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魔術師は現代社会に殺される  作者: 軌跡
第二章 弱者の居場所
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嵐の前触れ 7

「うちの両親、アタシ達が小さい頃に亡くなっててね。もう十年以上かな、金銭面とかで助けてくれてる人がいるの。御法、って名前のお爺さんなんだけど」


「――俺の祖父だ」


「えっ!?」


 ヴィヴィアはまたもや目を輝かせる。姉のことを猫だと言ったが、この子の方がよっぽど猫らしくないだろうか。


「ど、どうして知ってるの!? もしかしてストーカーさん!?」


「歪みきった解釈は止めろ! ただの孫だよ!」


「えー、ホントー?」


 本当だ、と答えてから生徒手帳を差し出す。身分の証明には十分だろう。

 彼女もきちんと目を通してくれるが――首を傾げてばかりで、角利の答えに納得しようとはしない。


「――本当に孫? あのオジサン、凄腕の魔術師だと思ったんだけど」


「申し訳ありません不遜ふそんの孫で」


「……成績だけ見ると冗談にならないから止めよ? っていうか、あの人に孫がいたなんてねー。意外」


「まあ爺さん、そこまでお喋りじゃないしな」


 祖父が一緒に住んでいた頃を思い出す。

 彼は職人気質な男で、無駄な話を好まなかった。人生にハッキリとした意味を見出し、寄り道をしない性格だからだろう。

 お陰で近寄り難い人物像に仕上がっていたと思う。反面、頼れるのも間違いなかったが。

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