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至高
1965年式 tritmph TR6 trophy
様々なバイクに乗ってきた父が
"終のバイク"
と位置付けたこれが今の私の愛機だ。
まだ幼かった私だけど
「パパのバイクが止まったから迎えに行ってくる」
と出掛けて行く母を何度か見て「新しいパパのバイクは壊れる」と認識していたのは当然の事。
だけど…
これを世界一美しいバイク
と言う父の誇らしい顔はその気持ちは分からなかったけど、今も脳裏に焼き付いています。
「じゃあ帰るね~♪」
一連の儀式を終え、渾身のキック一発
「ブロロロンッ!」
少しのブリッピングの後、その車体をユッサユッサと揺らすように落ち着くアイドリング。
「やっぱりうるさぁ~い!」
「気をつけて帰りなさい」
妹と母それぞれの言葉を聞きつつ
「ガシャ」と1速に入れてそろそろと走り出す。
アクセルを少しワイドに開けるとブルブルと震えながらそのトルクを解放する小さな車体。
「う~ん、やっぱりキモチイイ♪」