白物魔家電とは
白物魔家電の楓が貴方を不思議な世界にご招待する、です。
この地には、本当に色々な謎がたっくさん、です。
そんな、てんこ大盛りのお話をお楽しみ下さい、ですぅ。
始まるっす、ですよぉ
序章
白物魔家電とは、
家電という言葉を聞き、どう感じるだろうか?
電化製品として一般家庭に普及している冷蔵庫や炊飯器、電子レンジなどを多くの人は想像するだろう。
これは、俺の元にある一台の家電がやってきて、始まった物語だ。
その家電は自分で考えて動く、もちろん話す事もできる。
そして、びっくりするぐらい美少女の造形だ。
現在、家庭用の掃除機でも自立で動く物が市販されて、別の製品では会話をすることができるロボットがすでに開発、販売されている。だが、この家電を知ると、それらが”おもちゃ”だと思えてしまうだろう。そのぐらいの凄い性能を有している。それが、未来から来た白物魔家電の楓だ。
魔術と科学が融合し、魔科学なるものが未来に産声をあげた。
その技術が人工的な生命を生み出し。それによって出来たアンドロイドが楓だ。これは、魔波動というエネルギーを動力源として活動する。
魔波動については話が進めば明らかになるだろう。
だから、楓について少し話すことにする。
この家電の性能は優秀なのだが、性格は残念としか言いようがない。
まず、挙動がおかしい。そして自分の欲求に素直だ。そして、一番最悪な点は、行動の全てが主人の為になる、と思っている事だ。後先を考えずに突っ走る、非常に迷惑極まりない存在だ。
廃棄処分をしたいのだが、どのように分別してよいのか不明だ。
冷蔵庫の横に貼ってあった、市の家庭ごみ分別リストには表記されていない。そして、市の有料廃品回収の欄にも家庭用アンドロイドとは記載されていなかった。
どうしようもなくなり、ブラウザを起動して、市のホームページを検索をしてみた。
そこには分別検索なるものがあった。早速検索をしてみよう。だが、アンドロイドで検索をすると携帯電話と検索結果が表示された。だめだ、これじゃない。
続いてロボットで検索したがロボット掃除機 (家庭用)と表示された。やはり無理だった。検索を続けると区役所に設置されている家電回収ボックスという存在にたどり着く。そこには投入口30cm×15cmに入る長さ30センチ未満の物と注釈があった。こんなに小さいボックスに楓はとても収まらない。
楓の大きさは縦150㎝ぐらいだ、これが収まる資源回収BOXは出来ないだろうか? 市の早い対応を願って止まない。その時、俺の背後に近づく影があった。
「ご主人なにかお悩みなの、ですかぁ? はっ!? もしかして楓の事をお考えなの、ですかぁ。もしぃそうなら凄く照れるの、です」
そう、こいつだ。これが楓だ。
語尾に”です”を付けて喋る。へんてこな家電だ。
「そうだな。お前の事を考えていた」
「うひゃぁ、ですぅ。相思相愛のご関係、ですねぇ。実はぁ楓はいつでも、ご主人の事だけを考えているん、ですよぉ。きゃぁぁ言っちゃった、ですぅ」
そうか、よかったな。
プログラムの再インストールはできないのかな?
そもそも説明書や保証書すらない。そもそも、サポートセンターがないのが困る。
未来の魔家電量販店も、まだ開業していないだろうし。せめて、どこかに製造元の表記はないだろうか? 返品したい。
「そんなにぃ見つめられると、楓はおかしくなる、ですぅ」
「それは大丈夫だ、もうすでにおかしいからな。気にするな」
楓は俺の話を聞くと、愕然とし口を開けたまま固まっている。どうせ次に言う言葉はひどいだの、なんでだろう、だと想像ができた。
「なんで、ですかぁ? ひどい、ですよぉ」
……ほらな。
さて、こいつの出会いについて話をしないと始まらない。
スイスの暴挙についても後で説明しよう。
ちゃんと見ていないと、楓はとんでもない事をしでかすから。
さて、話が進めば色々な謎が解明していくだろう。
俺を取り巻く世界の新しい一面を共に歩もう。
未来は現在とつながり、その原点は今ここから始まる。
『白物魔家電 楓』の話を今始めよう。
白物魔家電 楓の物語にお越しくださりただ感謝いたします。
未来から来た美少女アンドロイドの楓は無邪気で楽しいキャラを考えました。
いちゃいちゃ、ドロドロにならない話は、今まで見たことのない主人公との絡みを生み出すかもしれません。
おかしなロボットと主人公のお話にお付き合いいただければ幸いです。