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魔術師は現代社会に殺される  作者: 軌跡
第二章 弱者の居場所
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乗り越えるために 5

「ふ――!」


 間一髪、救いの手が差し伸べられるまでは。

 またもやフェイによる一撃だった。急所を貫く、無謬の一閃。清潔な具象鎧は清潔なまま、救世主としての威光を思う存分示している。

 尻餅をついた角利は、彼女の姿を見上げるだけだ。どうしようもなく見惚れてしまう、その小さな背中を。


「立てますか?」


「あ、ああ」


 また、足を引っ張ってしまった。

 手に触れる温もりが何故か辛い。自分を恥じてるからだろうな、と角利は内心で吐息する。


「……無能だなんて、思わないでください」


「は?」


「会長には前に進もうとする、痛いほどの意思がある。勇気なのか無謀なのかは決めかねますが……貴方自身にとって、きっと有益だと思います。ですから、どうか自分を責めないで」


「……悪い」


「言った傍からですか?」


「か、感謝が八割だからノーカンだ」


 話している間に、少し気分もよくなった。

 フェイは廊下に出ると、直ぐ左右の様子を確認する。どうも敵の姿はないらしく、こっちに来いと身振りで示した。


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