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魔術師は現代社会に殺される  作者: 軌跡
第二章 弱者の居場所
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二つの病、二つの現実 6

 不治の病。生かすだけで精一杯の、閉じられた命。

 魔力は魔術師の体力と同義だ。それが吸い尽されるのであれば――衰弱死、という形になるのだろう。幻獣の召喚、維持はただでさえ魔力の消費が大きいと聞く。


「こう言っちゃなんだが、腕を切り落すとかじゃ駄目なのか?」


「ヴィヴィアは試していませんが、過去に実行し、失敗した例があります。直ぐに再生してしまうんだとか」


「困ったもんだな……幻獣だって、やりたくてやってるわけじゃないだろうに」


「でしょうね。幻獣は魔術師と契約した異界の協力者であり、こちらは言うなれば食糧の提供者。相互扶助そうごふじょの関係で、害意を持っているわけではありません。魔物は別としても」


「アイツら、基本的に契約を失った幻獣なんだよな? 暴走してるって感じで」


「ええ」


 学園の授業でも習う。かと言って、同情するような視点は育成しない方針だ。

 昔はそうでもなかったらしいが、今は魔術師の存在意義が問われる時代。銃器などの近代兵器も存在する以上、魔術師が専門的な立場を取れる敵はありがたい。

 不謹慎な言い方ではあるだろう。学園でこんなことを大声で言ったら、きっと先生達に、御法に叱られる。

 しかし、現実だ。

 召喚暴走症も、幻獣の変質、脅威という認識を煽るのに利用されているかもしれない。

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