表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
魔術師は現代社会に殺される  作者: 軌跡
第二章 弱者の居場所
66/168

二つの病、二つの現実 8

 角利以上の冷静さで、フェイは医師に頭を下げてら退室する。角利も直ぐ続いた。

 ホールへ移動する間、二人の間に会話はない。理由もなく不安になってしまうが、彼女は彼女なりの考えがあるんだろう。

 目的地に到着すると、フェイは一番奥の椅子に座る。こちらの位置も当然、その隣となった。


「なあ、魔力は補充しなくていいのか? 放っておいたら悪くなる一方だろ」


 なとど。もっとも不安がっている当人を差し置いて、晴らしたい疑問を口にする。

 フェイは逡巡した後、躊躇とまどいいがちに否定した。


「魔力を外部から取り入れるには、生贄が必要です。他に術はありません。……人命第一が基本の文明社会で、それが許されると思いますか?」


「それは――」


 無理だ。可能だったのは、遠い過去の時代である。

 加えて日本は独裁国家ではない、法治国家だ。ルールに従うのは魔術師とて同じ。神秘性を盾に特権を得ていた時代とは、立場が根本的に違う。

 例え、倫理観が違うと言い訳をしても。

 社会の一員である以上、勝手な真似は許されないのが昨今だ。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ