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5月2日 公式のお買い物。【マイルド版となっております】

そう過激な内容でもない筈なのですが、念には念を。

配慮出来たかとは思います。

 正式な購入と言っても、従者を伴い領収書を貰うだけ。

 ショナと楠で適当な苗木屋へ向かい、召喚者様の代理で購入。


 そして次は蜜仍君も連れて北海道へ物件を見に行く。

 まだ寒いねんな。


「広いですねー」

「見えてる限りやもんな」


 何軒か見て周り、そして最後にショナが探してくれた一軒家へ。

 入口にはアーチと柵、薄いターコイズ色の外壁。


 密閉タイプの暖炉、内部は気密性と風通し両方が完璧。

 畳敷きの小上がりも有るし、ココかなぁ。


「良いねぇ」

「ふふ、毎回言ってますね」

「いずれは結界石がもう1つ必要かも知れませんね」


 もう最近は従者の言葉すら聞き取り、勝手に作って置いてってしまう。

 いや、有り難いんですけどね、ココにしろって事なんでしょうかね。

 近隣とは遠いし、交流も希薄だし。


「ココにした方が良いのかもね」

「そう無理に決めなくても大丈夫かと」

「でも、美味しいが近いのココなんですよねー」


「あー、それなー。決めちゃうか」

「もう少し熟考して下さっても」

「ショナさん、どうして遠慮してるんですか?」


「ん?曰く付きか?」


「いえ、納得してる感じが薄い気がして」

「いや、詳しく聞いた時にココなのかなって、それだけよ」

「断る勇気は必要ですよ?」


「まぁ、何でも、もう決めないと動けないのは理解してるし。別に嫌じゃないし」

「消極的な理由ですね?」

「出来るなら、気に入って頂ける家が良いんですが」


「そういっぱい家が有っても、手に余りそうだなって、器用じゃ無いし。1ヶ所に留まるかもだし」

「だから良いんじゃないですか?季節ごとでも気分ごとでも、引き籠もらない様に。あ、ハーレムの別棟とお考えになっては?」


「蜜仍君、天才か」

「えへへ」


「よし、ココにします」




 早速省庁へ行き、契約書へ記入して頂き、申請へ。


 そしてお昼は鰻、先生やエナさんも呼んで北海道の鰻屋へ。


 昼食後、契約が成立したのを確認し、そのまま家具類の買い出しへ。

 白や緑、ホワイトベージュの家具を選び、家へ。


 僕らがカーテンやベッドカバーを付けている間、桜木さんは植物を成長させる事に。


 そうして一通り終えた頃、広大な庭は果樹園状態になっていた。

 そして収穫し終えると、時期相応の成長度合いへ。


《観賞用には、何か植えないんですか?》

「藤の花をね、どこに植えるか迷ってる」

「はいはい!向こうの家の生け垣に、こう、上にどうですか?」


「天才」


 一軒家に戻ると、既にカヤノヒメ様とククノチ様が居り、ゆっくりと成長させ、そうして立派な藤の花が満開に。


 そして鑑賞も程々に、収穫物の検査へ。

 オヤツの時間までは懸かるそうなので、暫し省庁でお昼寝。




 結果は問題無しだが、先ずは神々への行商からとなり。

 人間への行商の為にも、暫しの準備期間となった。


 先ずは愛玉子(オーギョーチ)の仕込み、コレも出来上がったら検査へ回す。


 瓜の様な青い実を半分にし、ひっくり返して乾燥させ、無花果の様な種の部分だけを取り出す。

 それを水の中で揉むだけ。


 最初は少量、冷やし固まるまで蜂蜜檸檬を作る。

 一般的なアカシアの蜂蜜と、様々な品種の檸檬汁を混ぜる。


 比べた結界、八丈島で作られている菊池レモンと言う品種に決定された。

 では、他の檸檬はと言うと。


「食べ比べセットですかね」


 ショナの名案により、檸檬の食べ比べセットとして売られる事になった。


 そのままレシピ開発へ、レモンタルトにシフォンケーキ、パウンドケーキにマドレーヌ。

 もう総出、エミールが来たのでアレクも白雨も呼んで、更に作っていく。


 蜂蜜檸檬にレモンシロップ、塩レモンにレモン酢。

 そしてタコのマリネにガスパチョ、そしてショナ家のレモンステーキを試食。


「夏が来た」


 ガスパチョが夏のメニューに加えられる事になり、マリネは他の魚介でも試す事に、そしてレモンステーキは今日の夕飯のメインに。

 早速、ショナと蜜仍君に買い出しに行って貰う事になった。


「サクラ、こう言う時は呼んでくれるんだ」

「なんだアレク、寂しかったか」


「うん」

「ハーレム案、どう思う」


「早く大人になりたい」

「さよか、頑張れ」


 家中が甘酸っぱい匂いに溢れていく。

 初夏の匂い、だけどまだ梅雨が来て無いのよな。


 全品種なもんだから、夕飯も程々に仕込みは続く。


 そして人海戦術の結果、ユーリカ、リスボン、フェミネロ、ベルナ、ガルガル、菊池レモン。

 レモンスイーツ食べ比べセットが出来上がった、瓶詰めはまた明日、そんなに瓶が無いんだもの。


 にしてもよ、凄い大変だったわ。


 解散、ご休憩。


 蜜仍君のもさもさの尻尾を堪能し、ゴロゴロ。

 顔にポフポフされるのが堪らない。


「明日は日曜日ですけど、買い出しで良いですか?」

「あー、人が多いか」

「桜木様、何が気になるんですか?」


 蜜仍君、突っ込んできおる。


「人目と、人目」

「ハーレム案、私は歓迎してますが」

「僕もですからね?そんな事で軽蔑する事も無いですし」


「蜜仍君まで寛容かよ」

「私は、一時は桜木様の赤ちゃんを望めないのかもと絶望しましたが、コレで希望が持てましたので」


「赤ちゃんなぁ、紫苑なら兎も角、ワシのに躊躇いが有るのよね」

「私はどちらでも構いません、全力でお世話します」


「にしても、女性はなぁ」

「桜木様?僕らもずっと魔道具を付けてたら可能らしいですよ?」


「は、大丈夫なんかい」

「国の許可はまだですけど、追々は大丈夫みたいで、僕がお母さんじゃ嫌ですか?」


「柔軟性、凄過ぎてちょっとビックリ」

「ふふ、まだ時間は有るので、ゆっくり名前とかも考えましょうね」

「私はもう候補が有ります」


「凄い、始動してもいないのに、ハーレムみを感じる」

「名前は大事です、被るといけませんから」

「ですね、皆さんと相談してって感じですねー」


「タイム、一服」




 桜木さんが一服へ。

 蛙化と言うより、戸惑ってらっしゃる感じに見えるが、そう見えるだけなのかどうか。


「桜木さん、焦ったり義務感から決意したりは、絶対にしないで下さい」


「あぁ、そうよな、相手にも失礼だし。うん、ありがとう」

「それとその、じっくり、話し合うべきかと」


「そこよな。うん、話し合うわ」


 そうして、白雨さんとアレクの居る浮島へ行ってしまった。




 21時だった場所から、15時の場所へ。

 移民達の浮島はオヤツの時間、寝間着のままにホイホイお菓子を食べる。


 今日はトルコオヤツ、カトメルと言う薄いパイ、ピスタチオクリームが中でトロトロ、美味い。


「食いながらで良いから話が有る、向こう行こう」

『分かった』


 アレクは少し寂しそうだが、仕方無い。

 未成年なんだし。


「で、ハーレム案、どう思う」

『顔も性別も任せる』


「何でそうなる」


『綺麗だと思ってくれてるのは、知ってるから』

「嫌な思い出が詰まってるでしょう、そう言う捨て身は嫌い」


『半々』

「そうか、半々なのか」


『良い顔の方が、ハナに自信が出るかと思った』

「直視出来無いと思う」


『前はしてた』

「今と心持ちが違うもの、前は殺す気半々だったし」


『今はもう死にたくは無い』

「それは結構な事だ」


『痛いのもあまり、でも多少は我慢する』

「それは、あぁ、君は照れそうも無いな」


『尊いから、有り難いが先にくるかも知れない。先生は秘仏の概念だと言っていた』

「秘仏て」


『うん、俺は凄く納得した。共有財産の面と秘匿される面、半々』

「造詣が深いのね」


『魔王が、読めと。でも仏典や本は読んでいただけ、見聞きするだけでは未熟だと思う』

「魔王が居る間に、アレクに聞けば良かったな」


『いや、心配して会わせなかったと思う』

「あぁ、確かに」


『それで、今日は』

「具体的に、どうするかをね」


『俺を、穢らわしいと思うから、嫌なんだろうか』

「何でそう思う?」


『世にはビッチ、ヤリチンと蔑まれる部類だから』

「今もそうなの?」


『コレは、新品』

「なら穢れて無いんじゃ無いの」


『ハナは自分をそう思ってる』

「と言うか、1人だけと思って生きて来たから、躊躇いが殆どよ」


『ハーレムの関係は、恋人と言うんだろうか?』

「愛人と本妻になるから、愛人は、婚約者?」


『そもそも、ハナは結婚したいんだろうか』

「それもな、離婚はしたく無い」


『離婚は無い、される位なら事故に見せかけて殺して欲しい』

「愛が重いなおい」


『嫌いでは無い筈』

「見抜くな虚無僧」


『欲は結構有る方』

「見えないのよ、表情も声の抑揚も無いんだもの」


『この前、拒絶されたから』

「あぁ、ごめん、でも、映画館を見れば、分からない?」


『ハナが見て来た事だけ、そこに少し感情が乗るだけで。どれでも、真意が分かるワケじゃない。心の声も、出来るならちゃんと話したい』

「あぁ、そうか、おう」


『観てホッとした部分と、それでも慣れない面と、不安が有る』

「なんでよ」


『笑顔を向けたら、それで顔で好かれたく無い。でも、普通の顔が虐められてるのを思い出して、笑うのも怖い』

「あぁ、ごっついトラウマ持ちやんけ」


『いっそ、前の顔での方が安心するかも知れない』

「好きにしてくれて構わんけど、どうして欲しいかは言ってくれ。普通の顔も褒めるなとか、前のは貶せとか」


『両方、褒めては欲しい』

「半々か、体もか?」


『その事を、体の事をもっと詳しく話したい』


 最初は男だった。

 だけど追い立てられる恐怖から再分化が始まって、世渡りに都合が良いからと両性を受け入れた。

 それがまた、穢らわしいと思われるんじゃ無いか、と。

 中継でそこまで話せば良かったのに、同情を引きたく無いから言わなかったと。


「生きる進化に文句もクソも無いのでは」

『あの状態は本当に、生きていたんだろうか』


「生きてるの定義プリーズ」

『死ねる』


「いやぁ、物体として存在してる時点で、存在は証明されてるべよ。なのに壊れて初めて存在証明出来るって、壊れないと存在証明出来無いのは、何か可笑しいでしょうよ」

『今はそう思える。前は不死に、鬱憤や不満を全て擦り付けていたと、今なら思える』


「ワシより繊細?」

『アレク程では無い』


「絶妙な受け答えをしよる」

『まだ不安が有る。元の顔が良いから、受け入れてくれたんだろうか』


「半々。アヴァグドゥの生まれ変わりかよ、焼くか?」

『痛々しいのは嫌な筈』


「嫌いと言うか、神経は使う。それとメンクイだから、クソ不細工なら側には置かなかったと思う。理由は鏡や現実と同じ、常に突き付けられたく無い」

『繊細』


「おう、自分より不細工なら、感情のコントロールが出来無かったかも。自分と重ねて過保護になってたかもだし、何かを遠慮したかも知れない。どうしたって、一緒には居られ無かったとは思う」

『しかも半分、異性だから』


「アヴァちゃんは同性として居たからね、ラウラとして一緒に居る事は無かったと思う。ワシは見本になるべきじゃ無いし」

『シオンなら、したんだろうか。本来の姿で』


「請われたら、したかも。君にも、した事は無いが、出来はすると思う」

『形容し難い部分のストライクゾーンが広い』


「褒めてる?」

『半々』


「半々かぁ、もう半分は何よ」

『心配、人数が増えると取り分が減る不安』


「独占欲みたいなのは有るのね」

『有る、2人きりの時だけ出せと言われた』


「あぁ、先生か」

『良いコントローラーだと思う』


「何でそんなに信頼が厚いのよ」

『ハナを良く分かってる』


「君のお墨付きはエグいな」

『いや、表層しか分からない。ハナの事も、上手く口説くとかは無理だと思う。今までは、直ぐ向こうから来るから』


「あぁ、ワンコよもぎラインか」

『うん、興味本位も含んで』


「あぁ、よもぎちゃん、元気かしら」

『アレには同情した、人間でも似たのが居るんだなと』


「あの平凡さんもね、モテ方が異常やん」

『普通で、限られた範囲だからマシとは限らないんだと、思い知らされた』


「それな、まさか同類とはな。全然惹かれなかったのがまた、磁石みたいで怖いわ」

『それでも、良く耐えられたと思う』


「帰巣本能が勝っただけやし」

『それでも、帰って来てくれた事は嬉しい』


「まさか恩返しか?」

『いや、それはそれ、コレはコレ』


「じゃあ恩返しは何よ」

『ハーレムがダメでも、ずっと支える、離れないと約束する』


「召喚者だから」

『思考停止のキーワード』


「すまん」

『例え転生者でも、そうで無くても、同じ事が起きたら惹かれると思う』


「エルヒムさんのシミュレーション機能を使いたいなぁ」

『うん、俺も。そうして証明したい』


「でもなぁ、こんな事の為にってのもなぁ」

『だけなら贅沢かも知れない、でもエルヒムは他にも使ってくれると思う』


「あぁ、まだ観てるのか、見続けるのは辛く無いか?」

『知らない方が怖い、知れるから安心できる』


「マティアスかよ」

『知る事に依存しない様には頑張る』


「そうしてく、あ」

『ダメ。記憶は消さないで欲しい、先生も言っていた、消せば不安定になるだろうって』


「触れると読めるのな」

『ハナに良くなって貰える様に、コレは封印しない。情報共有も、先生と相談してある』


「既にか」

『うん』


「後日確認するわ、今日はもう、絆されるかも知れん」

『ハナが望むなら、ちゃんと受け入れる』


「おう、おやすみ」




 蜜仍君が眠って暫くすると、桜木さんが帰って来た。


 コレからは、1日1説得を受けようと思う、と。

 僕もミーシャさんも同意し、安心したのか歯磨きをして直ぐ、眠ってしまった。


 匂いは同じ、ミーシャさんが預かっているトリートメントの匂いのまま。

まだマイルドにと言われるとのご意見などは、コメント等で具体的にお願い出来ると助かります。

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