4月26日 日曜日、食事は大事。
エミールにおやすみを言い、先ずはお風呂へ。
ミーシャに頭を洗われた後、朝食を食べながら食事の相談。
平日の朝は朝食セット、エミールとは少し交換する事に。
ワンプレート、一纏めがお気に入りだそうで、和洋折衷のプレートとミックスプレートを作る事に。
『でも、コレから暑くなるんじゃない?』
「確かに、麺類も候補になるんよなぁ」
「やっぱり素麺ですかね」
だが朝食に冷たい素麺は反対されたので、ショートパスタスープやお茶漬けが加わる事に、そして昼食の相談へ。
もう、こうなると朝も昼も一緒で良いだろうとなり、冷たい麺は軽食扱いへ。
ただ冷やし中華は例外、バランス良く食べられるので昼か軽食専用に。
「素麺のオカズとか付け合せがなぁ」
「油物は胃に良くないので、あの、向こうでは何を食べてました?」
「梅キュウ、つかネバとろ系を混ぜて、最後に飲む」
刻み納豆やオクラのネバとろ以外にも、薬味と言うか、歯応え系が箸休めとして添えられる事になった。
オクラの胡麻和え、キュウリや山芋の梅和え、エビチリ。
そしてエビメニューからガパオやエビトーストの話へ、お昼はトムヤムスープやエビトースト等の美味しいお店を探求する事に。
そして実験の為にと、浮島で日光浴をさせられる事に。
桜木さんは日光で眠気を催すタイプらしい。
頃合いを見て覚醒して貰い、実験の説明へ。
眩しいから残像を追う、そうすると落ち着いて寝てしまうと、また寝てしまった。
「ストレスですかね」
『まぁ、欲求不ぅぐっ』
「ショナを苛めて良いのは桜木様だけです、せめて起きてる時にしてあげて下さい」
実はミーシャさんもハーレム候補者、性別毎に内外にお局様が居ればバランスも取れるだろうと、賢人君からの助言で加入はほぼ決定事項となっているが、情報開示は追々でと。
桜木さんが知らない事への罪悪感は今回は無い、順序と段取りが特に重要で、仕方無い事なので。
お昼に行こうと言われ、ベトナム料理屋へ。
前にも来た、召喚者として爆買の際に寄った場所。
地図を見るに、第3世界でキャバクラや喫茶店に行った地理に似てる。
先ずは駅の裏手へ、ココも下町感が凄い、猫居るし敷地内にお稲荷さん居るし。
駅前には新聞売り、ロータリーには交番、少し遠くには昔ながらの魚屋さん。
ベトナム料理屋は反対側だそうで、大きな絵が書かれた高架下を通り、北口のロータリーへ。
広場なのか休憩スペースなのか植物がもさもさ、公衆トイレやベンチが有り、緑樹に混ざりアケビの木が植わっている。
クエビコさん曰く、夏の終わりには実が成るので鳩が多いんだとか。
知ってる、お祖母ちゃんが若い頃に住んでた場所、教えて貰った昔の姿にそっくりなんだ。
「ココが、夢の、ドリームランドの最初の場所なのよ」
お祖母ちゃんが言ってた様に、眼鏡屋さん、何でも置いてる服屋、良く連れて行って貰った喫茶店。
ゲーム屋さんに古本屋さん、大きな通りを渡ると、テーラーに床屋。
そして神社仏閣が横並びに建ち、密集する平屋の一軒家に猫。
三味線や長唄の練習が聞こえたり、公園からは遊び回る子供の声が聞こえたり。
こう、ココまで、どうして昔のままなのか。
「何処でもそうなんですが。地区開発の際に、どの時代に合わせるか議論が有ったんですよ」
地域の特色をかなり持たせた地区管理なんだそう。
戦後直ぐでは古過ぎる、かと言ってバブル崩壊後は印象が悪い。
だが花街を残すには駅前駅過ぎる、でもそう目立つ場所も、特色も特に無い。
なら地味なまま、街ごと懐かしい場所であっても良いんじゃ無いか。
駄菓子屋に、長屋未満の一軒家、料亭に旅館に飲み屋。
豆腐売りも健在で、お布団屋さんでは仕立て直しも出来るし、八百屋だって繁盛している。
意外と何でも揃うし住み易い、その評判はココでも同じ。
3を経たのに、やっと思い出すなんて。
「食べましょう、桜木様」
トムヤムスープの何とまぁ味の合う事、酸っぱ過ぎず辛過ぎず。
カオマンガイも鶏臭くないし、少し辛いナンプラーやお酢が掛け放題で、ガパオの卵は半熟なのにカリカリ。
サクラちゃんが居ない時は浮島で待ってるんだけど、お昼から帰って直ぐに一服して、そのままナイアスと何かを話して、そのまま寝ちゃった。
『ナイアスちゃん、嫌な事があったかだけ、聞いて良い?』
『……古い、良い、思い出し泣きです』
『成程ね、ありがとう』
15時からエミールと合流し、お出掛けだとリズちゃんから連絡が入った。
同行者はエミールとパトリック、大人リズちゃん、スーちゃん、賢人君にエナさん、蜜仍君。
遠くにはカールラとクーロンも居るらしい。
そして遊園地へ。
地方の巨大遊園地、春休み後とは言え混雑具合はソコソコ。
絶叫マシンが多数有る。
「やべぇな」
「だろ」
「今日だけで回りきれるかしら」
事前に家族行事をと半休を強制的に取らされていたので、実家へ。
そのまま隣の家の吹雪さん、小雪さんも加わる事になり、実家の人間と共に遊園地へ。
安定期に入った報告と記念にと、全員で記念写真。
前はどこか義務だと思っていた写真撮影も、こうして思い出の為なのかと思うと、もっと撮るべきだと思い知らされた。
お金の力でファストパスチケットが購入されていたので、取り敢えず半分は制覇出来た。
そして休憩。
園内のカフェテリアでオヤツ、普通にスーちゃんとリズちゃん食べさせ合ってる。
「なんだよ」
「普通にカップルに見える」
「逆なのにねー」
違うな、兄妹だコレ。
吹雪さんに合わせ乗り物から帰ると、また思い出話に花が咲いていた。
どうしてかを母に尋ねると、思い出を実地で共有すれば、子や孫へと思い出も記憶も引き継がれるから、忘れないで欲しいだけじゃない、良い記憶を増やす為だと。
だから、桜木さんのお祖母さんはアチコチ連れて行き、話し伝えたんだろうか。
一通りの乗り物を制覇し、観覧車へ。
乗る直前まで組分けジャンケン大会に、6人乗りの先発にはパトリックに賢人君とエナさん。
後発には自分とエミール、大人リズちゃんにスーちゃんと蜜仍君のチビーズ。
賑やかしい。
「暴れないでよ、普通に怖いねん」
「移動魔法有るだろ」
「そこはビビりなのね」
「そこはビビり、満員のエレベーター揺らしたらチョップするわ」
ニヤニヤした大人リズちゃん、やったら間違い無くチョップする。
そして温泉へ、夏季にはプールも有るらしい、普通にまた来たい。
それから全員で一軒家へ。
「どうだった」
「また行く、特に夏に」
「来週には改修工事で万年夏にするらしいわよ?」
「あ、また逆輸入か」
「おう、結界な。保温機能で年中プールに入れる様になる」
「全国で一気にだとアレだから、先ずはあの遊園地から」
「全世界に、な」
「良いのか、魔素とか」
「ただ消費されるだけじゃ無いから大丈夫なんですって」
《循環じゃ。人の良き気持ちが、魔素として出るんじゃよ》
『お前が偶に見るキラキラの事だ、人間はただ消費するだけのモノでは無いらしい』
『ただ、悪い気持ちだけだと消費するだけ、だからどうしたって心を良くしないといけない』
「楽しいとかな、それで色欲さんの店も潰され無かったワケだ」
「ある意味良い循環装置なんだものね」
「少数も取り零さない様に、だから無色国家も有るのに」
《じゃがまぁ、永遠に不満を溜め続けるなら、存在する対価が必要になると、とある神々が話に行ってのぅ》
『穏便に交渉が済み、1神1精霊の滞在が承諾された。以後、無色国家から人が出る事が容易となった』
『抜け出しきれなかった者の、歪んだ欲望が今回の問題の引き金だったらしいから、情報の取得と移籍を簡略化して、内密に出れる様にした』
「あぁ、家族とか繋がりの問題なのか、まして外に内通者が居るんだから安心して住めないし、罪悪感もか。ちょっとだけ同情する、ちょっとだけ」
「嘆願は好きにしたら良いさ、俺は絶対にしないがな」
「私も、同情の余地は有っても、悪質過ぎるから無理」
「なら、詳しくは知らないでおく」
ムカついてどうにかしても問題だし、触らないでおく。
夕飯後、桜木さんが省庁まで迎えに来てくれた。
今日は遊園地に行ったらしい。
家に入り報告書を読んでいると、賢人君が桜木さんの居る中庭へ。
来週はイチゴ狩りか、水族館か遊園地かとなり。
楽しくなり過ぎて不安になったので、中庭へ一服。
「桜木様、少し良いっすか?」
賢人君、何かと思えば、ショナの写真。
赤面やら困った顔やら、しかも休暇中にお出掛けしただと、羨ましい。
「家宝にさせて頂きます」
「で、休暇中に遊園地に行った話は聞きました?」
「いや」
「あー、へー、黙ってるんだぁ、ショナさん」
賢人君が振り向いた瞬間に、ショナが秒速で窓開けてんの、怖いわ。
「賢人君、なにか」
「休暇中の話っすよ」
「遊園地行ったんかい」
「まぁ、今日はお隣さんとも行きましたけど」
「ショナさん、俺とも遊園地で遊んだ事を何で言わないんすか?合コンもふぐっ」
「あらー?」
「いえ、合コンは、そもそも行ってませんし、行くと言ってませんからね?」
「ほう?」
「あ、違うんです、聞かれればと、誤解しないで下さいね?」
「ショナ、賢人君に酸素を」
「ふぅ、女の子4人とっ」
「賢人君に騙されて、遊園地には下見に行っただけなので」
「そのムーブは逆に誤解されそうよ?つか賢人君が死にそう」
「っぷは、んな事で殺そうとします?」
「誤解される位なら殺します」
「凄い、詳しく分からんから余計にモヤモヤする」
『賢人、もう煽らないで大丈夫』
「なんだー、エナさん、もっと早く言って欲しいんすけどー」
《ちょっと位はジェラシーもスパイじゃろー?》
『ややこしくしただけではないのか』
『それにちょっと、面白そうだったから』
「あぁ、エナさんも神様気質なのね」
『面白いは正義』
「負の学習してんなぁ」
『せいちゃん呼び出して、詳しく聞きたい』
「いきなり核心かよ」
『すき』
「話が飛ぶぅ」
「桜木様って、年下なら何を言われても平気なんすかね」
「より、幼く見えてるのでは」
「あぁ、見え方ねぇ、なんかもう、凄い面倒だなぁ」
おチビちゃん達と従者を送り届けて帰って来たけど、サクラちゃんの目が座ってる。
不機嫌なのか眠いのか、両方なのか。
『どうしたの?』
「ハーレム案を受け入れるなら、ハーレムしたいのかどうか、そう想定すべきだったなと」
『俺はしたく無いよ?誰の話?』
「ショナとか」
『無い無い、大丈夫、ちゃんと話し合った方が良いよ?』
「聞くは受け入れに繋がるから、無理、今度」
『はいはい、おやすみ』




