残忍な荒療治 7
「……フェイ。ヴィヴィアが目を覚ました時は、俺から説明するぞ?」
「会長が、ですか?」
「そりゃあ身内がやったことだしな。適任は俺だろ」
「しかし――」
反論を予想して、フェイから目を逸らす。いつまでも寝ているのは迷惑だろうし、さっさと起きよう。
改めて周囲を確認すると、やはりギルドの関係者で一杯だった。野次馬もいるが案外と静まっており、閑静な空気が作られている。
「――分かりました。では私、会長の家に泊まりますね」
頭をハンマーで打たれたような衝撃だった。
では、って何だ? 泊まる? 年ごとの男と、一つ屋根の下で?
「お、おい、おいおいおい」
「一度だけで結構です。ギルドの状態を隅々《すみずみ》までチェックしたいので。別にご迷惑でもないでしょう?」
「そりゃあ極論から言えば問題ないけどな……俺だって健全な男子高校生だぞ。同い年の女の子と同居ってのは、抵抗感が、だな」
「間違いが起こる可能性があると? ですがご安心ください。その際は問答無用で男性機能が消えることになります。具体的には切り落す方向で」
「……」
止めてくれ。魔剣を出しながら言うのは止めてくれ。
まあ勿論、こっちだって妙な真似をするつもりはない。彼女が必要なことをしてくれるなら、鬼に金棒、前も言ったように百人力だ。