初戦闘
長いかもしれません
叫びながらこちらに走ってくる獣。その姿は狼に近いが、明らかにでかい。3メートルぐらいありそうだ。てか、やばい、体が動かない…このままだと、死ぬ。
「我らに聖なる守りを……ライトシールドっ!」
そんな状況を助けてくれたのはリアだった。俺の前に青く輝く盾のようなものを出し、守ってくれたようだ。
「これはもしかして…ま、魔法??た、助かった…」
「なんで、ここに魔獣が…っ、葵さん!早く下がってください!私の魔法では足止めが精一杯です!この魔獣は止められません!」
「あ、ああ……悪い助かった、できれば逃げた方がいいんだろうけど…これ、逃げれると思う?」
「無理でしょう。この魔獣が、私たちを逃がしてくれるとは思えません。せめて葵さんだけでも逃げてください、時間は…稼ぎます、から。教会の中にいれば、安全なはずです。」
そう言って覚悟を決めたように前に出るリア。いつの間にか杖を手にしている。…それはそうとして
「女の子置いて逃げろって言うのかよ、リアさんがこいつに勝てるのなら、俺はそうしたけど…そうじゃないんなら、逃げる気は無い。そもそも教会の中に戻ってもこいつが来ないとも限らないし、食べ物はないから餓死する可能性だってある。」
「ですが…!!ここで葵さんが死ぬよりましです!!私なら死んでも…誰も悲しみませんから!!」
「俺は、リアが死んだら悲しいよ。この世界に来て初めてできた友達だ。」
「葵…さん?」
「だから、自分が死ぬことより…今どうすればいいか考えようぜ。例えばあいつの弱点とか」
「……魔獣も、動物と同じく急所を刺されたり、首をはねられたりすれば死にます。それから魔獣は瘴気に侵された存在でもありますから、浄化という手段も…」
「武器も何も無い状態で首を跳ねたり出来ねぇよな…となると浄化…なんだろうけど、出来ちゃったりしない?」
「時間をかければ出来ると思いますが…その間ライトシールドは使えません。ですから、葵さんに時間を稼いでもらわないといけません。それに、出来ても倒せるかどうか…」
「倒せる可能性があるんならそれにかけるだけだ。問題は時間の稼ぎ方だけど…なぁ、転生者って力を使えるんだよな?どうやって使うんだ?もし使えなくても、ライトシールドみたいなのって使えたりするか?」
予想が正しければ、転生者は力を持って転生する。それが何なのかは分からないが…あるのなら、まだ希望はある
「…その様子だと、魔力やマナは知らなそうなのでライトシールドは難しいでしょう。となると転生者の力ですが…自分の内に、語りかけてみてください。そうすればわかると思います。少なくとも、私の嘘を見破る力はそうです」
「りょうか…」
い、と言おうとして、パリンっ!という音が聞こえる。ついにライトシールドが破れたのだ。
「…浄化頼んだぜ、リアさん。さぁ…よくわかんねぇ獣さんよ、お前の相手は俺だ!!」
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