表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
5/8

黄昏2

「俺が、手塚治虫なら、晩年、家族とのコミュニケーションを優先する」


僕は、兄の、こういう言いぐさが前から気に入らなかった。だから、はっきり言ってやった。


「兄さん、それは漫画の神様である、手塚治虫先生の自由で手塚治虫は、最後まで漫画を描きたかったんだよ」

兄は、大分、酔いが回ったかんじで顔をしかめて、こう返してきた。

「フェルメールも手塚治虫も生前、偉大な功績を納めてきた。彼らは最後の最後まで己が己の信じる道を頑張ることによって死後、それはそれは素晴らしい天国に行けると、頑張っていたのではないか…?と俺は感じるんだよ」


「…だとしてもいいじゃないか!!それの何が悪いの?兄さん!」


「病気や、身体に出る症状は何かのサインでは、ないか…と俺は、ふと思うことがある。

フェルメールは、絵の神様と仰ぐ人もいて、手塚治虫は漫画の神様、

でも本当の神様は、二人に、晩年、

『もう描くのを止めなさい』とメッセージを送っていたのではないか?…ってな。」


僕は、ちょうど、その時、晩御飯を食べ終えて、それらをかたづけながら兄をろくに見ずに言った。


「兄さん、フェルメールの番組でナレーションをちゃんと聞いたよね?フェルメールは描きたかったから晩年も描いていた。手塚治虫先生も然りだよ」


何も言い返されなくて、僕は兄を見ると、兄は、僕をただ見ていて、そして、ニヤッと笑うと、

「お前なら、きっと、そう言ってくれると思ってたよ♪

いや~、でもさ、俺も今頃、誰かステキなヒトと結ばれていて家庭でも持っていたら今、ここにいないし、お前に今夜、こんな話もしなかったと思うんだよ♪メンゴ、メンゴ!!」と、そそくさと自分の部屋に駆けて行ってしまった。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ