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魔術師は現代社会に殺される  作者: 軌跡
第二章 弱者の居場所
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乗り越えるために 1

 静止を呼び掛ける関係者を無視し、二人は直ぐに階段を目指す。高校生が走れば一分もかからない距離だ。

 避難者を乗せているのか、近くにあるエレベーターが到着する。

 出たのは。


「っ!」


 人間ではなく、獣の咆哮。

 えさを発見したオークが単身、入口をこじ開けて飛びかかる。

 無論、警戒していたフェイにすれば単なる雑兵でしかない。軽くいなすと、即座に反撃の一閃を叩き込む。

 流麗の一言に尽きる剣技だった。オークは呻き声すら上げず、くの字に折れて倒れるだけ。

 生命力を失った彼らは徐々に身体を解いていく。――実際に糸のようなモノが出ているんだから、間違った表現ではないだろう。肉体を構成する魔力が解けているのだ。

 しかし、観察する暇などまったくない。

 通路の奥から、さらに数体のオークが現れる。


「大丈夫ですか?」


「あ、ああ」


 足が竦んでいるが、完全に動けないほどじゃない。――そもそも敵が複数いる以上、角利が行動せざるを得なくなる。


「会長は階段を使って四階へ。……ここは私が、何が何でも守り通します。妹を、どうか――!」


「わ、分かった!」


 卑しい獣の声を背後に、持てる力のすべてで走る。

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