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新風  作者: Jan
5/10

思い出

私が物心つく頃には身の回りにオートバイがあるのが普通でした。

それもどれも製造から3~50年経った年代物ばかり。


「パパは毎日仕事に乗っていくから、面倒見てやらないとダメなんだよ。」


と休み毎にオートバイの修理やら、メンテナンスをしている父を幼い私は「オートバイのお医者さん」と言っていました。


今私が乗っているバイクは妹が産まれる直前に父が「バイク乗り人生で最後のバイク」と母に頼み込んで購入したものらしく、


私には良く


「七海、このバイクは世界で一番立ち姿が美しいバイクなんだよ」


と言っていたものです。


当時の私は意味も分からずふ~んと思っていただけでしたが、地域のコミュニティを主催していた父のバイクは、やはりそれなりに認知されたものだった様です。



「親父さんは…残念だった。俺も長い間ご無沙汰で最後の挨拶にも行けなかった。」


「気にしないで下さい。父は大袈裟な事が嫌いで、葬儀も密葬にしましたから。バイクでは死なないって言ってたくせに、病気でアッサリと亡くなるなんて」


「そうか…苦しまずに逝ったなら、まだ救いがあるな。」


看板持ちのおじちゃんはそれでも申し訳無さそうに呟くのでした。

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