表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
63/377

5月23日 甘々と。

 白雨に起こされ、遠野の一軒家へ。

 そのまま省庁へ行くと、ショナが居た。


 公務。

 富士の総合火力演習の見学。


「がんばる」

「おう、がんばれよ」


 今日はリズちゃんとご公務。

 前のも良かったけど、クッソ楽しい。




 桜木の灯台効果はマジで弱まったらしい。

 今回の犠牲者は0、でもファンの増減は相変わらず。


 こう、マジで効果を実感すると、コレで正解なんだなと思える。

 苦行の果てだったとしても、だからこそ、か。




 帰って来てから、ラウラの状態が急激に変化した。

 過眠、食欲の減退、もう少ししたら匂いと味覚の変化が起こるかも知れない。

 そうなれば、今夜から新月と満月に毎回不安になる事に。

 でも、私が不安定なのは良くない。


 それこそ、ココは兄として頑張らないと。


「桜木さん、風邪とかじゃ無いんですよね?」

《熱が出て無いし、ストレス性の過眠でも無いみたい》


「そうなんですね」

《少し、残念?》


「あ、いえ」

《嘘だよぉ、冗談。寧ろ全然、ホッとして無いけど、どうしたの?何が心配?》


「体調の事もなんですが。親が、結納はいつだって」

《わぉ、そんな事に?》


「はい。前に、仮定の話をした時に、お付き合いは結婚だって考えの人だと、言ってしまって」

《良いじゃない、予定はいつ?》


「緊張する方なら、食事会をいつでもと。その後に、渡せば良いだろうと」

《必死だねぇ》

《ウブじゃからの》

『兄に、従者童貞のまま死ぬのかと心配されていたんだ、仕方無いさ』


「そん、そんな事を?」

『庭の木にな、お前の家のモノは全員、言えぬ事は皆が木に言うのだよ』

《もう、つい表に出そうになってしまうんじゃよなぁ、くふふふ》

《良い習慣だね、ふふふ》


「こうなると恥ずかしいと言うか、何と言うか」

《良い事だけなら最高に良いと思うけどなぁ》

『あぁ』

《じゃの!》


 ふとラウラの方を見ると、ココのマーリンが来ていた。

 そのまま障子を閉め、私はショナ君と出版物のご相談。




 桜木さんが起きて来たのはお夕飯の時間を過ぎた頃、空腹を訴えていたのに食事が直ぐに止まってしまった。

 そうして何種類か出し、一気に3人前を押し込み、中庭へ。


 そして歯磨きをして、また寝てしまった。


 昨日からの異変だそうで、月経周期の復活ではと。


《家族の事、ちゃんと話し合わないとね》

「ですね」


 結納の事が一気に現実味を帯びて来た。

 でも、桜木さんにはじっくり考えて欲しい、誰に何を言われても。




 次にラウラが起きたのは、皆が寝静まった頃。


「マティアス、コレ来る感じよな。想定より早いんだが」

《ミーシャなら、喜ぶべき事だって言うんじゃ無い?》


「不謹慎だが、妊娠の可能性が無いから、致せてた面も有るのよ」

《だから、シオンが切っ掛けだったのかもね》


「そんな」

《だって、ラウラは何でも出来るから》


 それすらもう否定したいのに、それを否定すればラウラの存在意義が揺らぐかも知れない、何かの可能性を閉じる事になるかも知れない。

 それをラウラは望まない、だから。


「自分だけ幸せになるのが許せない、長と話し合おうと思う」

《それが、家族と向き合う事になっても?》


「だから、だって大家族の長ぞ?もう、コテンパンに言い負かしてくれないと、ワシ、ビビりだし」

《他は?》


「何か濁してたじゃん。言い難い事が有るのかなって、モヤモヤしてるのに、つい、今日まで流されて」

《エンキ神じゃダメなの?》


「神様過ぎるねん、正論過ぎると拗ねちゃうから後回しにさせて貰う。他の神様も、ロキは甘やかし担当だし、エイル先生もだし。マティアスは最後な、説得される未来しか浮かばんから」


《石橋に叩かれてから渡るのね》

「ですな、流石天才」


《もっと頭が良かったら、もっと助言出来てたら》

「どした?何か嫌な事が、どれだ?」


《自分が嫌、もっと頭を良くって願えば良かった、もっと欲張れば良かった》

「マティアスで解決出来無い問題が?」


《私の、我儘。もっと先を見て、助言出来てたらって》

「せいちゃんの事?アレは無理よ、どう言われてもワシが鵜呑みに出来てたかが疑問だし、スズランの君も、ロキの事も、知らないから進んだ感じも有るし」


《ごめんね》

「今日はまだ大丈夫だぞ?浮島に行くか?」


《ううん、ありがとう、少し整理したいんだ》


「寝かし付けてやろうか?」


《うん》

「よし、紫苑化、出来るな」


 寝逃げなんて、本当に最悪だ。




 どうしても話し合いたくて、ミーシャに里に行くとだけ伝えた。

 そして炭焼き小屋には長だけ。


《待ってたよ》

「おう、話し合おうか」


《おう》

「花子におっぱい当ててどうすんの」


《だからかも、どっちでもいけるだろ》

「なんだ、もう定員ギリギリだぞ」


《ふふふ、口説き落とせれば良いのだろう?》

「話し合いからな」


《したら話し合う》

「話し合いからだ」


《頑固》

「知ってる」




 一夜限り、ただそれだけ。

 それだけで充分、寧ろそれが最大級でも有る。


《それで、話し合いとは何だい》

「家族を持つ恐怖を叱咤とかして欲しい」


《マゾ》

「そうじゃ無いわい」


《家族なんて凄く大変だよ、しかも大きくなればなる程。家族、村、町、街になり、果ては国。ただ、国を守り管理するよりは、楽では有るね》

「規模」


《そんなモノだよ。子供3人に1人だけなら辛いだろう、でも3人で3人なら、5人に8人なら》

「共同作業には適正な人数が」


《なら区分けをしたら良い》


「ぐぬぬ」

《それに、見本は多い方が良い、良い見本が多いに越した事は無いだろう。それとも見本に足る者は、居ないのかい?》


「余り有る、有り余ってる」

《それは有効活用していないからだ、適材適所、船頭は船へ、木こりは山へ》


「自分を」

《お前は見守るだけで充分なんだよ、足りないと思えば尋ね、手を出せば良い。召喚者の役割と同じだ、何でも直ぐに手を出しては、この世界の成長の妨げになる。気になるなら、こうして聞けば良い、だから聞きに来たのだろう?》


「どうしたら幸せになれる?長が」


《ただ、一夜限りで良い、どうか愛して欲しい》

「後は?」


《だけだ。もう既に、他の願いは叶えられてしまったからね》

「里じゃ無くて、長の」


《名が無いんだ、名が欲しい》


「んー、朱華(しゅか)朱珠(しゅしゅ)ちゃん」

《ふふ、大國のか》


「あ、すまん、似てるのは他意は無いんだが」

《いや、朱華(しゅか)が良い》


朱華(しゅか)、本当に良いの?」

《あぁ、どっちの意味でもだ》


「どっちが良い?」

《そうさな、あの魔道具で、紫苑とが良い》


「ど変態」

《お前が言うかね》


「おう、もう変態で結構です」

《そう男らしいのも好きだよ》


「本当に良いの?」

《お前はただ愛してくれたら良い》

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ