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魔術師は現代社会に殺される  作者: 軌跡
第二章 弱者の居場所
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二つの病、二つの現実 5

「よし、じゃあ帰ろう。……って、フェイの家はどこなんだ?」


「病院の近くにあるマンションです。……入らないで下さいよ? 整理だってしてないんですから」


「妖精でも雇ったらどうだ?」


 考えておきます、との相槌あいづちを聞いて、二人は待合室を後にした。

 外では日が傾きつつある。道路を挟む街灯は黄昏色に染まっていて、夜の訪れを誘う門のようだ。


「そういえば、妹はどうでしたか?」


「元気そうだったぞ。病人には思えなかったぐらいだ」


「そうですか……あの子には随分と苦労をかけていますから、元気そうで何よりです」


「――何の病気なんだ? 妹さんは」


 力になりたいと思ったのか、それともまた好奇心か。

 沈んだ横顔を見るのは、知り合ったばかりでも辛かった。


「……召喚暴走症しょうかんぼうそうしょう、というのはご存知ですか?」


「いや、初耳。もしかしてヴィヴィアの左腕か?」


「はい。私や会長は魔剣の召喚――武装召喚を用いますが、彼女は幻獣召喚という魔術の使い手でして。……子供の頃、術を発動させる際に事故が起こったんです。そのため左腕に幻獣が憑依ひょういしている状態で」


「治る、のか?」


「症状の進行を遅らせることは可能ですが、現状ではほぼ不可能だそうです。最終的には魔力を吸い尽されて、死にいたる、と」


「……」

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