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魔術師は現代社会に殺される  作者: 軌跡
第二章 弱者の居場所
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乗り越えるために 7

「があああぁぁぁぁあああ!!」


 一瞬だった。

 獣としか思えない叫び声で、青年が突っ走ってきたのは。


「会長、下がって!!」


「いっ!?」


 動く前に突き飛ばされた。

 直後、勢いに乗った快音が反響する。フェイと青年が激突したのだ。

 狭い廊下ではあるが、二人は加減をしない。魔剣がコンクリートを砕き、一瞬で鉄筋すら露わにする。巻き込まれればひとたまりもない。

 しかしそれ以上に注目すべきは、互角の戦いを繰り広げているということ。

 昼間の反応はすべて演技だった――わけではあるまい。恐らくは身体強化の魔術を、過剰なレベルで使用しているのだろう。でなければこんな叫び声を上げるものか。


「会長! 別の階段で下へ! 三階から非常階段を使ってください! 彼は私がくい止めます!」


「む、無茶はするなよ!?」


「もう少し説得力を身に付けてから言ってください……!」


 ひときわ強烈な突風が、角利の立っている廊下を揺らした。

 とにかく、今は逃げるしかない。そうすれば足手纏いにはならないのだ。せめてもの手伝いはやっておきたい。

 角利は廊下を駆け抜ける。

 途中で見かけたのはフェイが倒したであろう、オークの亡骸。魔力で肉体が構成されているためか、血の臭いはしない。

 角利は苦悶の表情を浮かべるしかないが、一先ず三階までは行けそうだ。

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