6月29日 速読じゃ無いのよ。
浮島へは行ったが、結局は温泉に入ってイスタンブールへ。
そのまま爆睡し、今日もドリームランドの海上都市を見付ける事が出来なかった。
「おはようございます、桜木さん」
「本妻さん、海上都市に行けない」
「少し待ちましょう、第2とは仕組みが違うんですから」
「ですよね、うん」
今日は不要不急の扉の使用は禁止。
脳味噌を空っぽにする為、読書。
ハナがタブレットで漫画を読み始めた。
前も今も、俺様オラオラ系は駄目、騙す系も駄目。
もっと早く読んでくれてたら、くれてたらズルっこになる?
『マティアス、ハナの読んでるのの傾向が分かったんだけど』
《それはまだ、エナさんだけの情報にしといたら?》
『良いの?』
《うん、もう知ってると言えば知ってるし》
何度も照らし合わせるのが普通なのに、なんでだろう。
『リズ、凄いハナが読んでる』
【アレな、読んでないのも有るぞ、読了時間違うだろ】
『うん、凄い短いのもあるけど』
【気に入らないとそうなる、ワンチャン良いシーンが有ったら、今度はそこからちゃんと読む。つか、選り好みが、まぁ、好みだし仕方無いか】
『性癖と違う?』
【どうなんだろな、好みから性癖になったかもだが、楽しめてんのかね】
『熟読してるのはある』
【それも分からないぞ、思考して手が止まってるだけかもだし】
『んー、もっと学習したい』
【色々と踏み込む領域だから、ちゃんと聞いてやれよ】
『わぱっぱー』
扉の不要不急の使用は禁止したんだが。
どのBLが好きか教えろと、オススメ教えるから教えろと、ウチのAIエナさんが乗り込んで来た。
「なぜ?」
『すきだから知りたいの』
「もう知ってるでしょうに」
『もっと』
「はぁ、はぃ」
もう本当に、好みの領域を解説させられた。
どう駄目で、どう良いのか。
『漫画でも頭でっかち』
「うん、知ってる」
『なんでコレばっか?』
「基本は短編で終るし、雑食出来るし、時に凄いのが有るから好き。それと前からコッチの方が感情移入し易い、少女モノは全く重ねられないのよ、人生が違い過ぎるから」
『性別を超えて想像する方が楽?』
「だね、生まれ変わったり魔法が掛かった自分と思う方が楽。それと、性癖とは別なのと、こうスムーズに致せる事には違和感無し、描写されて無い場所で処理してるかもなのは、どっちでも一緒なんだし」
『したい』
「灯台効果か?」
『私は分かんないけど、したい』
「純粋無垢は好きだけど、知識と知能がしっかりしてるの前提だからな」
『言動が幼いと駄目なのか』
「駄目じゃ無いからラインを守れと言っている。自己処理出来るでしょ」
『出来無いと駄目?』
「好きな人に想像して貰うのは良い」
『見る?』
「見せたがりかぁ」
『違うもん、ハナにだけ』
「うん、言動が幼いと不安だわ、クエビコさん」
『ふふ、だんまりだ』
「クエビコさんにも欲は有るんだろうか」
『有るよ、木だ』
『余計な事を聞き出さないでくれ』
「すまん、つかフリーズしてるけど大丈夫か?」
『じゃまされてる』
『余計な事を言うからだ』
「ごめんね、繊細な部分だったね」
『いや、そうでは無いんだが』
『抱きた』
「フリーズ怖いな、ちょっとエナさん置いてそっち行くか」
『やー』
エナさんにゴネられ、久し振りのクエビコさんの聖域へ。
謎の巫女様方へお菓子のお重をお渡しし、木の根本へ。
「ドリアードは?」
『来たり来なかったりだ』
『一応遠慮はしてる』
「そう」
『欲の話をクエ』
『ふぅ、お前の方で黙らせてくれんか』
「何を躊躇っておいでで?」
『ワシの好きもエナへと伝わっていると言う事だ』
「お目が高いんだか奇特なんだか」
『ハナは木でも気にしなさそうだし』
『そこをそう好いたワケでも無いんだが、まぁ、この身体を心配してくれたろう。人として、心配をしてくれた』
「見た目がそうならそうでしょうよ」
『だが元はカカシ、そして今は木であり神だからな』
『神も人も意外性を好むの』
「意外過ぎてビックリよ、召し上げにも名乗り出なかったんだし」
『植物より人の温もりだ。それにロキの様に何処かへ連れて行く事も、エナの様に様々な情報を送る事も出来無い。かと言ってココで過ごさせるだけでは不憫だしと、お前には幸せになって欲しいと思っている』
『だからもっと情報を共有すれば良いのに、私に譲るから嫌い。半分だけど一緒なのに、半分も要らないって言う、一緒が良いのに』
「だそうだが?召し上げが心配?」
『影響して開花してバレちゃうのが心配なんだよね』
「ヒサカキちゃうやろ」
『嗅いでみるか』
何ならちょっと良い匂いだが。
「何が嫌なのよ」
『木だぞ』
『昔の張型はっ』
「フリーズ芸怖いわ」
『余計な事ばかりを言うからだ』
『照れてる』
「ウブか」
『雌雄同体で番う概念が無いものね』
『まぁ、そう言う事だ』
「召し上げにならないなら良いんじゃ無い?どんと来い」
『男らしいとこもすき』
『思い切りが良過ぎだ』
「おう、ヤってやんよ」
だって人っぽい部分は美少年だし、余裕っすよ。
桜木さんとエナさんが帰って来た。
嗅ぎ慣れない、花の香りの様な匂いがする。
《真榊の花の匂いじゃのぅ》
『良いでしょー』
「まぁ、そう言う事です」
お祝いにと赤米入りの粽を作ってみたのだけれど、好評だったので次も作る事に。
「実は山菜おこわ好き」
「茶飯も好きですものね」
「是非にも作らないとですね」
オカズは鰆の甘味噌焼き、角煮、山菜の箸休めとキノコのお澄し。
「マティアス何でも食べるよね」
《だって美味しいもん》
『ショナのご飯おいしい』
「ありがとうございます」
そして今日は、僕の日だけれど。
「まぁ、ちょっと温泉に寄らせておくれ」
「はい」
石鹸をショナに選んで貰い、改めて風呂に入ってからイスタンブールへ。




