5月1日 今日はカレー曜日。
今日の夕飯はショナのカレー。
ご家庭のカレーなので問題が、余った材料等は一切無い。
「リクエストを聞いても良いですか?」
「エミールが食えるかなんだよなぁ」
牛すじカレー。
想定されていたらしく、大丈夫だそう。
折角なのでと、コチラの好きな様に作って貰う事に。
人参や玉葱を煮てから擦り潰しトロトロに、そして牛すじもトロトロに。
そこへ何種類かのルーを、ご家庭の配分で入れる事に。
今日のお仕事は聖地計画案を詳しく聞く事、ワシ抜きでも進めるとか言われたので、召喚者スタイルで単身省庁へ。
桜木と賢人君とスーちゃんと俺、そうして専門家会議へ。
ショナ君、敢えて参加しないんだろうか。
「桜木、寂しく無いのかよ」
「何だよその余裕、動く額が凄いんだぞ?」
「自分のじゃないしー」
「ですよねぇ」
ウン千億円だもんな、そらビビるわ。
けどなぁ、浮島何個も作ったから、世界的には桜木に借金してる位なんだよな。
「お前、海に浮かべる人工浮島の知識有るか?」
「いや、海外で構想が有ったのを知ってる程度」
「それ、何億掛かるか知ってるか?」
「コレより上?」
「同じ位だ」
「あら」
「お前、何個分けた」
「分からん」
「その分だけ、世界的にはお前に貸しが有るんだよ」
「資源の元、ワシちゃうのに?エミールも出来るんじゃない?」
「したかしてないかだ」
「するとしないじゃ大きな隔たりが有るのよ、青い花の研究もそう。考えたり言うだけなら誰でも出来るけれど、具体的に構想して、助力までしてるんだもの」
「コレがそれを人工でした場合、この額だ。お前がそれを節約した」
「期日もね」
「仕事を奪ってしまったのでは?」
「なら、これから仕事を与える気で、賛成の態度で聞け」
「ふぇい」
桜木さんが聖地案を呑み、賛成した。
巨大テーマパーク、飲食店にレプリカの展示場、宿泊施設はドリームランドの海辺のホテルのデザイン。
そして遊園地も動物園も、そして水族館も。
本当は人魚を泳がせられれば良いのだけど、保護の為に人間が人魚の格好をしてショーをする。
そしてエミール君のテーマパークには、第3世界で偽のロキ神と構想した遊園地。
そしてフィンランドにも、第3世界で桜木さんが遊んだ遊園地を、転生者様が再現する事になった。
思い出を、強制的に共有させている気がする。
『浮かぬ顔に見えるが、料理を失敗でもしたか』
「クエビコ様、いえ、不安なんです。思い出を強制的に共有させてるみたいで」
『ならそう言ってやれば良い。最近のお前達は少しおかしいぞ』
「うっかり、何か言ってしまいそうで。そしてうっかり、踏み込んで、拒絶されるのが凄い怖いんです」
《ウブじゃのぅ、全くもって相性が悪いのぅ》
「え?僕と桜木さんですか?」
《くふふふ、どうじゃろなぁ》
『コレは対価が必要かも知れんな、退散しよう』
式典後、エナさんが再び私の家に戻り、プールへ行ったり日光浴をしたり。
静かなのは良いんですが、何故、私の家なのか。
《あの、宜しいでしょうか》
『うん、なに?』
《どうして、この家なんでしょうか》
『君の耐久テスト、人と長く一緒に居るられるかの』
《あぁ、心配しての事なんですね》
『うん、それに私が居ると2人共、何でも聞きたがってしまうから』
《ご配慮感謝致します》
『いえいえ』
桜木達の巨大テーマパーク構想の次は、移民の仕事の本格的な話へ。
桜木の希望通り、鈴藤紫苑の管理下として実行される事になった、だがココで灯台の案件を聞かれ、進行が止まった。
「休憩にするぞ」
「すまん」
「気にしないで」
悪意が有っての事では無いが、重大な案件が絡む。
まして例の相談の事も有るし。
「こう、誰が悪いとかじゃ無いんだからな。焦って決めるなよ、下準備自体は進むんだから」
「でもだ、準備が終わったら」
「北極浮島案、式典のお陰で許可が出た面も有るの。だから人間側が傾くかもだし、それに私達も準備がまだまだ必要だから、ゆっくりで却って助かるの」
「でも学校とか、こう」
「それもよ、ココの自宅学習って凄いんだから」
「蝋燭先生の配信もな、移民の学習スピード凄いんだぞ」
「あぁ、学校見学とか、灯台で超ヤバくなるのか」
「それ、魔道具で何とかなる筈だろ」
「けど」
「ふふ、それで紫苑で、エミール君の学校だけでも良いじゃない」
「他のについてもだ、フェードアウト前提で先生にも確認する、それでどうだ?」
「ぉぅ」
移民案は続行。
最悪は賢人君や従者が管理者になる事で決着が付いたが、賢人君、幼馴染はどうしたよ。
「賢人君や、幼馴染はどうなったんよ」
「結婚の報告されたんすよ」
「マジか」
「わぁ」
「なーんもしなかったんで、そりゃそうっすよね」
「紫苑で良いなら合コン手伝、ダメかぁ」
「だな、お前は蓬ちゃん系なんだし」
「可愛い人なのに、グイグイ来るのがビックリよね」
「寧ろ、だからなんだろうなーとは思う」
「そう行動してんの見てたら、余計そうっすよね」
「あ、お前凄いなアレ」
「見ちゃった☆実際の映像で」
「18禁では」
「俺らの精神年齢の鑑定的には問題無い」
「百合も薔薇もいとおかし、ね」
「俺は他人の趣味は賛成派っすよ」
「あぁ、ちょっと安心したわ」
「ショナ君、見入ってたからなぁ」
「な、アカン」
「どう申請通したんだよ」
「そりゃ、もう、すんません、俺が案内しました」
「大丈夫よ、成程って言ってたし」
「おま」
「あ」
「あぁ、ぅうん」
「何か有ったな、言え」
「いやぁ、ちょっと」
「有ったなコレ、おい、言え賢人君」
「どれか、なんすよねぇ」
「賢人君、なぜ、知ってる」
「ドリアードさんから勝手にっすよ」
「あぁ」
「おい」
「焦らさないでよぅ」
「ショナの精神面を疑ってる方で」
「あ、それはコレっすね」
従者から、魅了やフェロモンの影響が出ているのではとの訴えが。
ただ訴えは却下されている、そも賢人君やリズちゃんに効いてないからと、効いているとの証明も難しいからだと。
「不可能とは書いて無いのよなぁ」
「そこ突くかぁ」
「整形して見つけ出せたら、効いてる事の証明にはなる、か?」
「それ寂しく無いか?」
「他にいかれちゃったら、嫌じゃ無い?」
「整形して雲隠れが、自由への対価か」
「俺は支払って欲しく無いんすけど、つか効いてても一生効いてたら良いだけじゃないっすか。それに切れたら金平糖食えば良いだけじゃないっすか?」
「暴論やん」
「それも切れたら食うの止める判断は出来るだろうし、どうせ恋愛なんてホルモンの作用なんすから。どうしたって変わらないなら、もう体質で、もう受け入れましょうよ」
「賢人君、失恋、ご苦労様でした」
「まぁ、浮かれて期待した分だけなんで、大して無いっすけどね」
「泣いても良いんだよ?」
「俺らが紹介出来たら良いんだがな」
料理も終わり家中の掃除をして、庭で休憩。
手入れ要らずの庭、常に花が咲いている。
《くふふふ、整形し、雲隠れが自由への対価じゃと》
「桜木さんに何か」
『お前への訴状を見たんだ、仕方無い』
「あぁ、効いてない証明が難しいので、効いてるか確かめる気ですか」
『だが心配無い、賢人が上手く方向を変えた』
《つまらんヤツじゃ、体質じゃったら受け入れろとな》
「そうなんですね。あ、なら」
《向こうで食うんじゃと》
『そのまま浮島で昼寝するそうだ』
「すみません、伝聞を頼んだ形になってしまい」
『問題無い』
《ふぅ、実につまらん》
メシ食って昼寝して。
まぁ、リズちゃんも居るから良いのか。
そうして次は行商案。
正式に苗木屋から購入し、人間の土地で育て、検査を受けてから販路へと。
北海道のあの家が候補地に。
まぁ、何軒か見るつもりだけど、ココかねぇ。
家は保留、それ以外は同意し、今日はココまで。
まだ夕方。
リズちゃん達とお別れし、お家へ。
小学生みたいやな。
「お帰りなさい」
「新鮮。ただいま」
「お帰りなさい桜木様、宿題見てくれますか?」
「おう、簡単なのなら」
話し合うタイミングが見当たらない。
整形して雲隠れはしないだろうけど、どう思っているのかが聞きたい。
「名前の意味と由来なんです」
「蜜が重なる、しきりに、よる。トロトロちゃんか」
「そうなっちゃいます?」
「冗談よ、濃密とか濃厚な感じよな、蜜月、蜂蜜、甘くて爽やか、蜜柑」
「餡蜜、糖蜜、水蜜桃、蜜蝋」
「あぁ、蜜蝋どうすべか、蝋燭先生に内緒で頼もうかしら」
「お好きですもんね神様達も」
「蜂蜜とセットですかね?」
「いや、ワシそんなに蜂蜜好きじゃ無いから別個かな」
「そうなんですか?」
「本来はメープル派だし」
「えー、蜂蜜檸檬は美味しいですよ?」
「それは好き、けどクセが其々じゃん?」
「そうですね、種類によっては味も香りも違いますし」
「えー、じゃあ青い花の蜂蜜も、蜂蜜檸檬にしちゃうんですか?」
「あー、もうバリバリ浮島産でも良いのよな、食べ比べるか」
「なら愛玉子はどうですか?」
「良いねぇ、最高やんな、一服してくるわ」
「じゃあミーシャさんに言っておきますね」
「おう」
やっと、聞けるタイミングが。
「桜木さん、少し良いですか?」
「おう、どした」
「思い出の切り売りについてです」
「あぁ、そう思っとらんよ。それから整形も、そんな事をしてまで得て、納得出来るか想像出来無いし」
「どんな事が有ってもしませんか?」
「この、顔なら、なりたい」
「アイドルの方ですね」
「それかコッチ、クッソかわいい」
「灯台効果がどうなるかまでは」
「そこまで検討しとらんね。コレそっくりでも、似てても、もうワシオリジナルでは無いし、変えて誰にも相手にされないのも、もうきっと寂しく感じると思う」
「少なくとも、見た以上は、僕は気付くかと」
「ブラフかも知れんよ、紫苑の方を変えて過ごすかもだし」
なら余計に、誰にも目を向け無いと言ったら、桜木さんが蛙になるか、僕が蛙と認識されるかも知れない。
「因みに、男性の方は?」
「これ」
「ルーマニアの方に似てません?」
「見たんか」
「はい、資料で」
「あぁ、ビックリした」
「入国や連絡が来たらお断りしておきましょうか?」
「是非、もう被害者を増やさんよ」
もしかしたら僕も、被害者に認定されてしまうかも知れない。
それを覆す方法がまだ見付からないし、まだ何も言えない。
「はい。今日の箱庭は何にするんですか?」
「それなー、あ、有るけど、表現出来るかなぁ」
「無ければ作って貰いましょう、機能が追加されたんですよ」
「おぉ」
そうして出来上がったのは、公園に置いてある車の下に、シチューの入った鍋。
タイトルには、彼の。
とだけ、真意は不明。
今日も、モヤモヤしたまま就寝。




