5月25日 脳味噌トロトロリン。
泣いたのも有るけど、怠い、頭痛い。
怠い。
「おはようご、もう少し寝ますか?」
「頭痛い、怠い」
「一応、バイタルチェックしますね」
低値。
メンタルよわよわ。
「メンタルの弱さ」
「一般的にも正常な反応だと思いますよ。お薬、飲んでみますか?」
「のむ」
久し振りのおくしゅり。
「弱い筋弛緩剤入りだそうなので、ボーッとするかもだそうです」
「おぉ、初めてかもかも」
本当に、頭がボーッとする。
そして空きっ腹だったので凄い空腹感。
《今回は特例ね、本当は食事が先》
「おう」
味覚と嗅覚の変化キタコレ。
今回ヒットしたのはアスパラとタラの芽の天ぷらと、うどん。
前もか、晶君、子供居なかったら殴ってやろうかしら。
《ん?》
「晶君に子供が居なかったら殴ろうと思う」
《怪我しない程度でお願いね》
「なおすもの」
「お裾分けの長芋、少し食べますか?」
「うん」
シャリシャリ。
大國さんにシャリシャリし忘れたな。
いかん、思考が第3に引き戻されてる。
「桜木さん、残しても」
「脳味噌が第3に逆戻りしてる」
《あの時と似た感じ?》
「うん、痛み無しバージョンって感じ」
《考えたく無い?》
「せいちゃんまで呼んでしまったら、しぬ」
《ワンコは良いの?》
「こうなると、1発ヤっとくべきだったのかとも思う」
《余計執着しそうだけどなぁ》
「あぁ、じゃあ正解か」
《かもね》
「思考垂れ流してる」
《うん、良いんだよ》
「長芋は美味しい」
「お礼は渡してありますよ、マティアスさんのお菓子です」
《マドレーヌ、ハイカロリーだよー?》
「たべる」
桜木さんは熱を出した子供みたいで、凄く可愛い。
可哀想な筈なのに、可愛い。
《今日はレモンセットで競うんだ》
「がんばれ」
「なのでミーシャさんの起きる時間を早める事になりましたよ」
「大丈夫かね」
「鍵を使って少しずつですよ」
「そっか」
《可愛いねぇ》
「今は頭嫌、腰」
《重い?痛い?》
「重い、けど、コレ長引きそう」
《ほら、お薬これだけ有るから大丈夫》
「色がヤバいよな」
「子供が間違って飲まない様にですよ」
「黄色と黒て」
「赤と黒もありますよ」
「お薬大図鑑」
「有りますよ、読みます?」
「よむ」
こうやって、向こうでは1人で過ごしてたんですよね。
《ココのシロップは良いの?》
「寧ろメープルシロップだな」
「蒸しパンかホットケーキですかね」
「蒸しパン、クルミ、入れるか悩むな」
《両方作れば良いじゃない》
「手伝いましょうか?」
《大丈夫、直ぐだから》
これはお互いへの社交辞令、桜木さんの隣を譲ってくれた。
「ショナは何パンが好きか」
「チーズ蒸しケーキか、薄皮ピーナッツクリームですね」
「ふわふわ系」
「焼きそばパン」
「炭水化物の鬼」
「カレーパン」
「あぁ、ハイカロリーの神様やな、良いかもね」
「カレー焼きそばパン」
「カレー焼きそばパンをぶつける」
「カレーはカレーだけですか」
「うん、カレーパン、カレーうどん、カレー……」
「ピラフ」
「ギリ」
「カレーパスタ」
「アウト。もふもふ、あれ、コンちゃん達は?」
「朦朧とするだろうからと、北海道なんですけど」
「そっか、皆一緒なのね」
「はい、エナさんも白雨さんも北海道ですよ」
「北海道人気やね」
「ですね、亜人化しましょうか?」
「ちょっと」
ショナ君のもふもふ。
ノエルが見本なのかノエルそっくりのもふもふ、自覚有るのかな。
《寝ちゃった?》
「ですね」
《それ、ノエルの?》
「やっぱり、そう見えますかね?」
《そう見ちゃってるからね、ハナは?》
「指摘された事は無いんですけど、ウケが悪くて」
《あ、あの時は自制心、節操無く溺愛しちゃうからって》
「感情も観れるんですか?」
《アレ?付帯して、無いのか、ごめん》
「いえ、最初に僕が」
《違う違う、好きだからだよ、もう好きだったから。プレッシャーとか影響を考えて、だから付帯させられないでしょ?》
「まだ、どうして不安になっちゃうんでしょうか」
《限りが無いからね、好きも好きになって欲しいのも、限りが無いのと、こう、多次元的だからだよ》
「成程、そうなんですね」
《可愛いねぇ、よしよし》
ショナ君は意外にも嫌がら無かった。
コレは、お爺ちゃん扱いかな、まぁ良いや。
凄く失礼かも知れないけれど、マティアスさんから祖父感が凄くて、つい受け身ガチになってしまう。
そうして桜木さんの横で仕事を続けていると、蒸しパンが出来あがった。
暫くすると桜木さんが起き、良い匂いのする方へ。
メープル蒸しパンと、デカフェの紅茶。
「うまい、どっちも」
《でも黒糖クルミに負けてない?》
「コレは殿堂入りだから」
《なるほど?》
暫くボーッと黒糖クルミを食べていたのに、急に寝室へ。
マティアスさんが尋ねに行くと、レーヴィさんが居ないのが不思議だと、悲しくなってしまったらしい。
「揺り戻し、で良いんでしょうか」
《それか余波かなぁ、あの時には反応無かったし》
「そのままにしときますか?」
《だね、構い過ぎると疲れちゃうだろうし》
ココの人数を減らす案も、薬を使う案もマティアスさん。
桜木さんが言う様に、もしマティアスさんに裏切られたら、殺したくなってしまうなと思った。
もしそうなったら、どう死んで貰おう。
この魔道具、殺気は感じ取れる様になってるんだね。
私、何か。
アレかな、裏切られた殺したくなるってラウラのかな。
うんうん、そう言う警戒心かぁ、可愛いねぇ。
ちょっと落ち着いたので、リビングへ。
2人共に普通にお仕事中、悩むな、どっちに行くか。
日光浴しながら仕事をしているショナの勝ち。
もふもふ、もふもふしながらタブレット、もふもふ。
漫画読む気力無し、ゲームへ切り替え。
農園ゲームが勝手に入ってる、エナさんかコレ。
昼食は皆さんと。
桜木さんは無限に食える、とサンドイッチを爆食。
トマトクリームスープのお代わりも何度か続き、結局は皆さんでココに居る事に。
「あの、何か不具合が?」
《複数の目が無いと手を出しそうだなって》
「読みました?」
《君もなの?》
「あの可愛い感じ、初めてなので」
《私も、ラウラもシオンも元気な時が殆どだったから》
「アレが、素なんですかね?」
《半分そうかなって感じだね》
皆さんがお昼寝中、起床。
桜木様が無事か確認し、日報のチェック。
体調が良く無いらしい。
それとマティアスから蒸しパンとレモンセットへの挑戦状が、受けて立ちますよ。
また甘い匂い。
隣にはもふもふ蜜仍君、今日は何もしてないな、なんかしないと。
「マティアス、何がしたい?」
《イチャイチャしたい》
「それ以外」
《ユラ君とまだ会ってないから、ユラ君かな》
イスタンブールの浮島へ行き、マティアスとユラ君を対面させる。
良い子良い子して、もう、親子やん。
「親子」
《えっ》
「対応の仕方よ」
《えー》
「マティアスはお父さんかお母さんか」
《やっぱりお母さんかなぁ?》
そしてショナ曰く、祖父母みが凄いんだと。
ショナを亜人化させマティアスの目の前に行かせると、ショナをも良い子良い子してんの、マジで祖父母みが凄いな。
桜木さんが僕とマティアスさんを拝んだ、どう拝まれたのかは分からないけれど、拝んだ。
「祖父母様」
《えー》
「そっちなんですね」
今回やっと、お昼寝中に趣味趣向を観たけれど。
「なに」
「いえ」
そう見てるから拝んだのかは不明、と言うかコレは、言い出し難い。
ユラ狼君にペロペロされてしまうので、今日はこれまで。
遠野の一軒家へ帰ると、ミーシャが檸檬セットを作り終えていた。
「どや」
「凄い、良い子良い子」
同性の接触、主にハグ等を解禁、ミーシャだけ特別扱いになってしまう対策にと思ったのだけれど。
同性になってまで接触してくるとは思わないじゃない。
《だって、見慣れて貰うついでに良いかなって》
「はいはい、可愛い可愛い」
《私だけ雑じゃない?》
「前からじゃない?」
《たしかに》
「もう、皆女でスーちゃん呼んでみようか」
ココで適当にものを言うと、ちょっと凄い事になり易いんだった。
いつの間にか量産された性転換の魔道具と共に、スーちゃんが泉から出て来た。
そうして全員に装着させると、スーちゃんが拝んだ。
ボーっとしてると、こうなるか。
ハナが転移して暫くは天国だって誤解した事を、本当に実感出来た。
「しゅごぃ、天国ぅ」
「おぉ、そうか」
「やっぱりハナって両性だけど、男の子の方が良い感じ?」
「子と言うか、まぁ、みたい。何か、面倒そうって感想が先にくる」
「それ、話してくれな?」
「特には。男の子の方がシンプルじゃん、ゲーム好きなだけとか。何が好きとか、どれが好みだって話でも相手を批判とか否定しないし。好きなミュージシャンを顔で判断しないし、恋人出来ても豹変しないし。容姿の批評とかも、聞けば言ってくれるけど何も言わないでくれるし。気を遣わないで良いじゃん」
「気を遣っちゃう?」
「そも話題とか興味が合わないのが多くて、化粧は化粧品の匂いがダメだったり、肌荒れしたり。ヘアスタイルだって、剛毛だから凄い時間が掛かっても直ぐに落ちてくるし。服も、おファットさんで胸が有るのに背が小さいから、パツパツか不格好になるし。費用対効果的に興味がね、漫画とゲームと映画に金と時間掛けてたんだけど、それを今度は現実逃避だって言われるし、不毛だなって」
「それ、趣味の否定よね」
「大概は否定してるつもり無いし、便乗して楽しんどいて文句言うとかが多いよね」
「何か、分かるかも」
「痩せればもっと可愛くなるとかって、そも瘦せても可愛く無かったら、それでも愛され無かったら、じゃあてめぇで折れた心の責任が取れるのかと。仮に痩せれば愛されるなら、じゃあ何処まで痩せろと?お前が好む体形か?ってなると、月経が無くなって不妊で大変な事になるレベルを要求するのとか見聞きしてさ。いや、月経が無くなるのは良いんだが、それで子供が出来ないから捨てられる流れって何よって。じゃあ、一時的な遊び道具じゃんって、言ったら発狂されるよなって」
「言わなかったのね」
「誰にもね、姉にも、養って貰ってた感じだし、発狂されて縁切られてもね。お祖母ちゃんが一緒に見舞いに行くと喜ぶし」
「お姉さん、そんなに?」
「一時期ね。そんなに太った事が無いからなぁ、痩せるなんて直ぐじゃん、ちょっと頑張れば大丈夫。そう善意の体裁でくんの、向こうはマジで線とか骨格が細いし、背も有って、胸無い。それと比べるかよと、凄く違う個体なのに」
「良く言うと、同じ個体として見ててくれたって事にもなるけど」
「お母さん似、父似と分かれてたのは自覚してたし、言ってたし。どれも愛想が良いから、良いお父さんで羨ましいとか、お母さん優しそうとか、何言っても思い違い、我儘だよとかで済まされちゃうし。でも男の子とはそんな話にならないで、ゲームとか漫画とかで時間が終わるだけで、でも女の子が入ると直ぐに恋愛だ好きな人だ、好みは何だとかで。趣味じゃなくて私生活に入ってくる、するとワシ何も言えない」
「言えば否定されるし、言わないと話さないってなるし」
「同じ様な人間見付けても、暴行とか、殴られてないだけマシとか強烈で、もう何も言えないよね」
「比べる話じゃないのにね」
「マシ、って言葉の使いどころよな。自分で言うのは良いけど、他人が言うなよって言葉が多いよね」
「それ、リズちゃんから聞いたけど、向こうだとネットに文章が氾濫してて、言葉の真意を良く分からないで使う人が増えてたって。でも大丈夫、免許制になったし、あ、ココって批評家も評論家も論客もコメンテーターも居ないのよ、専門家とか、有識者とか正式な学位を持って精神鑑定も定期的に受けてる人だけが公に名乗って意見を言えるの。批判や評論じゃ無くて、個人の感想か、専門家としての意見かって、しかも誰かを傷付ける言葉の使い方には厳しいのよ。でも」
「見れない」
「なのよねぇ」
「住んでたのが底辺だったから、そんな人間しか居ないんだろう」
「それはただの批判。助言皆無は論外」
「もう少し痩せたら、可愛くなるのに」
「それBMI値35以下に言ったら減弱者何ですってね、しかもそれ具体的な助言じゃ無いし。そもそも可愛くなりたかったの?」
「いや、愛されたかっただけで、可愛いのを愛して欲しいワケでは無い」
「カッコイイとかは?」
「別に。そうだな、外見の評価は批判され無ければ良い感じで、綺麗は受け入れられないな、全く無いと思ってるから」
「えー、頼みたい事が有ったのにぃ」
「不穏」
「大丈夫よ、強欲さんの絵画の件よ」
「あぁ、モデルせんとな」
「集まって貰って、個別で描いて、また集まってって感じらしいの」
「あぁ、おう」
「良い?」
「おう」
「ふふ、お洋服の相談もしないとね」
「あぁ、そうか」
「お薬、どう?」
「ほわーっとする」
「お夕飯は何食べたい?」
「好物なら何でも」
「ミートソース作ったんだけど、食べてみない?」
「粉チーズたっぷり掛けて良い?」
「勿論よ」
ハナは焼きそばには青のりを、トマトソース系には粉チーズを容赦無く掛ける。
コレにもイチイチ掛け過ぎだとか本来の味がって、言われたって。
そう味を変えるワケでも無いし、好きに食べる権利は有るんだし、それすら嫌なら食べる所すら見なければ良いのにね。
「今日は、何か、思考を垂れ流してごめん」
「良いのよ、でも間違いは正すんだからね」
「うん、ありがとう」
「うん、じゃあね」
残されたのは女体の群れ。
直ぐに変身は解いて貰ったが、皆、細過ぎって煩いねんな。
「向こうじゃソレでも太いねんで」
本気でゾッとして、主にマティアスの質問攻めが始まった。
《生理は?》
「酷いのは毎月有るフリ」
「えぇ」
凄い、ショナが引いた。
《じゃあじゃあ、不妊の原因って》
「主に原因不明、ネットで自分から調べて、痩せ過ぎが原因の場合も有るって、他の文字と同じサイズ表記」
「もう、マッチポンプじゃ無いですか」
「お姉ちゃんがどツボにハマってた、ダイエットしまくって、美容ガッツりで金の為にキャバクラで働いて、またダイエットしてお洒落して、不妊。太っちゃったかもー、が挨拶、そうだねって言うともう、様々な反応をしおる」
《周りは?》
「そこまで仲良く無かったし、最近無いなーとかザラ、危機感は0。ラブホは行っても産婦人科はビビる」
《私、前のは観て無いんだけど、どうして病院に行ったの?》
「カルテに無い?」
《え?》
「先生に聞いてきな、余りに痛くて恥ずかしいとかそんなん皆無よ。もう、助けてくれって感じ」
「あの痛みは本当に、そんな感じですよね」
「お子が出来るまで、毎月ぞ」
《カルテも良いの?》
「負担多いだろうから、手伝ってくれん?」
《分かった、聞いてみるね》
マティアスが泉に飛び込んだ。
傍から見ればヤバい人達よな。
「こんな話、楽しく無いでしょう」
「常識の共有に楽しいも何も無いのでは?」
「こう、まともな時にだな」
「そう気を張らないでも大丈夫ですからね?」
「ぅうん」
《ただいまー、凄い量だねカルテ》
「でしょうねぇ」
桜木さんは夜になると体調が良くなったらしい、ゲームをして中々寝ない。
「寝れませんか?」
「だねぇ、夜は体調良いイメージだから、それのせいかな」
「実際に夜型も昼型も居るそうですよ」
「ご公務に差し障るんよなぁ」
「問題が有れば僕も桜木さんになりますし」
「良い事を思い付いた」
「え」




