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魔術師は現代社会に殺される  作者: 軌跡
第二章 弱者の居場所
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祖父と孫、下心 8

「本題に移ろう。お主が欲しいのは、ギルドの正式な申請書だな?」


「ええ、まあ。役所に行ってもよかったんですけど、せっかくなのでこっちに」


 御法はまた厳しい顔。もし口を開けば、直ぐさま責めるような台詞が飛んでくるだろう。

 彼はギルド自体を嫌っている。

 にも関わらず対応を求めたのは、角利なりの甘えでしかない。孫にとって、祖父は祖父でしかなかったのだ。少しぐらいの我儘も――と、下心が出て当然だろう。ご理解ください。

 御法は嘆息しながら席を立つ。執務用の机から、一つの封筒を取り出すために。

 封筒の表には、四治会用、とマジックで記されていた。

 彼はそれを乱雑に、投げ捨てるように角利へ渡す。


「そら、受け取れ」


「ど、どうも。……えっとそれで、個人的な支援なんですけど――」


「角利よ」


 威嚇するような胴間声。部外者をキープしていたフェイも、微かに身体を震わせた。


「前にも言ったが、ワシは仕事の紹介ぐらいしか行なわん。根本的な問題は自分で解決しろ」


「は、はいっ」


このように。

孫の下心は、木っ端みじんに砕け散ったのだった。


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