5月8日 実験とエミールの公休日とカレー。【マイルドな方がマイルドよね】
生々し過ぎる表現を避ける感じ
桜木花子の入眠から約3時間後、突然変化が起きた。
同種との相性が良いと言うか、悪いと言うべきか。
不意に匂いを感じ、同種である筈の彼までもを引き寄せた。
そして香りが変化すると、本格的に私まで巻き込まれそうに。
私と彼の心拍計が正常に作動し、桜木花子に触れる前に止めに入って頂けたから良いモノを。
神々の助言に従い、竜人の系譜の方に居て頂いて本当に良かった。
そしてどうやら桜木花子からの香りでは無く、同衾者からの作用だったらしい。
相乗効果で互いのフェロモンを引き出し合ってしまったらしく、しかも同種を引き寄せるのは流石に珍しい事なんだそう。
『“すみません、こんな感じなんですね”』
《強烈でらっしゃいますね》
桜木花子はまだ眠っているので、私達は護衛の方々と共にベランダへ。
フェロモンは精神に容易く左右されるのか、止められて直ぐに重く甘く、強い匂いは収まった。
コレは、桜木花子に言うべきなのか、そして聞くべきなんだろうか。
眠っていても尚、効果はどうなっていたのかも。
ちょっとエロい夢を見そうになり、慌てて起きると誰も居ない。
そして部屋から出ると、護衛の方がテラスを指差している。
黄昏れる先生とワシの同種さん。
何だこの、何かやっちゃいました感は。
「先生、大丈夫か?」
《私より、寧ろ彼ですね》
『“体験、してしまいました”』
「“あぁ、コチラは無自覚なんですが、申し訳無い”」
発露しても、同種から中てられた事は無いそうで。
こうも強い情動が動くのかと、怖くなったらしい。
《君は、大丈夫そうですね》
うん、無自覚。
そして次の実験へ。
どう出るのかの実験へ。
ココでまさかのコンタクトが有用となり、同種さんに付けて貰う事に。
接触は無し、ワシは余所見して無我の境地へ。
彼から発露し、桜木花子からもフェロモンを引き出すが、桜木花子には効かず。
次に桜木花子が彼を直視、桜木花子からの発露は無いまま、彼からフェロモンを引き出させた。
どちらも桜木花子は無自覚。
そして私は、巻き添えに耐えられず休憩へ。
「大丈夫か?」
《近寄られると、ちょっと厳しいかと》
「あぁ、すまん、寝た方が良いんじゃ?」
《それもそれで》
「それか、紫苑で抑えるか?」
《もう少し、様子見させて下さい》
「あぁ、ごめん、ほっとくわ」
早く、祥那君とどうにかなって欲しい。
先生を放っといて、同種さんのフォローへ。
マジで他国で新種が出たと思ってるらしく、召喚者扱いじゃなく、寧ろ可哀想な同種扱い。
『大変だったでしょう』
「いえ、同種が居なかったので大丈夫だったのと、最近なので別に」
『成熟して発露するタイプなのかも知れませんね。ココでは成熟前に、早めに庇護を得る為に、発露するので』
「好きな人だけに効けば良いのにね」
『本来は有効距離が有るので、近付かなければ良いだけなんですけど。君のはもしかしたら、軽くて、広がるかも』
「あぁ、引き出しちゃうならココには長く滞在出来無いか」
『それでも難しいとは思いますが、もう少しだけ、滞在して頂けないですか?我々同種へ、体験させて頂きたいんですが』
「なぜ」
『我々は味わえないんです、良くも悪くも知らないまま、この凶器を使って、使い続けてるんです。中には他愛無い喧嘩から、相手の恋人を奪うなんて事が未だに有って、ココでの事件の殆どは、その絡みなんです』
「あら、でもだからって」
『この凶器を味わえば、相手がどうなるか、どれだけ危ないかが分かる。そうすれば、少しはお互いを尊重し合えるんじゃ無いかって』
「ほう、誰か好きな人が?」
『はい、アナタがそう見えて。そして自分がしようと思っていた事の怖さに、改めて気付けました』
「でも体質だし、仕方無いのでは?」
『幼馴染なんですけど。抗って、抑えられないのかって、近寄らせてもくれなくて。少しは、自分でもコントロールしたいんです』
「因みに、どんな感じ?」
『本当に、成人してらっしゃるんですよね?』
「おう、じゃなきゃこんな実験に参加せんわ」
『視線が逸らせなくて、頭がそればかりになる感じです』
「あぁ、なるほど」
そしてこんな事を話していたせいか、同種さんの心拍計が鳴ってしまった。
もう、ワシがベランダに退避します。
気持ちも何も全く収まらないので、紫苑さんの暴露療法を試す事に。
そうして短時間でも寝て起きると、見事に鎮静化。
《まさしく対ですね》
「せやな」
《そう残念がらないで下さい。朗報かも知れませんよ、性転換の魔道具を貸して下さい》
同種の彼へ魔道具を使い、再検証。
発露は無くなり、桜木花子からも誘引する事は無かった。
そして彼は泣きながら魔道具を懇願する結果に。
片思いのお相手に、やっと会えると。
そして蜂の様に桜木花子がお相手を連れて来ると、少し事情を話すだけで、直ぐに誤解は解けてしまった。
好きだから悩んでいた、フェロモンでは無く、ちゃんと好きだと証明したかったと。
「良い結果は出たが、ワシの問題が解決しとらんのよ」
《ですよね》
検証や証言にと魔女の森へ行くと、それこそ今回がレアケースだそう。
能力を消したいと願い、魔道具が叶えてくれたからこそ、成せたのだと。
そうして以降は代償と加護付きで、性転換の魔道具が取り入れられる事になった。
その対価として、桜木花子からフェロモンが引き出させられると、直ぐにも森を追い出されてしまった。
「あれ?ワシの問題は?」
ワシに関する事は何も解決しないまま、ブラドさんへご報告に。
ココは真夜中の3時、真っ暗。
ご報告は先生が。
それからはもう、どう聞いて来たのかひっきりなしに同種が来る。
そして竜人さんに御されては、退散していく。
《有りましたね、最臭兵器でしたっけ》
「まさか自分がな、しかも防護服無意味ってか」
《いえ、ローブが有るかと》
「あぁ、一生ローブなら安全かね」
《違和感が無い様に、南極に住みますか》
「本場のペンギンさん見れるんよな」
そしてローブを羽織り、ブラドさんに軽く挨拶し、一軒家へ。
蜜仍君とエミールを安心させ、雨だし、ゲームを再開。
桜木さんは今日は早起きしたのか、早朝に通知が来た。
そして紫苑さんの貴族ルート攻略へ。
僕が不安になる位に、紫苑さんがチョロい。
桜木さんも不安になったのか、紫苑さんが落ちた演出で止めたまま。
そして少しすると再開、納得したのか、そのまま紫苑さんの攻略を始めた。
紫苑が簡単に落ちてしまったので、エナさんに文句を言ったが、紫苑が本来だったらチョロいだろう、人相学的にも正しいと言われ、ゲーム再開。
そして蜜仍君とエミールと朝ご飯、蜜仍君を送り出し、暫くすると眠くなって来たので朝寝。
エミールもつられて朝寝。
桜木花子が寝ている間に、ルーマニアとロシア自治区と情報共有。
そして色欲も途中参加し、虚栄心も参加へ。
少し頓挫していた計画を遂行する相談も兼ねている。
先生にお昼だと起こされ、一緒に盛り合わせを食べる。
ちょっと寂しいな、ロキ呼ぼう。
桜木花子はロキ神を呼び出し、狼へ変身させ、ゲームを再開。
ロキ神は動くぬいぐるみ要員として、桜木花子との距離やハードルを下げていますけど、懸念が1つ。
安全だと認識している異性からの好意が、嫌悪に転化する現象、蛙化現象の亜種。
ぬいぐるみ脱皮現象。
その安全だと思っていたぬいぐるみに、生殖器が生えた感覚からの名付けだそうですが。
まぁ、ロキ神ですし、大丈夫でしょう。
問題は男性に多い、ゴーレム暴走化症候群。
原因は複数有るので症候群ですが、主な原因は神聖化。
人間らしさの排除がなされた過度な偶像崇拝、清らかさへの過剰な期待感。
そう無意識に相手を見ていた場合、その相手から好意を持たれる事は勿論、果ては性的反応や生理現象すら拒む、蛙化現象の対となる現象。
祥那君がコレにならないかが心配で、迂闊に亜人化や背中を押す事が出来ないんですよね。
《お茶を淹れますよ?》
「何茶だい、色々有るでよ」
お勧めして頂いたのは工芸茶である花茶、香りと見た目が特に良いですね。
攻略っぷりはごく普通、私が中庭まで離れても反応は特に無し。
紫苑さんの攻略は、義務でしょうかね。
引き続き、貴族の紫苑攻略へ。
貴族だと見抜くかどうかで、貴族ルートか平民ルートへ分岐する、ココでまさかの見ないフリとか言う高度な技を要求されるとは、ちょっとビックリ。
そして劇的に難しくなった、邪魔者の多い事。
悪役令嬢になりたくて、ちょっと悪ぶったムーブをしてみたが、紫苑の好感度が下がらないの。
凄いな、紫苑の熱量。
『ふまん?』
「ワシ、紫苑が好き過ぎでは?」
《紫苑さんなら、嫌うんですか?》
「いや、嫌わないとは思うけれども。サービスキャラ過ぎじゃね」
『そこは商業だもん』
そこで納得してしまい、ゲーム再開。
そしてまさかのリズちゃんに似た子がライバルとして出現。
もうね、馬鹿かと、阿保かと。
ダメだ、笑っちゃう。
リズさんに似たライバルキャラが出現すると、突然ポーズ画面に。
そしてコメント入力へ、ウケる、と。
そのままゲームを再開、ライバルキャラが本格的な嫌がらせを始めた。
理由は、自分の婚約者の目に留まったから、別に声を掛けたワケでも無く、何をしたワケでも無いのに。
こう、何気無い事から、イジメは起こるんだろうか。
虚栄心の養子になったので、一応貴族さんなんだが、礼儀や社交を正しく行ってもクスクス笑われる。
「リアルなら暴れてるわな」
鬱屈が完全に溜まった頃、トドメに別の令嬢から晒し上げ状態に。
それでも、好感度の高い紫苑が反証してくれるんだが、なんせ味方が少ない。
そして何故か窮地へ、紫苑と離れ、紫苑を貴族として継続させる為に平民に戻るか。
虚栄心を探し出し救援を求めるか。
泣きながら逃げ出すか。
普通、平民に戻るよね。
身を引くとリズちゃんの婚約者から手助けが、そして味方が増え、平民に戻る事も無く問題が解決したのだが。
リズちゃんの婚約者からのアプローチが増え、紫苑との接触が減っていく。
こうされると、紫苑を気になってしまうが。
あれ、ワシ、ショナにしちゃってるか。
桜木花子が不安そうに、祥那君へ意図せず駆け引きしてしまったかも知れないと。
誤解が有ったなら、どうすべきかと。
《確認も難しいですし、悪意も意図も無いなら、放置されては?》
「あぁ、でも今後は、どうしたら良い?迂闊にしない様に、どう気を付けたら良い?」
《勘違いする者は、何をしても勘違いしますし。どんなに頑張っても、意識され無い場合も有るかと》
「でも、フェロモンや灯台持ちなんだし」
《リリーさんも巫女さんも、奪われたく無かったなら、アプローチをしたら良かったんです。好きな人が潔癖で、ライバルが居なさそうだからと言って、何もせずに居たのが間違いです》
「だろうけど、未成年だったし、関係を壊したく無いとか有ったんだろうし」
《では、君ならそうしたんですか?大人しく何もせずに、逆恨みをしたんですか?》
「逆恨みはしないが」
《アレはお手本の様な逆恨みです。そんなにも自分勝手で、他に奪われ無いだろうと思い上がる人間を気にしていたら、何も出来ませんよ》
「したく無いねん、平穏が良いねん」
《君が平穏を望んでも、実際に問題が起きましたよね》
「だから、それはワシが」
《井縫さん以外、君に好意をハッキリ示した方は居ませんよね?なのに、あの様な事になった。不運な事故、灯台の光が効かない方も居るんですよ》
「それでも、気を付けたい」
《気を付けるべき時はちゃんと言いますよ。露払いは、私達にお任せして頂けませんでしょうか》
「良いの?」
《守る為でも有るハーレムですので》
「おんぶにだっこやな」
《してみますか?》
「ゲームに戻ります」
リズちゃんの婚約者からのアプローチ、そしてリズちゃんの前でもハッキリ断っているのに、グイグイ来る。
そしてついにはリズちゃんを婚約破棄し、ワシへプロポーズ。
マジで、何もして無いのに。
《コレが、世に言われる勘助ですかね》
「あぁ、成程ね」
《リリーさんや巫女さんと、さして変わらないかと》
「そう言われると、少し分かる気もするわ」
普通に断り、普通に紫苑と結婚。
それなのに、まだまだ邪魔が入る、リズちゃんが紫苑に相談女化してしまったが、好感度が高いので無難に避け、エンディングへ。
「ただいまー」
『お帰りなさい』
「おー、お帰り」
今回は紫苑だったからか安パイルートを行ってしまったので、次はマジで頑張る事に。
途中までは同じ、そして紫苑とはそれなりに知り合いつつ、今回も虚栄心の養子に。
そして今回は虚栄心と社交界へ。
イジメは無し、虚栄心のお陰かね。
そしてリズちゃんが普通に接して来た、しかも実は、紫苑が好きだと発覚。
成程。
なので婚約破棄を手伝う為、前回の勘助君と接触してみる事に。
女慣れした感じ。
アレか、面白い女呼ばわりしたら電源落とすぞ。
そう思っていると、以外にも普通。
無難に過ごし、無難にリズちゃんの元へ戻れた。
何か、違和感よな。
そしてそのまま進めると、何とリズちゃんを好きだから、嫌われているのを知っての自暴自棄らしい。
だから前はリズちゃんの為に意味不明なアプローチで邪魔したり、婚約破棄したんかい、ちょっと良いヤツじゃん。
しかも紫苑とリズちゃんと、勘助ことショーン君は出会いが微妙にズレてややこしい事に。
ショーン君がリズちゃんを好きになり婚約を申し込む事に、その直前にリズちゃんが紫苑と出会い、一目惚れ。
あぁ、コレは流石に運だろうに。
そしてどうアプローチしても靡かなくなり、探りを入れたら紫苑が好きそうだと。
かと言って決定的な事は何も無いので、婚約破棄はリズちゃんの名を傷付ける、だから何かしらの理由か、向こうから言い出して欲しかったと。
同情しますよ、ショーン君。
それからリズちゃんへ話をしに行く事に。
真意を知って非常に申し訳無さそうにしていた、そして直ぐにも婚約破棄へ。
そう、ココで終われば良いのに終わらない、人生の様に続く。
ショーン君が本格的にコチラへアプローチを開始、そして紫苑も仕事で忙しかったとアプローチが再開された。
当然、気に食わないのはリズちゃんなんだが、そこは大人しい。
寧ろ、取り巻きが邪魔者として増えた。
うん、上手く行きませんな。
そして興味本位から他のまで来た、ショーン君へ恨みを持つケント君。
ケント君て。
ショーン君が適当に声を掛けた子がマジ惚れし、ケント君からショーン君へ乗り換えたらしい。
でも所詮は第3者からの情報。
事実かどうか確かめる為、ショーン君へ。
本当に困っていそうな時に声を掛けただけで、他のも実際は何もして無いと。
信じたいが事実かどうか、どう確認するか。
その答えはお茶会、何とリズちゃんが協力してくれた。
ショーン君以外にも他の人間に粉を掛けている令嬢を呼び出し、リズちゃんからショーン君への愚痴を言わせる。
小心者なのか良い人間なのか、実は何も無かった、ヤキモチを妬かせたくて利用し合っただけだと。
リズちゃんビックリ、ワシもビックリ。
そしてリズちゃん、ショーン君にも心が揺れ始めたらしい。
ワシに害が無いから良いけど、ちょっとイラっとしてしまうけど、仕方無いか。
紫苑モテるし、忙しいし、脈なさそうだし。
そして証言してくれる人が現れ、ケント君へと繋げた。
そしてケント君は諦める流れに。
さぁ、問題です。
どうしてこの流れで恨まれる事があるのか、誰に恨まれるのか、想像出来ますでしょうか。
ワシは出来なかった、ケント君が好きだった子がワシをイジメ始めた、どうやら彼女も試したらしい。
ぶっちゃけ、ワシはケント君系の思考をしがちだから、ビックリよね、ケント君もビックリのドン引き。
そして余計にイジメられ、また晒し上げられる事に。
「うん、生きるの大変だ」
桜木さんがまたしても晒し上げ状態に。
そして今度はケント君、ショーン君、紫苑さんが盾に。
そうして其々が言い返した後、誰を選ぶかに。
誰も選ばず、更に孤立する事に。
でも、選んでもきっと角が立つし。
そう思っていると、今度は王族の方が声を掛けた。
立ち回りと身を引いた事が気に入ったらしい、前作に居たジョージ君。
前作では従者から正式な王位継承者になっていたけれど、今回は直ぐに解決した事になっていて、未だに婚約者が居ない状態。
桜木さんは秒で婚約を受け入れた。
王族内部でも、まだイジメが。
今回はお付きの人が居るので、ガンガン追い詰め追い払った。
が、ジョージ君の話を立ち聞きするイベント発生。
正式に正妻を迎え入れる為にも、ワシに頑張って貰わないと、と。
おや、どう言う意味だろうか。
押し入るか立ち去るかの選択肢が出た、誰にどんな意味で言ってるのかも不明だし、今回は立ち去る事に。
そして王族内部をある程度綺麗にすると、イベントが。
王族側のメンツの為に、他の婚約者候補を受け入れる事になったと。
その管理にワシ。
特に目的も無いから茶番に付き合うが、コレで他の女を選んだらキレるな。
そうしてココで女性の新キャラ。
あざと可愛い感じ、コレはもしや、やっと悪役令嬢ムーブが出来るのか。
でもなぁ、立ち回りが上手いのよ彼女、揉め事を起こさないから関わりも少ないし。
つか仕事がマジで忙しい、ジョージ君にすらも会えない始末。
それで補佐を求めても、ジョージ君が却下しやがった。
おや。
そして危惧してた事が加速する、ジョージ君と疎遠になり、アザ子さんに愛想を振り撒いてんのを目撃。
あら、残念な方か。
それでも管理だけは続け、イジメを排除し王族内部は綺麗に出来た。
そうして選ばれたのは、アザ子令嬢。
コレはムカつきますぞ。
そのまま付き人さんを使い、ジョージ君のお父様に直訴。
普通に廃嫡してくれた、そして今度はユーリ君が婚約者として受け入れてくれる事に。
すっかり、しっかり者のユーリ君、そして侍従になったカイ君も雰囲気が違う。
前作を知ってるからこそ感じる違和感、コレ、入れ替わってるな。
予想は的中、素っ気ないユーリ君に身分差を言い訳に婚約破棄を申し出て、カイ君へ婚約を申し込む。
そして真相へ。
王族の教育を受けなかったが血はユーリ君が正当、でもその素質は無いので、2人が入れ替わる事になったと。
選択肢は3つ。
婚約破棄の破棄。
2人を支える。
選んだのは3つ目、侍従として生きるユーリ君の婚約者のままで良いと選択。
無事にユーリ君と結婚し、カイ君を支える事になった。
「あれ、悪役令嬢になれないんだけど」
今回は諦め、夕飯の準備。
近所のお蕎麦屋さんのカレーうどん。
うん、美味い、幸せホルモンで安眠出来そう。
そしてゲーム再開。
今回は妖精のアシスト機能を使い、悪役令嬢になるべく行動。
先ずは中途半端に声を掛け、人の話を半分聞く程度で中途半端に介入し、中途半端な態度を取る。
凄い気持ち悪い、そして狙い定めた相手を落とし、結婚。
ジョージ君以外の王族は落とせないが、大概のキャラを落とせるが、落とせた喜び皆無。
学園の方が面白かったな。
《どうでしたか》
「全く楽しく無い、どれも。王族が結婚してくれたのもメンツとか体裁とかだし、悪役令嬢も。でも、この思考回路も」
《学習しないでも大丈夫かと》
「えー」
《逆も有るのだと思って頂ければ充分ですよ》
「あぁ、こんな感じの事を、違和感無く出来る人ね」
《はい》
そして悪役令嬢の婚約者側へ、紫苑でワシを攻略。
あれ、楽しいかも。
桜木花子は紫苑として攻略開始、喜々として自分を攻略している。
甘い言葉も何もかもが全力で、そうして自キャラを落としてしまった。
そして満足したそうで、就寝準備へ。
「先生、エナさん、送るよ」
『うん』
《はい、お願いしますね》
そうして家の中に入って直ぐ、エナさんが口を開いた。
『どう思う?』
《アレが、真の願いにも見えますね》
いや、でも同性なら、そう話しちゃうじゃん