5月18日 リズちゃんの誕生日
浮島から帰り、蜜仍君達と朝ご飯。
エナさん達は旅行無し、蜜仍君が帰って来たら、リズちゃんのお誕生日会をするんだと。
『ココで、夜には帰るからケーキだけで良いって』
「そう先手を取れば良いのか」
「負の学習をしないで貰えませんか?」
ショナを無視し、先ずはケーキの買い付けへ。
そして道具屋でウェディングケーキの土台を買って来て貰い、飾り付け、そして収納。
「何か無い?」
「工芸茶のサンプルの準備が出来たそうです」
『俺が行ってくる、仕事はしたい』
白雨を紫禁城へ送り届け、後はもう、何だ。
「スノードーム作ってませんよね?」
「あ」
水族館で買ったスノードーム作りへ、アホみたいにチンアナゴ達を並べて、ジンベエザメを浮かせて完成。
「不意に、面白い方へ舵を切りますよね」
「今回はもう、コレしか思い浮かばんかったのよ」
お昼はお饂飩、エナさんはツルツルにハマったらしい。
『理由を言って良い?』
「不穏だから聞かない」
そしてお昼寝へ。
起きてからは誕生日会の準備。
白雨さんも帰って来たので、工芸茶とケーキと。
僕らからはお返しが大変だから要らない、と配慮して頂き、今日はもてなす係。
先ずは桜木さんが迎えに行き、シャンパン風のジュースを開封する所から。
そしてケーキ、リズさんも鈴木さんも大笑いしてくれた。
そして蝋燭を吹き消し、プレゼントを渡す事に。
リズさんが好きな色合いの、蛍光硝子のピアス。
指輪やブレスレットも考えていたけれど、サイズが合わなくなるし、大人になってからでも使えるかなと、今回はピアスに。
それと似た色合いの花束も。
「すまん、コレ位しか」
「いや、俺らはズルっこしてるからお前の好みを知れたんだし。寧ろ、全然、コレで嬉しいぞ」
「そうよね、可愛いって言うか、うん、今でも良い感じだもの」
「だよな、ほれ、付けてくれよ」
「本当に?」
「ふふ、ほらほら」
桜木さんがリズさんの耳に穴を開け、ピアスを付けた。
「何だよ、痛くしてくれても良かったんだぞ?」
「強がりなのかツンデレか分からんよな?」
「本人なりのツンデレらしいわよ」
「おう」
「おうて」
「ふふ、次は私も、コレが良いなぁ」
まだまだココの事を知らないからこそ、普通で良い、普通が良いんだそう。
「でも、こう、サプライズしたいのに」
「それだと、好きになっちゃうわよ?」
「あぁ、そりゃ不味いなぁ」
「ふまんやわー、不満ー」
「ふふ、どうしてもって言うなら受け取るけど?」
「おー、優しいなぁスーちゃんは」
「でしょ。所で、ゲームまだ有るのに、まだして無いの?」
「もう仕事の」
「半ばプライベートだし良いだろ」
「半ばかよ」
「だってハナを真に納得させられてない気がするんだもの」
「だな」
『それはそう!』
エナさんの力説では、桜木さんが納得出来る作品こそが、桜木さんの悩みを解決する糸口になるのではと。
何処でどう人間は納得するのか、まだまだ未解明な部分が多い。
そしてもっと、桜木さんを知りたいんだと。
「なんで」
『すきだから』
桜木さんが赤面するかもと思ったのに、非常に困った顔をした。
観上さんや井縫さん、そしてマティアスさんの事が、まだ引っ掛っているからだろうか。
「それ、困ったままなのよ。今度、話し合おう」
『いや、受け入れてくれる話以外は嫌』
「神様って、こう我儘なの?」
「いやぁ、俺のイメージと違うんだよなぁ」
そしてエンキ神の話から、再びゲームの話へ。
「戻るぅ」
「お前がそう呑み込まないからだろ」
「まぁ、呑み込み易くするお手伝いよね」
『ネイハムや皆で色々と考えたんだからね』
「ほう?例えば?」
ボツ案に、僕を景品にする案が有ったらしい。
そして競い合わせる当て馬には雨宮さんや、色欲さんの店に来る人達だったそうで。
ギリギリまで検討したが、どう想定しても他の女性に譲ってしまうのではと。
それが例え男性でも。
『譲らなかったって言える?』
「言えましぇん」
「なんなら、救った上で、譲りそうだよなってな」
「ね」
「へぃ」
「もう、責めてるんじゃ無いんだからね?」
『私達も結構頑張ったって言いたい』
「だな」
「ありがとうございます。ケーキぶつけて良い?」
「だが断る」
他にも雨宮さんを目の前にし、フラせたりだとか。
だからこそ雨宮さんは怒っていたらしい、あの対応だと裏では承諾して、桜木さんには断ったと言えるからだと。
「あぁ、そこもそう、検討すべきでした」
「まぁ、ショナ君の良い所でも有るからね」
「だけどなぁ、ショナ君のせいで難しかった面も有るんだよなぁ」
「いやぁ、ワシが8割じゃろう」
『そうでも無い』
本当に半々。
僕が気の有る素振りを一切しなかったからこそ、良い面と悪い面が半々だそうで。
「結局はエルヒムかぁ」
『うん』
その結論になってしまうんだそう。
そして、早々に解散へ。
「同級生も集まるんでな」
「私は暫く浮島」
「そっか、何か仕事関係の話ばっかだったなぁ」
「まだまだ忙しいんだ、ゆっくりやってこうぜ」
「そうよ、まだまだ先は長いもの」
「おう、じゃあね」
リズちゃんの誕生日会がアッサリと終わってしまった。
皆にも生活は有るし、自分が特異な状況なのは分かるんだけれど。
「桜木さん、何かしたい事は有りますか?」
「仕事」
それ以外とショナに怒られ、個人用のスマホのカスタムへ。
紫苑用と楠用と自分用、多次元者の曲を全てにダウンロード。
楠用は簡素に、壁紙やアイコンをシンプルなモノに変える程度。
紫苑用も壁紙やアイコンを変え、ストラップやケースは追々で。
問題はワシ用よ、意外とそんなにゴテゴテしないのよ。
「遠慮しては?」
「ませんよ」
着信音も変えないし、何ならマナーモードだし。
昔は変えたけど、今は音楽と感情が重なるのが嫌だし。
「ケース位はカスタムしませんか?」
こう、良い感じだと思うのが無い。
「休憩」
少し早いが料理。
麺類を茹でるだけ。
そうだ、1人じゃ無いからか。
1人なんだと思い、思考。
やっぱ、漫画だよなぁ。
饂飩を茹で終え、水で絞めてから漫画選び。
亜人化した蜜仍君も参戦し、流行も試し読みへ。
そしてリズちゃんのオススメも試し読み、うん、ココの感性にはまだ慣れないな。
【リズちゃん、もっとオススメ無い?】
「お前、もう全部読んだのかよ」
【いや、試し読みして積んである、ココの感性合わん】
「つかお前の出せよ」
【えー】
「候補は、今、送ったぞ。サッサと選べ」
【ふぇい】
桜木から、時間が出来たら連絡をくれと。
何かと思えば漫画。
アングラどマイナー作品好きだから感性が合わないのは分かる、明るくて分かり易いメジャーでエンタメ性が高い作品が売れるから、どこでもそれが蔓延する。
規制はそれ程は無いのにな、こう、足並みが揃うのは良くないんだけどなぁ。
もう、半ば自棄。
絵柄だけで選んじゃうんだからな、原作を改変したくば終わってから、アフターかアナザーでやれ。
でもディスコミは例外、これが問題よ。
もう、同人界隈から選ぶに限るよな。
コミコンか、イベント行きたいなぁ。
桜木さんがイベントに行きたい、と。
コミコンやコミケ、デザフェスへ。
基本的にはどれも土日、そして公務も基本的には土日を予定している。
「大変、心苦しいんですが」
「だよな、人が多い所だし」
「平日のイベントなら」
「収まったら、よね。私欲が絡むのよな、雑念よね」
全てはまだ、これから。
真に桜木さんの自由になれるまでは、まだ時間が掛かってしまう。
不満は有るが、仕方無い。
そして今日は覚悟を決め、ロキにお願いする事に。




