4月8日 嬉々として女体化するのは、良い事なんだろうか。
6時半に起床、食事の準備も何もしなくて良いので、ぶっちゃけ早起き過ぎる気がする。
取り敢えずは花子のまま、アレク狼と河川敷でダッシュ。
普通の靴で秒で捻挫したので、テンションが下がった。
家に戻って太極拳の練習。
蜜仍君が起きたら洗濯機を回す、そして朝食。
洗濯物を干す前に一服。
洗濯物とお布団を干す。
今日から自主練。
女性従者に来て貰い、入浴後にお化粧とヘアセットの監督をして貰う。
先ずはお化粧。
「一般的には問題無いかと」
「雑では?」
「過程は良いんですよ、出来てれば」
「ライト過ぎでは?」
「丁度良いかと」
「甘過ぎでは?」
「いいえ、バッチリメイクや式典等ではプロがいたしますので問題無いです。次は髪にいきますよ」
「はい」
セパレートされ、渡される髪の毛を三編みしていく。
今度はそれを少し緩めて、渡すだけ。
「基本は以上です」
「ほぼやって貰ったんですが」
「もっと簡単に出来る道具も有りますので、ご自身で練習をどうぞ。そもそもこんなに長い人はおろしてます、そして適当に纏めてるんです。召喚者様とバレ無い為のヘアセットですので、公務の範囲内なんです。そんなに働きたいなら、他の事をして下さい」
「はぃ」
「では、次は着物の着付けですね、先ずはご自分でどうぞ」
「はい」
専用のブラもタオルも無し、ただ浴衣の延長線上で着るだけ、問題無いのか帯を締めるだけとなった。
結び方は半幅帯で角出し風二筋太鼓。
着物が硬い生地なので、滑りの良い板を噛ませ、前で結んで後ろに回す。
「良いでしょう、次は御老体になって練習して頂きます」
帯を締める前に挫折、体力が、マジで増量しなくては。
「休憩したいです」
「良いでしょう、津井儺君」
「はい」
「この、貝の口ですよ、お願いしますね」
「あの、折れそうで怖いんですが」
「折れたら折れたで治して頂きましょう、では始めて下さい」
「はい」
ある意味ショナにもスパルタ。
揺さぶられながら何とか完成。
「増量します」
「是非お願いします」
「良いでしょう、休憩に致しましょう」
目を覚ますと、お婆さんが縁側でお茶をしていた。
女性従者にショナさんも。
「桜木様?」
「おはよう蜜仍君や」
「桜木様、年齢を対価に?」
「魔道具じゃよ」
「本当ですか?戻って貰えます?」
「はいはい」
魔道具を外すと、いつもの桜木さんに戻った。
良かったぁ。
「良かったぁ、ビックリしちゃいましたよぉ」
「若さは大事だから対価には早々せんよ」
しないって言わないのが桜木様の良い所と悪い所、女性従者を省庁まで送り、パジャマに着替えてから一緒に朝食。
桜木様が作ったプレートと野菜ジュース、次の朝食プレートのご相談。
「炭水化物盛り盛りですか?」
「増量用に、おにぎりとサンドイッチと、ホットドッグ?」
「肉類と魚貝類は分けましょう、好みが変わるかもなので」
「流石ショナ、もう、1ヶ月なっちゃう?」
「何かの罰ならお受けしますが」
「僕、夏休み中なら大丈夫ですよ?」
「未成年はまだ議論中でして」
「柔らかい時期だからねぇ、性転換希望者以外は遅い方が良い気もするし、難しいよなぁ」
「残念、痛いの耐える自信が有るのに」
「それはね」
「それは、ですね」
ショナさんと桜木様が、微妙な得も言われぬ微笑みで僕を見た、何でだろ。
「行ってきまーす」
「行ってらっしゃーい」
桜木さんと共に、何とも言えない顔で蜜仍君の発言を流してしまったが。
桜木さん曰く、コレはマジで人間の議論に任せる、と。
僕も賛成し、報告書の作成に。
桜木さんは砂糖漬け作りを再開、無音は嫌なのかヘッドホンを付け始めた。
「流しても大丈夫ですよ?」
「じゃあ、少し」
多次元者さんの曲、もう普通に好きな曲のリストが出来上がっている。
ライブに行くなら、どっちなんだろうか。
お店が始まる前、9時半にアレクを起こす。
庭先でブラッシングし、吸引、おひさまの匂い。
朝食はプレートと野菜ジュースを進呈、アレクは引き続き和菓子屋巡りをする事なったのだが、もう少し範囲を絞る事に。
「甘過ぎは嫌なんだろ?」
「だね、ココらは甘い」
『絞った』
「味、数値化されてんのか」
『高性能なレビュアーが居る、味の評価は精密、ハナと味覚が合ってる』
「便利」
『もっと要望が有ったら絞れる』
「重くてシットリし過ぎ無い方が良い」
松風はふわふわシットリ、餡は少なめ、カステラもふわふわシットリが好み。
エナさんが数をかなり絞ってくれた、着物を着直しアレクと二手に分かれ買い物へ。
何軒か和菓子屋を巡り、お寺の近くを通った。
花まつり、甘茶を配っている。
「寄ってみますか?」
お参りし、仏像に甘茶を掛けたり、甘茶を飲んだり、おみくじも1つ。
待て。
「ですよねぇ」
「ですね。お花配ってますけど、どうします?」
蓮の花。
「貰うでしょう、頂きます」
お花を貰ったので、そのまま商店街に貢献する事に。
お惣菜や野菜にお茶、お稲荷さんやお魚も買って一軒家に。
泉の端に蓮を根付かせる。
賑やか。
「賑やかになりましたね」
「ですな」
再び部屋着に着替えてお重を取り出し、並べる。
アレクを呼び出し和菓子も並べさせる、ある程度揃ったので選別へ。
正直、そんなに不味いの無いんだよなぁ。
そのまま手持ちを詰め込み試作品を増やす、日替わりの品にはごまダレ団子か、みたらし団子か。
芋金時に栗の茶巾、抹茶羊羹に芋羊羹、栗の渋皮煮か煮豆、うぐいす色や桜色の蒸しパン。
彩りは砂糖漬けのお陰でギリギリ。
中段のお稲荷さんは日替わりで、下段にお煎餅とお漬物。
『良いと思う』
「どうも」
『田道間守、渡してあげて』
「はい、その様に」
「神様を使わんでも」
『忌憚のない感想が欲しく無いの?』
「お、おう」
大きいお重も使い詰め合わせを作る、隙間はそのまま、蒸しパンはミーシャに作って貰うとして、お重が余ってる。
普通に、お弁当として使おうか。
桜木さんのリクエストで、お重を普通にお弁当箱として使う事に。
浮島で中身を作る間、桜木さんは川でザバザバ泳いでいる。
『ショナは良いお嫁さんになると思う』
「どうも」
おにぎりとサンドイッチ。
アスパラベーコンと竹輪梅胡瓜、フィッシュフライと唐揚げ、シラスとほうれん草の卵焼き、人参のたらこ炒め、バスケットに山盛りのフライドポテト。
「天才か」
「どうも、気に入って頂けて何よりです」
「最高のピクニック弁当やん、お弁当楽しいな、作りたい」
可愛いと思ってしまったのと同時に、可哀想だとも思ってしまった。
遠足も見学も満足に出来無かったからこそ、お弁当が楽しくて特別で。
この気持ちは、同情心なんだろうか。
「じゃあ、食後にでも買い出しへ行きましょうか」
「おう」
紫苑さんと車で近くのホームセンターへ。
そして業務用スーパーで冷凍食品を買い、再び浮島へ。
最大サイズのお弁当箱いっぱいの海苔弁を2つ、自分で作って大爆笑していた。
「足ります?」
「分かんなぃ、ぃひひひひ」
「豚汁合わせましょうか」
「なら芋煮が良いな、お醤油の」
お昼ごはんの時間になったので、僕とアレクとエナさんは朝食プレート、桜木さんは元に戻って海苔弁当を完食。
流石に野菜不足が気になったのか、第2弾ではアスパラベーコンとほうれん草の胡麻和えを加える事に。
「食ったなぁ」
「腹やべぇわ」
「作っておきましょうか?」
「ダメ、極める」
欲張り3段から海苔は2段へ、海苔の下には昆布の佃煮、長い竹輪を半分にし磯辺揚げに、白身フライとアスパラベーコン、ほうれん草の胡麻和えが加わった。
付け合せは里芋と牛肉、ネギと椎茸の入った芋煮。
「完璧ですね」
「お陰様で」
次に起きて来た白雨さんを浮島に呼び、朝食にとプレートと芋煮を提供。
木陰に呼び白雨さんにチョーカーを付け、魔石に触れた。
魔力を流したのか、白雨さんが大きな白い犬に。
「その、それは」
「プレゼントに投げ渡された1つ」
ブラッシングされ撫で回され、一緒にウトウトし始めてしまった。
「大丈夫でしょうか」
『自力で解けないから放っといても大丈夫、人間の時よりは戦闘力上がってる』
「あぁ」
最弱の白雨さんが、今なら最強かも知れない。
白雨犬とボーッとしていると、ショナが白雨と戦闘訓練がしてみたいと。
デカいしな。
お互い無手だと良い感じ、戦闘力上がってんじゃん。
「白雨は犬の方が良いのかも知れんな」
低く吠えて尻尾振って、良いんかい。
そのまま蜜仍君が帰って来たので戦闘訓練続行へ。
眺めるだけも何なので、今度は紫苑でバク転の練習。
「補助有りました?」
「性別が間違ってるのかも知れん」
「えー」
「いや、全部の性別よ。そしたらちゃんとハーレムじゃん」
「確かにそうですけど」
「もうちょっと待ってて貰えます?」
「いや、蜜仍君は他所の子貰わないと」
「あ、それ変わったんですよ、行き来が自由になりましたし」
次代ですら、もう完全な自由なんだそう。
最初に揉めたあの子は、記憶を消す事無く会いに行き、撃沈したらしい。
「なんで」
「幻滅しちゃったみたいです、思ってたのと違うって帰って来ちゃいました」
「恐ろしいですね、蛙化現象」
「あぁ、第2世界でもソレで文通が賛否両論だったのか」
『多分そう、文字だけじゃ、匂いが合わないと限界点がくる』
「マジの生物学的なフェロモンか」
『最初は近親婚を避ける装置だったけど、時代によって変化し続けてる』
「桜木様は良い匂いです」
「思春期越えてから再考してくれ」
「大人サイズでの感想ですよ?」
「鼻孔がぶっ壊れてんな」
「違いますってばー」
「じゃあ紫苑はどうなの?臭い?」
「魔道具、貸して貰えます?」
紫苑さんの香りチェックが始まった。
先ずは大人蜜仍君、紫苑さんはヌイグルミを抱え俯せに。
「緊張する、臭かったらどうしよう」
《薔薇でもムシャるんじゃな》
『食い物に左右されるらしいぞ』
『うん』
「あれ、薄いかも」
「おぉ、女体化はどうだ」
「はい」
可愛らしい女性、身柱の女性化に似ている気もするが。
「可愛いなぁ、女せいちゃんみたいやん」
「匂いします、不思議、ちょっと違う感じです」
「ショナもそう感じた?」
「いえ、嗅いで無いので」
「勿体無いですよ、こんな風に嗅ぎ比べって早々出来無いんですし」
「そもそも、君が嗅覚過敏過ぎでは?」
「そんな事は、じゃあ、白雨さんどうぞ」
「【解除】」
白雨さんが人型で嗅ぎ、女体化でなお無言で嗅ぐ。
『犬の時はどっちも良い匂いだった』
そして同性でも僅かに匂うそうで、性別によって良い匂い、凄く良い匂いに感じるんだそう。
そうしていると今度はアレクが帰って来た、抹茶きんつばをゲットしたそうで、それを渡しにと。
そのままアレクが匂いを嗅ぐ事に、白雨さんと全く同じ意見。
そしてエナさん、コレも同じ。
「桜木様の血が少し入ると変わるんですかねー?」
「ほれ、次はショナだろ」
先ずは犬で、今度は性別を変え再び犬で。
違いが分からない、人間に戻っても、性別を戻しても。
と言うか、紫苑さんから寝息が。
「もしかして、寝てます?」
「ですねー」
「で」
「犬化は別にしても、全部、同じ感じだったんですけど、騙してます?」
「違いますけど、何ででしょう?」
「普通の人間はショナだけだもんなぁ」
『最初から犬化しておけば良かったのか』
「他の人でも出来るんでしょうかね」
「いたっ、なにこれ」
《ハナ専用じゃ》
『ハナにも使えるらしいんでな、安全装備の1つだ』
「桜木様のもふもふかぁ」
食って動いて寝て、起きたのはオヤツの時間。
一軒家に戻り花子で久しぶりの体重測定。
「あらー」
「桜木様、もっと食べて飲んで下さい」
ミーシャにしっかり記録され、本格的に増量する事に。
和菓子と仙薬でお腹を満たし、夕飯はピザに決定された。
夕飯までは蜜仍君とエミールと歴史のお勉強。
桜木さんの知恵熱が出る前にお風呂へ行かせ、夕飯の準備。
野菜ジュースを最初に飲んで貰い、アレクが買って来たピザを皆で食べる。
エンキ神のエリクサーで消化を促し、満腹まで食べて貰う事に。
厚切りフライドポテトなら無限に食べれるそうなので、常食に追加となった。
お腹がこなれるまで映画鑑賞。
就寝。




