5月5日 こどもの日、合同航空祭、フレンドシップデー。
寝起きに、エミールから公務が有ると聞かされた。
しかも一緒にと、流石にもう理解した、緊張させない為に事前に予定を言ってくれないのは。
でも、エミールも教えてくれないとは。
『さ、準備に行きましょう』
温泉にぱぱっと入り、朝食を終えて一服し、岩国の基地へ。
基地内部では何処でもストレージと移動魔法は禁止、そして念の為に制御具も付ける、但し鍵は神獣が持つ。
こうガッチガチの公務なのに、エミールはリラックスしている、なんならウキウキしている。
蜜仍君は軍の施設には入れないので、民間人として一般参加、賢人君が随行する事に。
ショナはいつも通り一緒。
基地内部に到着すると、いつものお洒落教官にヘアメイクや何やと整えて貰い、少し休憩したらご挨拶巡り。
それから式典。
航空祭。
中つ国、各自治区と我が国での合同開催らしい。
其々の陸・海・空だけで無く、民間からもエアレースショーのチャンピオンと、エアーショーのトップチームが参加する。
特等席で解説も有るのは良い、でも屋台とか車両を近くで見れるのが羨ましい。
しかも乗り込めるとか。
うん、特等席で見れるのも捨てがたいが。
桜木さんもエミール君も、爆音を全く気にせず観賞し、喜んでくれている。
それでも、きっと本来なら民間に交じり遊びたいだろうに、取り敢えず来年は影武者案を出してみよう。
ハナさんは普通に喜んで観てくれている、女の子はあまり喜ばないんだと向こうでは笑われたけど。
もしかして、本当に本来は紫苑さんなんだろうか?
ショーの合間に休憩、屋台の食べ物を基地の人が買って来てくれたらしい。
ロシア自治区の串焼きとブリヌイ、ミートパイみたいなチェブレクとピロシキ、レーヴィのミートパイはチェブレク寄りかも。
そしてハンバーガーにホットドッグ、バーベキューリブ、餡餅に苺飴、チェーやフレッシュジュースにかき氷等々。
うん、美味い。
そして民間で来るとどんな行程かを聞くと、検問に検問を重ねるので入場までにどうしても時間が掛かる。
長距離を歩くし暑いので、慣れないとオススメ出来ないとの事。
知り合いを呼びたいなら特別観覧席を用意するので、と言われたが、ワシが民間で歩き回りたいのよね。
桜木さんが民間での行程に興味を示した、そう聞いてからトイレへ。
そしてショーが始まると観覧席へ、一瞬だけ抜け出すのではと心配してしまったのだが、問題無さそう。
それよりも、エミール君との間で解説してくれている女性、桜木さんに落ちないか少し心配になってしまった。
閉幕式が終わり、民間と同様に貨物や戦車に近付けるとなると、ハナさんは大喜びしてくれた。
そして仮面を付けているとは言え、軍の方々とも記念撮影をしたり握手したり、治った腕を見せたり。
各隊へのご挨拶なのは内緒、だからこそフランクに楽しんでくれてる。
何なら多分、ハナさんは軍部の方々にサービスして貰ってるんだと思ってそう。
軍部にとってのサービスなのに、いつも通り、通常運行で喜んでくれている。
そして帰りの見送りも普通に歓迎しているし、全然、公務の心配はいらないのかも。
そして浮島へ。
カールラやクーロンから熱烈な歓迎を受けつつ一服している間に、僕らは温泉へ。
そして上がってからは、一軒家へ。
暫くして、お夕飯が出来上がる頃にハナさんは帰って来た。
「エミール、今日は早く寝る?お昼寝するか?」
『今回だけ、特別に睡眠時間を移動させたので大丈夫ですよ』
「黙って無茶をしおって」
『旅行なら良く有る事なんですし、当分しませんよ』
「ショナ、気を付けさせてくれよ」
「はい」
「ふふふ、楽しかったですねー」
『良かった、買い食い出来ました?』
「肉付北京ダックのパオ!美味しかったですよねー」
「あぁ、アレは美味かったわー」
連休が終わったら、土日祝日は殆ど会えなくなりそう。
お互いにこうした公務をこなす事になるから、僕はイギリスで、ハナさんはココで。
僕は学業優先だけれど、ハナさんの土日祝日こそが公務日。
良かれと思っての事だけれど、土日祝日がお仕事の日って、嫌にならないでくれると良いのだけれど。
『ハナさんも、楽しんで下さいね?』
「おう、勿論よ。今日だってクッソ楽しかったわ、パラシュート降下したいもの」
「公務に組み込んでおきますね」
「おう」
「そうなると、土日祝日のどれかが潰れますが」
「エミール、すまんな」
『ふふ、そこまでしたいんですね。土日祝日にお仕事って嫌じゃ無いんですか?』
「全然、何なら今日みたいなのは仕事とすら思えんわ。土日祝日に公務なら、平日の何処かが休みだろうし、個人的には最高だが。エミールどうする?」
『ココにはミーシャさんも居ますし。多分、僕も忙しくなるので大丈夫ですよ』
「ショナ、影武者案は?エミールの学校行事で行く場合とか」
「その場合はミーシャさんが影武者をしますので、大丈夫ですよ」
「おぉ、そっか。明日は流石に?」
『聞いたら、緊張しません?』
「あー、しちゃう感じ?」
『僕は何も無いですよ、ふふふ』
「何も無いと思い込みます」
夕飯はバランスを鑑みて、シーフードのたらこパスタ、野菜スープ。
それからはもうダラダラと、蜜仍君とエミールが宿題するのを眺めたり、刺繍をしたり、ゲームをしたり。
そして少し夜ふかしをして、就寝。