餓死しそうです。
「お腹空いた…何か、食べられるものはないのか?」
いい加減空腹も限界になり、横にいる少女に聞く。
「ごめんなさい、今は何も無くて…今から街に行くには時間がかかりすぎますし、我慢して頂くしか…」
…何も食べれないと分かり、絶望しそうになる…いや、待てよ?もし俺の世界の知識が通用するのなら…森には動物がいるはずだ。
「なぁリア…さん、森に動物は居ないのか?居るならそれを狩って食べることって、できるか?」
少しの望みをかけて、リアに聞いてみる。
「…いるにはいますし、この森には魔獣などはいません。うさぎや鹿ならたくさんいますから、確かに狩りには困らないのですが…」
「…もしかして、殺したくない…とか?」
コク、と頷くリア。その顔は明らかに、殺したくない、そう言っている顔だ。仕方ない、なら別の手段だ。
「そうか、なら仕方ない…じゃあ、次の質問だ。この辺に、食べられる果実の成る木はあるか?」
そう、何も森には動物だけが居るだけではない。果実だって食べられる。無人島に漂流した時にヤシを見つけたらラッキーだし。
「果実なら確かにあります、ですが…いいのですか?葵さんだけなら、動物達を狩って肉も食べられるのに…」
「1人だけ肉を食べるようなことはしないし、殺したくないと言うのなら殺さない。そもそも俺には動物すら殺せないと思うぞ、何も力を持っていない。」
「転生者は必ず力を得ます。そんな事はないと思いますが…今は果実の方が優先ですね。ついてきてください。力の確認は、後で行いましょう」
力の確認が出来るとは驚いたな、なにか生きるために便利な力のひとつでも貰えてるといいのだが。
「どっちも頼んだ、リアさん」
歩くこと5分、物凄く綺麗な果実のなる木があった。
「…これか、さっさと頂くとしますか」
そう言って踏み出そうとした直後…リアが叫んだ。
「下がってください!!!!葵さん!!危ない!」
「ん?特に何もな…い…」
「がるるるる………がああああああああああ!!!!」
……やべぇ、死んだかもしれない
良ければ感想など頂ければと思います