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魔術師は現代社会に殺される  作者: 軌跡
第二章 弱者の居場所
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嵐の前触れ 5

「えっと……」


「角利さん、だよね? アタシはヴィヴィア。お姉ちゃんがお世話になりました」


「い、いや、こちらこそ」


 深々と頭を下げ、それからも角利は立ったまま。

 フェイの妹――ヴィヴィアは隣りの椅子を叩いている。どうも座れというジェスチャーらしい。

 指示に従ったところ、彼女は舐め回すように角利を観察し始める。

 姉と同じで、ヴィヴィアも目を惹く容姿の持ち主だった。

 フェイと違って、彼女は髪を短くしていた。少女らしい可愛さの中に、少年のような活力が混じって見える。

 特に表情。フェイは基本的に鉄面皮だが、ヴィヴィアは笑顔が良く似合う。こうしている今もそうで、姉が知人を連れてきたことを喜んでいるらしい。


「ね、ねえ、角利さんってお姉ちゃんとキスはしたの?」

 

 とんでもない爆弾発言だった。

 恋愛脳とはまさにこのこと。誤解以外の何でもなく、普段の姉妹仲に首を突っ込みたい気分になる。


「なんでそうなるんだ……俺は君のお姉さんと、今日会ったばっかりだぞ」


「え、そうなの? アタシはてっきり、二人が男女の関係なのかなー、って」


「階段を何段すっ飛ばす気だ……」


 大体にして彼女、恋愛に興味が無さそうな気がするけれど。

 しかしヴィヴィアの反応は、こちらの推測を否定するものだった。


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