あぁ、満足して貰えたか不安だったんだわ」
『感情も思考も追い付いて無いね』
「なのかな。でも、好きだったら」
『永遠に引き摺るべき?何百年も?』
「いや、いや、他人は良いんだよ」
『今回は望まれた事だし、納得するしか無いんだから、君も吹っ切れるべきだよ』
「満足して貰えたんだろうか」
『だから昇華出来たんでしょうに、偉いね、良い子良い子』
「何が、不安なんだろう」
『お腹が減ってるんじゃない?生存の不安は重大だよ』
ごはんを食べさせて、お風呂に入れて。
それからまた。
流されたと言い訳出来る相手だから。
いや、ちゃんと話を聞いてくれたし、納得させてくれたし。
こう、何で、誰に言い訳してるんだろう。
「かえる」
『まだダメ、考える元気は有りそうだし☆』
ラウラが帰って来たのは、蜜仍君が帰って来る直前。
全部、神様達の計算通りなんだろうなぁ。
本当に寝込みそうになる位に消耗させてから、ココへ帰して。
加減してるんだろうけど、人間にはこう加減出来無いよね、どうしても脅えが出てしまうもの。
「桜木様?」
「おう、夕飯まで寝るけど大丈夫よ、痛みとか無いから」
「はい、おやすみなさい」
「うん、おやすみ」
「マティアスさん、こう言う時に話し合いたい場合は、どう言い出せば良いんですか?」
《何個か案は有る?》
「どれも、桜木様の負担になりそうで、決められないんです」
《1番負担が軽そうなのを聞いても良いかな》
「お夕飯の後に、お話し合いをしたいって、言おうかと」
《構えちゃいそうだから、お花見がしたいです。とかはどうだろう》
「はい!」
お夕飯は手作りピザ。
蜜仍君の気晴らしと、ラウラ増量計画の為。
デザートは生クリームたっぷりのチョコレートパフェ、野菜は野菜ジュースで補給。
《折角の窯なんだから、使わないとねぇ》
「私、生地を沢山作っておきます」
《それよりパンを作ってみたら?》
「はっ、そうします」
皆、気を紛らわす為にも、何かしたいんだよね。
ラウラだって、何かしたいだろうに。
「桜木さんも、本当なら」
《今は体調が悪いって事にしておこう、悲しんでなさそうなのが悪い事だって、思われたく無いでしょ?》
「はい」
食べて寝て、寝ては食って。
《あ、ピザ食べれそう?》
「クッソ美味そうやんけ」
多分、全種類有るって感じ。
アンチョビオリーブ、バジルシーフード、マルガリータ、ペパロニ等々。
タバスコさん、美味しいやんけ。
《前は掛けなかったのに》
「今のウチと思って食ったら、イケた」
《じゃあビールも挑戦しないとね》
イケたのは3口だけ。
「残念」
《まだまだだねぇ》
薄いから、凄い枚数を食べた気がする。
「わんこピザ」
「桜木様のわんこそば見たいなぁ」
「マジでやるなら紫苑の方だな、胃の容量違うだろうし」
《内臓の位置も違うしね》
「あの、桜木様。少し僕と、お花見してくれませんか?」
「おう」
こうなると、赤い色も何か植えようかと思ってしまう。
赤い彼岸花、赤でも好きな花、長みたいな花。
「僕と、長を、切り離して考えてもらえる日は、来そうですか?」
「もう既に多少は切り離されてるが、君が心配」
「知ってたから、僕はそんなに、悲しく無いのは、ダメでしょうか」
「同じ事で悩んでたのね。誰かに何か言われた?」
「いえ。でも、何十年でも悲しめる人が居るのに、僕は冷たいのかなって、冷たいと嫌われないかなって」
「そうか、ワシも、冷たいって思われたく無い。けど冷たいとは思わない」
「薄情とか、冷静過ぎるとか」
「ワシそう見えてる?」
「寧ろ逆です。怒ってるかな、悲しんでるかな、いつ大丈夫になるかなって思ってます」
「普通に見えない?」
「全然、そう見えません」
「マジで悲しくは無い、マジで」
《寧ろ、切ない、じゃな》
『そうですね。満足してくれたか、長を思って赤い彼岸花を植えようかと、そう思う位に』
「本当に長を許してくれてるんですか?」
「許すも何も、ワシで、あんなんで良かったのかしらと言う感じ」
「まだ好きでいてくれてるんですね、長も、僕も」
「嫌う理由が無い」
「好きです」
「知ってる」
「大好きです」
「おう。良く言われる」
「ですよね、ふふふ」
「長の名に因んでの、赤い彼岸花なのだが」
「鉢植えでお願いしますね、少し寒さに弱いので」
「そっか、物知りやね」
「はい。好きです」
「皆すき」
「もー」
「睦言限定なの」
「待ちますからその分は沢山言って下さいね?」
「そうなったらね」
「もー」
何に悩んでいるのか、何で不安だったのか。
それが分かってかなり楽になった。
後は、許されるかどうかの不安だけ。
蜜仍君を寝かし付け、先生へ。
紫苑でルーネはどうかと、身体のバランスの前に心だと。
「殺しちゃうかもよ?」
《生き返らせる事は可能でしょうし、程々でお願いしますね》
「新しいお仕事の可能性の扉が」
《閉じたままでお願いします》
「ですよね」
そして紫苑になり、デンマークのルーネの元へ。
『わぁ、シオンがオヤツだ』
「エロいのか可愛いのか分からん表現だな」
向こうは22時過ぎ、デンマークは15時過ぎ、待ち合わせ場所近くのホテルへ。
同性同士でも対応は普通、そして部屋も普通。
『気に入らない?』
「いや、無駄遣いをしないのが偉い」
『嫌な事が有った?変な感じだよ?』
「ハナの、相手が亡くなった、天寿を全うした」
『シオンも知ってる人?』
「うん、凄く、お世話に、なった」
『辛いね、沢山泣いて良いからね』
第三者の気持ちになって、やっと、泣けた気がする。
凄く、ショックだった。




