表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
魔術師は現代社会に殺される  作者: 軌跡
第二章 弱者の居場所
68/168

二つの病、二つの現実 10

「――俺も行くか」


 煮詰まった頭で考えても、ネガティブな考えしか浮んでこない。落ち着ける場所で、改めてフェイと話した方がいいだろう。

 人混みを避けるため、エレベーターの横にある階段を使う。静まり返って、人の気配はほとんどない。それこそ、無害な一般人なら不意を突けそうなぐらいに。

 ――馬鹿げたことを考える。やはり気分転換が必要らしい。

 病院の出入り口は、最初に見た時と変わらない様子だった。上の階で今まさに人が死のうとしているなんて、誰も想像しちゃいない。

 フェイの姿が待合室にもないことを確認すると、角利は外へ。

 いた。

 黄昏色に染まった少女が、病院を囲む池を覗いている。


「いいのか?」


 まるで期待するような、誘惑さえ籠った質問。

 彼女は決然とかぶりを振った。


「先が短いのは分かっていました。ただ、その必然がやってきただけの話です」


「ヴィヴィアがまだ生きたい、って思ってたら? 家族として無視は出来ねえだろ」


「もういい、と妹はたびたび口にしていましたよ?」


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ