47/168
祖父と孫、下心 6
なお、公私混同はしないのが祖父との約束である。ここではあくまで、一生徒と学長、の関係で振る舞わねばならない。
「……あの」
弛緩した空気に釣られたフェイが、ようやくこちらへ近付いてくる。
紅茶の有無を問われると、彼女は慌てながらも断った。後はソファーに座ろうとせず、角利の背後に定位置を取る。
「おいおい、遠慮しなくていいぞ」
「い、いえ、問題ありません。話の主役はお二人なんですし」
「ギルドの話すんだぞ? 別に――」
「ぬ? ギルドがどうかしたのか?」
二人分のティーカップを持って、御法が戻ってきた。角利には砂糖とミルクもついている。
「いや、隣りの彼女――フェイ・モルガンさんが、うちのギルドへ協力してくれることになって。他のメンバーを見つけるまでの仮、だそうッスけど」
「……ふむ、ギルドか」
途端、御法の顔が固まった。
どうも気に喰わない出来事があったらしい。彼は意外と根に持つタイプだ。無関係な二人がいるにも関わらず、顔の皺を濃くしていく。