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召喚者の病弱日誌ー永住を決意したのは良いんですがー  作者: 中谷 獏天
第1章 厄災の後処理や、今後について。
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4月15日 コレ、シミュレーションゲームじゃないの?

 寝ても覚めても夜、時計を見るのを止め、ゲームに集中し、クリアしたので寝た。

 そして寝起きの寝間着のままに、2周目。


 次はルイちゃんルート。

 案の定、王子様だったが隣国の亜人でうっかりトキメイてしまいそうになった。


 いや、トキメイても良いのだが、コレワシじゃ無い感が出てしまうのよな。

 かと言って自キャラにモザイク掛かっててもアレだし、まるっきり自分でも萎えるし。




 桜木さんは特に時間が狂う事も無く起きたらしく、いつも起きる時間にゲーム画面が起動した。

 そして2周目の攻略へ。


 お昼寝もしっかりし、夕飯前には攻略完了。


「なぁ、サクラはどんな感じなんだ?」

『特に無いな、淡々としているが』

「そうなんですねぇ、てっきりジタバタゴロゴロしてるかと思ってたのになぁ」

「絵柄が好みじゃ無いんでしょうかね?」




 ハナが特にリアクションを出さないまま、3周目に入ってしまった。

 今度はジョージ君ルート。

 もしかして、マジで公務と思って。


 思ってそうよね。


「ぅううううまくいかなぃいいいい」

「どうどう。もう、ソレを超える魅力を足すしか無いっすよ」


「アレって何か、チートみたいじゃない?」

「楽しんで貰うには仕方無いっすよ」


 性転換の魔道具。

 私が最後まで反対してたから、ヒントの発動はコチラの任意になった。

 ましてルイちゃんを攻略したし、渡すしか無いのだけれど。


「だって、もうコレじゃあ乙女ゲーじゃ無いじゃない」

「誰かの心が乙女なら、乙女ゲーっすよ」




 3周目に入って侍従のジョージ君ルートを目標に設定して直ぐに、クリア特典として性転換の魔道具が得られた。


 良いのかな、良いのかしら。


「良いのかな、乙女ゲーじゃ無くなるかもだよ」

『賢人が良い事を言っていたぞ。誰かの心が乙女なら、乙女のモノだと』


「ガバい判定だけど、まぁ、女子も居るしね」




 桜木さんが特典の魔道具を受け取ると、プレイスタイルが変化した。

 女性キャラではカイ君へアプローチし、同性では侍従のジョージ君を落とす方向へ。


「欲張りスタイルだなぁ」

「リアルで桜木様なら、コレ位じゃないと楽しめないのかもですね」

「1人だけだと、物足りなさが有るんでしょうか」


「そこで俺を見る?」

「すみません、失礼しました」


「まぁ、1人だけで満たされるかどうかは、正直言って分かんない」


 色々と経験の有るアレクですら、自身だけで桜木さんを満たせるのか分からないらしいが。

 何をどう満たせ無い不安が有るのか。




 なんだかんだ、楽しんでしまっている。

 良いのかしら。


『楽しんでいるのか、外からでは分らんのだが』

「楽しいですよ」




 そして今回は思いの外ハマったのか、就寝時間を過ぎてなお桜木さんは続行中。


『おぉ、とうとう身悶えしたぞ』

「侍従のジョージでかよ、マジかぁ」

「そう言った願望が有るんでしょうかね」

《アホじゃのぅ、現実が邪魔しておるんじゃよ。女性性への嫌悪や否定が楽しめぬ理由じゃろう》


『その様だな、エナも同意している』

「俺はどっちでも、カエルのままでだって良いのになぁ」


 仮に僕もそうだとしても、伝えれば僕をカエルとして認識するかも知れない。

 アレクの後に伝えてみても、ただのフォローだとしか思われない可能性が高い。


 そしてゲームの中でも、桜木さんが攻略されるルートが見えない。




 ゲームは深夜にまで及んでいるものの、ハナのリアクションはそこそこ、そしてショナ君もアレク君も未だに攻略出来無いまま。


「はぁ、ショナ君もアレク君も攻略出来無いままだし。吸血鬼達は帰ってくれないし、ハナは夜ふかし始めちゃたし」

「しっくりくるんすよねぇ、この新モードの性転換した桜木様」


「ココの人に偏見が無いのは分かったけれど、だからってハナの対象者が増えるワケじゃ無いのよね。マイナスが0になっただけで、プラスは望めないんだし」

「ま、録画出来るんですし、もう寝ましょう」


「そうね」

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