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魔術師は現代社会に殺される  作者: 軌跡
第二章 弱者の居場所
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残忍な荒療治 9

「……」


「フェイ?」


 彼女は暗い――怒りを蓄えた表情で、角利の横に歩いてくる。

 恐らくは、こちらと敵対した時の。それを上回る感情だった。


「先ほどのオーク、人を抱えていました」


「人を……?」


「顔は一瞬しか見えませんでしたが、妹かと」


「っ」


 厳しい顔付きになるのは必然。こんなところで油を売っている場合ではない。


「お、追わなくていいのか?」


「向こうの地区にもギルドが出ていますから、彼らに任せるべきでしょう。……それに会長が寝ている間、独断での行動はつつしむよう釘を刺されました。下手に動けば、現場を混乱させる可能性もあります」


「でもだな……」


「大丈夫ですよ。彼らがいくら卑怯で愚劣で外道だろうと、最低限の仕事はするでしょうし」


 でも怒ってはいるらしい。

 まあフェイの意見には一理ある。昨今は魔術師が批判される時代だ。もしヴィヴィアを見殺しにするなんて結末、翌日の朝刊が魔術師への非難で埋まるだろう。殺戮者の一族、とかで。

 ――昔はその一族に匿われていたくせに、皮肉なものだ。価値感の変化がどれだけの劇薬か、分かりやすい例だろう。

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